この作品はあくまでも作者の個人的な楽しみに基づくものであり
この作品の登場人物、設定などの著作権はすべて、クリス・カーター、1013、20世紀フォックス社に帰属します。

参考文献　：ロバート・K・レスラー著　FBI心理分析官『異常殺人者ファイル』
参考HP　　：犯罪心理学　心の闇と光

それはまぎれもなく彼女だった。 5年の歳月が流れても、僕が彼女を見間違うはずはない。 アレキサンドリアにある赤茶色の煉瓦づくりの小さなレストラン。 土曜の午後の店内は満席にちかかった。 ナイフやフォークが皿にあたるカチャカチャという音や、人々の楽しげなざわめきを逃れて出たテラスのテーブルに、 彼女、Dana Scullyは一人で座っていた。 瞬間、僕の心臓がトクンと脈をうつ。 僕の視界のなかで、彼女以外のすべてのものは動きを止めた。 静止した世界のなかで、彼女がファイルされた書類を読みながら スローモーションのようにゆっくりとコーヒーカップを口に運ぶのを、僕はただつっ立って呆然と見つめていた。 肩までの赤い豊かな髪、白い肌、まっすぐに通った細い鼻筋、柔らかい花びらのような薄ピンクの唇、 5年の月日は彼女をさらに美しく、洗練された大人の女性へと磨きあげたように見える。 僕が思わずゴクリとツバを飲み込んだとき、席を立ってこちらへ歩いてきたカップルの男と肩がぶつかり、 自分がかなり邪魔な場所に立ちつくしていたことに気がついた。 僕は彼女の斜め左に空いたテーブルを見つけ、上の空でウェイターにコーヒーを注文した。 そのとき一瞬彼女が読んでいる書類から目を上げて僕を見つめた気がしたが、再び無表情に目を伏せてしまった。 5年だ。 アカデミーで僕が彼女の教え子だったときから5年が経っている。 僕に気づくわけないか…。 5年前、Scully捜査官がアカデミーで教鞭をとっているとき、事件に巻き込まれて行方不明になった。 それ以来僕は彼女に会うことはなかったが、その後彼女は危篤状態で発見され奇跡的に回復したと聞いている。 当時アカデミーではScully捜査官の元パートナーが彼女のために捨て身の捜査をしたのだともっぱらの噂だった。 当時の女友達は、Scully捜査官の事件を彼女たちが大好きなロマンス仕立てに作りあげて大騒ぎをしていたものだ。 彼女たちの話の中ではScully捜査官の元パートナー、 - 彼らはその後再びパートナーとなったようなので正確には現パートナーだ - は、 長身でかなりのハンサムだということになっていたが、僕は信じてはいなかった。 女の子たちの好きなラブロマンスには背の高いハンサムな男が必要不可欠なのだ。 アカデミーでも有名だった天才プロファイラーSpooky Mulderは、たぶん気難しい顔をしたチビのオタク捜査官だ。 5年だJohn。 僕は苦笑いで目を閉じた。 あれから5年たって、僕はもうアカデミーの生徒じゃない。 あのときScully捜査官を助けることはおろか、捜査に加わることもできず、 毎日新聞やニュースでしか情報を得ることができなかったふがいない青二才の自分とは違うんだ。 『どこが違うっていうんだ？』心のなかで別の僕が意地悪く問いかけた。 『おまえはアカデミー時代のほうが夢にあふれ、真っ直ぐに前を見ていられたじゃないか』 僕は心の声に耳を塞いだ。 Mulder捜査官は確かに優秀な捜査官らしい。 だが、彼を必要以上に意識することはない。 そう思い込もうとした。 僕は再びScully捜査官に視線を戻した。 彼女は時折読んでいる書類から顔を上げ、細い手首に光る時計をチラチラと気にしている。 そして誰かを待っているかのように店の入り口に目をやった。 僕は彼女に声をかける勇気とタイミングをなくしたまま、ただ彼女を見つめていた。 