| Disclaimer: The characters and situations of the terevision program "The X-Files" are the creation and property of Chris Cater, FOX Broadcastiong, and Ten-Thirteen Productions. No copyright infringement is intended. |
【注意】
このfan fictionはあくまでも私の勝手な妄想の産物です。
また、ALL THINGSを中心としたS7のspoiler ficになってます。
なお、MulderとScullyの間に「仕事の相棒」以上の関係・感情が含まれています。
（まだ恋愛関係には発展していないところから始まります）
以上を踏まえた上で、ご了承いただける方のみ、本分へお進みください。 |
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| TITLE: |
舟歌 〜唄のはじまり〜 |
| SPOILER: |
ALL THINGS |
| AUTHOR: |
dina |
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目を覚ましたScullyが最初に見たのは、天井に映る自分自身の姿だった。
「……」
まだ意識がはっきりしない。いったいなぜ自分が天井に？目をこすりながら、上半身
をゆっくり起こすと、辺りを見回す。
ようやくScullyは自分の置かれている状況がわかった。
自分のものではない見慣れたベッド、よく知っているにおい、少し殺風景な部屋。
窓の外はすっかり日が沈んでしまったのか、月明かりだけが辺りを照らしていた。
Scullyはベッドからおりると、自分の靴を探す。
ベッドの下や反対側を見ても、なぜか見つからない。そういえばさっきMulderと話をしていてカウチで寝てしまったんだわ、と気付いた彼女は、靴がないことよりもMulderが気になった。
「Mulder？」
部屋の中にScullyの低い声が響く。返事はない。
ふぅっと肩で息を落としながら、彼女はベッドルームを出た。きっとMulderのことだ
から、カウチで眠っているのだろう……
「…Mulder？」
しかしカウチにMulderはいなかった。変わりに窓がほんの少し開き、カタカタと風を入れながら音を立てている。
いったい彼はどこへ行ったのだろうか。考えるように腕を組んだが、もう一度部屋の中を見渡してみる。
すると、キッチンの方でガタッという物音がした。
「Scully、起きたのか？」
声がまず始めにScullyの耳に届き、そして長身の相棒が現れた。
「ええ、ごめんなさい。私眠ってしまったみたいね…」
「もう少し寝ていてもよかったのに。」
腕まくりしていた袖を元に戻しながら、Mulderが言った。
「あなたがベッドへ運んでくれたの？」
Scullyがそう聞くと、Mulderが笑った。
「Scully、他に誰がいるっていうんだい？エイリアンか？」
「それもそうね。」
「あのままじゃ寝苦しいんじゃないかと思ってね。余計なお世話だった？」
ふと秒針の音が耳に入った。時計を見るともう23時を回っている。
「いえ、そんなことはないけど…」
Scullyは時計から目を離さずにそう言った。
「寝苦しいとわかっているカウチで何年も寝続けてたあなたもどうかしらね？」
「君と僕は身体の作りが違うよ、Dr. Scully。」
「…そう。」
適当にあしらうような返事を返すと、彼女は時計からテーブルの上に目線を移した。
「そういえばカップは…」
「ああ、今ちょうど片付けたところだよ。」
Mulderが右手の親指でキッチンを指した。
「そうなの…ごめんなさい。」
Mulderが袖をまくり、キッチンにいた理由がようやくわかった彼女は素直に謝った。
「謝ることはないよ。あのくらいのことやって当然さ。」
「なら、もう少しその気持ちを報告書の整理にも回して欲しいわね。」
いつものようにScullyは片眉をきゅっと上げて、やわらかい笑顔を相棒に贈った。
「考えておくよ。」
Mulderもそう答えながら笑った。
MulderはScullyのこの笑顔がたまらなく好きだった。
「Scully、君は疲れてるみたいだし、今日はこのまま泊まっていけば？」
「…気持ちは嬉しいんだけど…」
「何か用事でも？」
突然笑顔が消えてしまったScullyのうつむいた顔を、Mulderは少し屈みながら覗きこ
んだ。
「いえ、そういうわけじゃ…だって迷惑じゃない？」
吸い込まれてしまいそうなくらい綺麗な蒼い瞳が、Mulderの瞳をじっと見つめた。
Mulderは相棒の口から出た言葉に声を上げて笑いながら、頭をもたげた。
「Scully、いったいどうしたんだ？今さら迷惑だなんて…わかってると思うけど、僕
は君がそうやって気にしてくれるほどのもんじゃない。これが迷惑だと言うのなら、いつもの僕の行動は、犯罪といってもいい。」
「…それもそうよね。よくわかってるじゃない。でも…ほんとうにいいの？」
「かまわないよ。」
Mulderはカウチの下に揃えられたScullyの靴を手に取った。
「眠いのならこのまま寝ればいいし…シャワーを使うなら。」
どうぞという身振りのMulderから高いヒールの靴を受け取ると、Scullyは小さく「Thank you.」とつぶやいた。
「僕はちょっと書類を整理するから。ああ、ベッドは君が使えよ、Scully。」
「でも…」
「カウチで寝るさ。どちらにしてもあんまり眠る気もしないけどね。」
「ちゃんと寝たほうがいいわ、Mulder。あなたただでさえ出張帰りだし、時差も…それに私ならかまわないから、あなたがベッドを使って。」
身体を少し屈め、Scullyは靴を片方ずつ履いた。するとMulderとの身長差が数インチほどだが縮まった。
「Scully、女性の君をカウチなんかに寝かせて、男の僕がぬくぬくベッドで寝られるとでも？」
そのMulderの発言を聞くと彼女はいつものように瞳を少し大きく見開いて見せ、腕を組み、
ほとんど色の残っていない唇を軽く舐めた。
「そういうものかしら？」
「そうものさ。」
彼女の笑顔の次にこの腕組みポーズが大好きなMulderは、うれしそうに頷いた。
「でも…それを言うなら私だって同じだわ。背の高い相棒を脚がはみ出すカウチで寝かせておいて、自分はぬくぬくベッドで眠るなんてね。主治医としてもいただけないわ。」
少しうつむいて、Scullyはしばらく考えた。
「ねぇ…それなら一緒にベッドで寝ればいいわ。」
「何だって？」
あまりの意外な相棒の言葉に、Mulderは目を丸くした。
「いやなの？」
「いや・・。あの、Scully、君はそれでいいのか？」
「だって…別に同じベッドで寝ることなんて初めてじゃないわ。そうでしょう？出張先で、あなたの部屋に子牛が降ってきた時、満室という理由で同じ部屋に泊まったじゃない。忘
れたの？」
忘れるもんか…Mulderは口には出さずにそう言った。
「忘れたわけじゃない。でもあれは…あれは事故だ。やむをえない状況だった。そう
だろ？」
おかげであの時は一睡も出来なかった、とまでは言わなかった。言葉が勝手に口を飛び出
す前に、彼は自分から一度口を閉じた。
「今日は他に寝るところがあるんだ。君だって、僕と一緒じゃ・・・ゆっくり寝られないん
じゃないか？」
「どうして？」
「どうしてって…」
Mulderは言葉に詰まった。予想もしない相棒の発言に驚いたからだ。
「だって、あなた見ず知らずの男ってわけじゃないのよ。」
――― なんてことだ！
Mulderは心の中で叫んだ。この２日間自分がいない間に、彼女はほんとうに別人になってしまったようだ、とさえ思った。
これ以上反論しようのない状況に落ちて、半分口を開いたまま固まっているMulderを、Scullyは心底不思議そうに見ている。
「Scully、君はまさか…」
「何？」
「僕がいない間にまた何かチップでも埋め込まれたんじゃぁ…」
真顔で言うMulderを笑い飛ばす、とまではいかないが、彼女はふっと笑ってMulderの肩に手を置いた。
「バカなこと言わないで。ほら、シャワーでもあびてきたら？」
Damn it!