彼女はとうとう読んでいた書類を閉じると、テーブルにおいてある携帯を開き、慣れた手つきで番号をプッシュした。 しばらく小首をかしげて携帯を耳に当てていた彼女のうつむいた顔はどこか不安げで、 電話の相手が彼女にとって大切な人物だとわかる。 かなり長い間そのまま動かなかった彼女が、突然顔をあげた。 電話の相手が受話器をとったのかもしれない。 しかし彼女は明らかに気落ちしたような表情で、2言3言話す。 まだなにか話そうと彼女が口を開きかけたが、彼女はそのまま電話を切った。 彼女の形の良い唇からふるっとため息がもれるのを僕は見逃さなかった。 あきらめたように彼女はテーブルに広げた書類を片づけはじめ、席を立った。 僕は慌てて立ち上がり、彼女の後を追う。 小柄な体にピッタリとフィットした白いVネックのTシャツに細身の黒いジャケットをはおり、 ブルージーンズ姿の彼女はチェックをすませると、５年前と変わらないキビキビとした足取りで店を出た。 僕が金を払うのにもたついている間に彼女は行き交う車の間をぬって道を渡り、 店の反対側に止めてあったワインレッドのセダンに乗り込んでいた。 運転席でサングラスをかけ、ハンドルをきりはじめた彼女を目のはしにとらえた僕は 「お客さん、お釣りを」 という店のレジ係りの声を背中で聞きながら店を飛び出した。 Scully捜査官との5年ぶりの偶然の再会を、このまま終わらせる気はない。 道を横切る瞬間に左側は確認した。 車は来ていない。GOだ。 そのとき突然目の前に白いワンボックスカーが現れた。 「ウソだろ」 そう思うと同時に、僕は頭から道の反対側にスライディングしていた。 甲高いブレーキ音のあと、ドライバーの男が何かを怒鳴り、窓から中指を立てた腕をつき出したのが見えた。 車のボンネットまで数センチと離れていなかった。 僕はブルっと身震いすると、用心深く体を起こした。 大丈夫、重大なケガはしていない。 むき出しのひじとジーンズの下に隠れた大きな擦り傷以外には…。 苦々しい思いで立ち上がろうとした僕の肩に軽く手がおかれた。 「そのまま動かないで。救急車を呼ぶわ」 柔らかいが有無を言わさぬ懐かしい声。 見上げると、いつのまにかScully捜査官が僕の隣に膝をついて医者の目でケガのチェックをしていた。 胸元に揺れる小さなクロスのネックレスに見覚えがある。 「救急車は必要ありません。 あなたが診てくれれば充分です、Scully捜査官」 瞬間、彼女はひじの擦り傷から僕の顔へと視線をあげた。 「お久しぶりです、Scully捜査官。アカデミーで…」 僕の言葉が終わらないうちに彼女の顔に大きく笑顔が広がった。 「Johnね。John Powell !　懐かしいわ。元気だった？」 そう言ってから彼女は急いで笑顔をひっこめて続けた。 「路地を曲がってきた車にもう少しでひかれるところよ。なにか事件でも？犯人を追っていたの？」 そう言い終わらないうちに彼女は腰を浮かせて捜査官の目であたりを見渡した。 「いえ、追っていたのはあなたです、Scully捜査官。レストランであなたを見かけたので」 「John、それなら慌てて道に飛び出す前にレストランで声をかけてくれればいいのよ」 呆れ顔で見下ろす彼女に、『5年ぶりに会う人待ち顔のあなたに声をかける勇気は僕にはありませんよ』 そんな言葉を飲み込んで、僕は素直に「はい」と肯いた。 彼女は満足したように微笑んで立ち上がると僕に手を差し出した。 「幸い傷もたいしたことはなさそうだし、家まで送るわ」 僕はおずおずと彼女の手をとってゆっくりと立ち上がった。 「目眩や吐き気はない？」 「もしも気分が悪いと言ったらあなたが介抱してくれるんですか？」 つないだ手をどうするべきかと考えながら、僕は半分本気で彼女に訊ねた。 「いいえ、このまま病院へ送るわ」 そう言って彼女は楽しそうに笑うと、僕のために助手席のドアを開けた。 車に乗り込むために体をかがめると、先ほど路上スライディングをした体が悲鳴をあげて一瞬顔をしかめたが、 幸い運転席に乗り込む彼女には気づかれずにすんだ。 彼女の車の助手席は、かなり後ろにスライドされていて意外に広く、 そのためヒリヒリと痛む足を伸ばしたままで座れて助かったが、僕には少し広すぎるように思えた。 この場所は誰のためのスペースなのか、僕にはそこが気にかかる。 僕のアパートは、レストランから歩いて10分。 車で・・・15分。 考えつく限りの遠回りでアパートに戻った僕の隣で、Scully捜査官はサングラスを外し ハンドルに上半身をもたせるようにして僕のアパートを奇妙な表情で見上げていた。 「本当にここがあなたのアパートなの？」 僕のほうを見もしないで彼女が尋ねる。 「はい、いままで住んでいたアパートが老朽化のために建て直しをすることになって、 その間ここに住むことに・・・それがなにか？」 「そう。ううん、なんでもないの。部屋まで送るわ」 Scully捜査官は短くそういうと車からおりた。 車の中での会話は、「消毒薬と包帯はある？」とか「気分が悪くなったときに側にいてくれる人はいる？」とか、 僕にとって情けないものだった。 僕の答えは「Yes」と「No」 つまり、消毒薬と包帯はあるけど、側にいてくれる人はいないってこと。 僕は部屋の前で立ち止まり、Scully捜査官に振り向いておずおずと切り出した。 「ありがとうございました、Scully捜査官。 もし、あなたの時間が許すならコーヒーをご馳走させてください」 神様、彼女との再会の時間を、もう少し僕にください。 「ありがとう、John。コーヒーはレストランで3杯飲んだからけっこうよ。 でも、あなたの傷の手当をしなくちゃね」 それを聞いた僕はだらしない笑顔を彼女に向けているに違いないと気がついて、 急いでポケットからとりだしたカギでドアを開けた。 彼女に背中を向けたまま、レストランでは誰かを待っていたのですかと思い切って訊いてみた。 さりげない声がだせただろうか。 彼女は一瞬の沈黙のあと、唇を閉じたままニッコリ笑うと、そのまま僕の横をすり抜けて部屋へ入った。 瞬間、ふわりとした彼女の香りが僕を抱きしめた。 後ろでちょこんと指を組み、僕の部屋を見回すためにクルリと回転した彼女の仕草が少女のように可愛くて、 僕の目は釘付けになる。 ふいに振り向いた彼女の視線と、まっすぐに彼女を見つめていた僕の視線がぶつかって、 僕は不自然にうつむきながら彼女にソファをすすめた。 一人暮らしなので散らかっていて、とかなんとか、モゴモゴとつまらない言い訳をしながら、 カッと顔が赤くなるのを感じてしゃべるのをやめた。 それに比べて彼女の声は憎らしいほど落ち着いていた。 「座るのはあなたよ、John。傷の手当をしなくちゃ。消毒薬はどこ？」 Scully捜査官の手が僕の背中に柔らかく触れた。 突然、僕の背中にざわりとした冷たい感覚が走った。 馴染みのある恐怖が背中から広がって、またたくまに全身を麻痺させる。 僕は眩暈をこらえるように、目をギュっと閉じて息を止めた。 よりにもよって、どうして今なんだ。 「John？」 「いま、持ってきます。ちょっと待ってて」 僕は彼女のいぶかるような瞳を避けて、かすれた声をしぼり出した。 そして強ばる体を無理やり動かすようにして、薬箱を取りに部屋を出た。 ****************** 「少ししみるわよ」 Scully捜査官は、さっきの僕の態度については何も聞こうとしなかった。 彼女は、ソファに座った僕と向き合うようにコーヒーテーブルの上に軽く腰を下ろして足を組み、 器用な手つきで消毒薬を浸した脱脂綿をピンセットではさむと、僕のひじの擦り傷にポンポンと押し当てた。 