ほんとうに…いったい何が起こっているんだろう。自分の知っている限りでは、彼女はこんなことを今まで言い出したことはなかったし、何よりそんなことを思っているそぶりすら
見せなかったじゃないか。
―――僕と同じベッドで寝るだって？
彼女は何の意図もなく、そう言ったんだろうか？
…彼女と同じベッドで寝て、彼女に何もしないなんて、これっぽっちも保障は出来ない。
だから何気なく言った「シャワーをあびてきたら？」という彼女の言葉に、こんなにも過剰に反応してしまう…Mulderは無言で自分と戦い続けた。
「……それじゃ、そうするよ」
なるべくScullyと視線を合わせず答える。
とにかくシャワーでも浴びて、一度落ちついたほうがいいだろう。
「あー…Scully」
背を向けてバスルームへ行こうとしたが、Mulderはふとふりかえり、ベッドルームへ行こうとするScullyを呼びとめた。
「何？」
「いや…その、君はいいのかい？」
「何が？」
「シャワーだよ。使うのなら君が先に…」
Mulderにそう言われて、Scullyは自分の身体をまじまじと見た。
「そうねぇ…使いたいんだけど…私、着替えがないの。」
「僕の服を貸そうか？」
「え？」
しまった、と思った時にはもう遅かった。Mulderは信じられないくらいスルリと口にしてしまった自分の発言にひどく後悔した。
「いや…無理だよな。サイズが違いすぎる。」
「私があんまりにも小さいみたいに言うのね。」
「そういうつもりで言ったんじゃ…」
口を開けば開くほど墓穴を掘ってしまう自分が嫌になってきた。きっとこんなに動揺してるのは自分ひとりで、彼女はこれっぽっちも気にしてなんかいない。
「いいわ。あなたのを借りてもかまわない？」
「え…ああ、ちょっと待って。」
Mulderはあわててクローゼットへと向かった。
相変わらずのポーカーフェイスで、必死に動揺している自分をひた隠す。
「これなら大丈夫だろう？」
そう言って１枚のポロシャツを渡した。薄いブルーの半袖で、胸元にワンポイントがついてある。
「ええ、よさそうね。」
「下は…」
「これだけでいいわ。けっこう長いみたいだし。それじゃお先に。」
ほとんどわからない程度に目を丸くしたMulderからポロシャツを受け取ると、Scullyはバスルームへ向かった。
「なんだって？」
ひとり取り残されたMulderがつぶやいた。
「いったいあれは誰なんだ？」
Scullyがバスルームへ入ってから20分が過ぎた。
Mulderは長い脚を机に乗せてダラダラとテレビ
を見ながら、ひまわりの種をかじっていた。右手で種を口元へ運び、左手で忙しくチャンネルをまわしてみる。しかし画面を追ってはいるものも今は何を見ても頭に入らないようだ。
「……」
Mulderは大きなため息をついた。鍛えられた胸の筋肉が上下する。バスルームからはまだ水音が響いている。
（だめだ…）
テレビのボリュームを上げてみても、なぜか遠くからの水音の方がはっきりと聞き取れた。
これこそＸファイルだ！ そんな風にも思えてくる。
Mulderは自分がひどく動揺していることを自覚していた。
顔はポーカーフェイスに慣れすぎたのかいつもと変わらずに見えたが、心は到底おだやかではなかった。
Scullyが自分と一緒にベッドで寝ると言ったこと。
その直後にシャワーをすすめられたこと。
そして今Scullyがシャワーをあびていること…
何もかもが頭の中でぐるぐると回り続けている。
間もなく、自分のシャツを着た彼女と同じベッドに入るのだ。
――― これ以上の拷問があるだろうか？
彼は思った。
どんなにひどい人間であろうと、エイリアンであろうと、これほどの拷問を僕に与えられるやつがこの世の中にいるはずがない、と。
自分の隣で自分と同じシャンプーの香りを漂わせながら、すやすやと眠っている相棒の姿が頭に浮かんだ。
すでに理性はどこかへアヴダクトされそうだった。
――― だめだ！一歩間違って手を出してみろ。彼女を失うことになるぞ…
ギュッと目を閉じて、彼は自分に言い聞かせた。
――― 待てよ、もしも僕が寝言で彼女の名前を言ってしまったら…？その時に限って起きていたScullyに聞かれてしまったら、どうするんだ？！