瞬間、僕は痛みのためにしかめた顔を脇に背ける。 「痛い？もう少しだから我慢して」 僕は下唇をぎゅっと噛んで、声がもれないようにうつむいた。 「我慢強いのね、えらいわ」 まるで僕は彼女の子供みたいだ。 そんな扱いに不平を言いたいところだが、僕は唇を噛みしめることしかできなかった。 彼女はそんな僕を見て楽しんででもいるかのように、笑顔で手当てを続けている。 医者なんて、人の痛みには無神経なものだ。特に、ただのかすり傷を負った患者の痛みには。 　 ひじに包帯を巻き終わり、ジーンズの裾をまくって僕の足の傷を見たときに 彼女からやっと同情の声を聞くことができた。 「まぁ、これはひどいわ。痛かったでしょう」 傷は浅く出血も少ないが広い範囲で擦りむけた僕の足は、赤や黄色など気味の悪い色で彩られていた。 「曲げると痛むけど、あなたの車の助手席は足元が広く空いていたので楽でした。 誰か特別な人のためのスペースですか？」 気になっていることを、さりげなく訊くことは難しい。 「大きな犬を乗せることがあるの。ときどき粗相をして困るわ」 本気なのかジョークなのか、はかりかねる口調で彼女が答え、 目を丸くするばかりの僕の足に慣れた手つきで包帯を巻いて彼女の治療は終わった。 そのあと彼女はキッチンで僕のためにコーヒーを入れてくれて、 彼女自身もこれで4杯目となるコーヒーを口に運んだ。 「レストランで読んでいたファイルは事件に関係したものですか？」 「そうよ。よく見てたのね」 僕の顔は、また赤くなったと思う。 「似通った手口の殺人事件が2件。他に3件、類似事件があるの。 でも、直接私たちの担当事件ではないんだけど」 「連続殺人…ですか？」 「報告書によると、どうもそうらしいわ。連続レイプ殺人とみてる」 なんとなく僕のカンが働いた。 「もしかするとリッチモンドの？」 彼女が意外そうな瞳をむけた。 「そうよ。どうして？」 「僕らの事件です」 「あなた、凶悪犯罪課に配属されたの？」 彼女の瞳がさらに大きく見開かれた。 「難しい事件で手こずってます。ボスが客観的な意見を求めることも必要だとの判断をしたようですが、 それがScully捜査官、あなたの元へ届いていたとは…」 「私にではなく、正確には私のパートナーに依頼があったの」 「Mulder捜査官に？」 「彼を知ってる？」 彼女が『彼』と言ったときの親しげな響きが気になったが、僕はそしらぬ顔で答えた。 「もちろん。彼は凶悪犯罪課では伝説の人ですよ。 それに4年前、行動科学課の彼の上司であった著名な捜査官を逮捕した人でもありますから」 「Bill Patterson」 「ええ。彼は精神に異常をきたして、医療刑務所に収容されているようですね。 今でもときどきMulder捜査官に会わせろと騒ぐと聞いています。」 Scully捜査官は知っているというふうに肯くと無言で目をそらした。 「Mulder捜査官は他の部署の捜査官から意見を求められることが多いの。今回の事件もその1つよ。 はじめの3件は彼も目を通したはずだけど、昨日の夜遅くに新しい2つのケースが送られてきたものだから。 彼は他にも何件かプロファイリングを依頼された事件を抱えているはずだから、 すぐにお役に立てるかどうかはわからないのだけど、そういうことなら彼に話してみるわ」 「あのレストランで彼に会うはずだったんですか？」 「そういうわけではないんだけど」 Scully捜査官はレストランで見たときと同じため息をひとつつくと、曖昧な微笑みを浮かべた。 いつもピンと背筋を伸ばし、毅然としていたScully捜査官しか知らない僕は、 彼女にそんな表情をさせるMulderという見知らぬ男にいいしれぬ対抗心が湧いてくるのを感じた。 「あなたとMulder捜査官はパートナーなのでは？オフィスで会えるじゃないですか」 「Mulder捜査官はしばらく休暇をとっているの。 ここのところハードな仕事が続いたうえに、ご家族に突然のご不幸があったばかりで。 そういう意味でも、あと少しだけ時間をいただけるかしら」 「そう…だったんですか。わかりました。ボスには僕のほうからうまく言っておきます」 「ありがとう、助かるわ。事件の書類は今日中にかならず彼に届けるから、心配しないで」 彼のために、どうしてあなたが僕に礼を言うんです、Scully捜査官？ 僕の心に子供っぽい嫉妬心がむくむくと広がった。 「でも、Mulder捜査官は待ち合わせの場所に来なかったのでしょう？」 「待ち合わせというわけではなかったの。 いつも休日の午後は、あのレストランに顔を出すことが多いから、もしかしたらと思って寄ったのよ。 留守か居留守かわからないけど、とりあえず留守電にメッセージを入れたから、あとで連絡がくるはずだわ」 そう言って彼女は微かな笑顔を作ってみせた。 「携帯に連絡は？」 「…電源を切っているのかも」 Mulder、どれほどの男だというんだ。 僕の知らない男をかばうScully捜査官をこれ以上見ていたくはなかった。 「Scully捜査官、これ、覚えてますか？」 僕は包帯を巻いたために曲げられなくなった左足をピョコピョコとひきずって本棚に近づき、 上の段に飾ってあった木製の写真立てをとって軽く埃をはらうと彼女に見せた。 「まあ、懐かしい。もちろん覚えてるわ」 彼女の顔に嬉しそうな微笑みが広がるのを見て僕は安心した。 これで少しの間、Mulderという男から彼女を引き離しておけるとも思った。 その写真はアカデミーの中庭のベンチでScully捜査官を中心にして当時の友人数名と撮ったもので、 僕が持っている唯一の彼女の写真でもあった。 Scully捜査官は写真を僕から受け取ると、懐かしそうに見つめ、何かを思い出すように目を細めた。 「金髪のショートヘアがJenny、大きなメガネのブルネットがAnne、内気な文学青年のSteve、 赤毛でそばかすのDanny、そして負けず嫌いで率直なリーダー格のJohn、あなたね。 みんな真面目で良い生徒たちだったわ」 「すごいな。よく覚えてますね。僕たちはみんなあなたを尊敬していたし、好きでした」 彼女がにっこりと微笑んだ。 彼女の笑顔は本当に美しい。 大人の女性の美しさに、時折恥ずかしがりな少女の可愛さが顔を覗かせる。 年下の僕が、彼女にこんなことを言ったら失礼だろうか。 「Jennyとは今も会ってる？」 急に声のトーンを変えて彼女がたずねた。 「いや、彼女とはしばらく会ってないけど、たまにメールで連絡はとってます。彼女は今、西海岸ですよ。」 「彼女、あなたに好意を持ってたこと、知ってた？」 ふいをつかれて僕が眉を上げてみせると、そこには瞳をキラキラと輝かせてイタズラっぽく微笑む彼女がいた。 「Jennyがいつもあなたのことを目で追ってたの、気づかなかったの？」 ダメね、というかのような彼女に向かって、『いつもあなたを熱く見ていた僕の視線に気づかなかったんですか？』 と言いたい気持ちを僕はグッと飲み込んだ。 あの頃、振り向けばいつもJennyの視線とぶつかった。 僕だって彼女の気持ちぐらい察しはついた。 でもあのときの僕は、Scully捜査官、あなたのことでいっぱいだったんだ。 僕の気持ちに気づいていなかったのは、たぶんあなただけですよ、Scully捜査官。 それはJennyだって知っていたはずだ。 そんな気持ちで僕は苦笑いを浮かべた。 xxx to be continued xxx あ、あれ・・・。 モルが登場しないままにpart1が終了。 ごめんなさい！もうしばらくお待ちを(>_<) yuria