Mulderが無表情のままひとりで格闘を続けていると、後ろに気配を感じた。わずかな湯気と石けんの香りが漂ってきた。
「Mulder」
部屋の中に、Scullyの声が響いた。テレビの音よりも彼女の声はよく耳になじんだ。
Mulderは振り返りたくなかった。振り返るのが怖かった。
彼女はいったいどんな姿だろう…
きっと今まで見た中で一番綺麗に違いない。
もう一度ギュッと瞳を閉じて大きく深呼吸すると、Mulderは意を決して後ろを向いた。ベッドルームの入り口あたりに、ぶかぶかのポロシャツを着た彼女が立っていた。半そでのはずのポロシャツはほとんど彼女の腕を覆っている。肩幅のちがいを証明するように、ずるりと垂れた縫い目の部分が目立った。下はひざが隠れてしまっている。
「水をもらってもいいかしら？」
彼が口をぽかんと開けたままで自分を見つめていることなど気付きもしないように、Scullyは両手を腰のあたりにあてて、いつものような立ち姿でそう言った。
「あ、ああ。もちろん。」
Mulderは不自然にならないように努めた。声が裏返らなかったか、不安になった。
Scullyは口元を少しゆるませて小さく微笑むと、はだしのままひたひたとMulderの横を通り、キッチンへ向かった。刹那、温かい彼女のにおいが喉元を通った。
Mulderは苦しそうに両目を閉じ、両手で顔全体を覆った。
（だめだ、何も見るな…何も考えるな！）
しかし目の前を暗闇にしてしまったことは、かえって逆効果になった。目に見えるものすべてを遮断してしまった世界には、まるでScullyしか存在しないように、さっき見たポロシャツ１枚の彼女の姿があった。
ぶるぶるとまるで犬のように頭を左右に振り、頭の中から相棒を飛ばしてしまおうと試みた。そして今度は目を開けると、キッチンで水を飲むScullyの姿が見える。
「……」
今まで経験したどの事件よりも難解だった。今のMulderにとって、彼女のことを考えないようにするということは、政府の陰謀をすべて暴いてしまうことよりも難しいようだ。
そんなMulderの苦労を知るはずもなく、Scullyは飲み終えたコップを洗って片付けると、ふたたびMulderの元へやってきた。
「…Mulder？どうしたの？」
頭を抱えうつむいているMulderの顔を、Scullyは不思議そうに覗きこんだ。
「大丈夫？」
それを聞いてMulderはゆっくりと顔を上げると、ただ黙ってうなずいた。
「ああ、大丈夫だ。」
いつものScullyのせりふをそのまま付け加えた。
（そうか…やっぱりScullyの「大丈夫」は当てにならないな。）
自分があまり大丈夫ではない状態でするりと出たその言葉で、Mulderはいつもの相棒
の心情をなんとなく察したような気がした。
「…そう。」
腕を組んで、首を少しだけ右に傾ける。
Scullyには彼があまり大丈夫そうにも見えなかったが、見たところ病気というわけでもなさそうだったので、あえてそれ以上の追求はしなかった。
ふうっとため息をつくと、Scullyはテレビから再びMulderへ視線を戻し、何を考えているのだろうとじっと見つめた。
顔はテレビの方を向いているものの、目は画面とは別の宙を見ているようだ。
「Mul…」
Scullyがもう一度彼を呼ぼうとしたのと同時に、Mulderが立ち上がった。
「シャワーを浴びてくるよ」
彼はScullyと視線は合わせず、バスルームへ向かって行った。
ScullyはそんなMuderにまたため息をつき、腕を組んだままの体勢で彼の背中を見送った。
Scullyはベッドに横になり、天井の鏡を見つめた。
Mulderは戸惑っているのだろうか…普段とは違う自分の態度に。そう考えてみるもの
の、Scully自身はそんなに著しく変化したとは思わなかった。
確かに、２日間で自分は変わった。いろいろ心に引っかかっていたことを取り除き、そしていい加減、素直になろうと思っていた。Danielからの告白を受けたときに、もう自分にはMulder以外考えられないことを十分に悟った。
もうMulder以外の人を選ぶことは出来ない、と。
Mulderへの気持ちは、気付いていた。もう、ずいぶん前からのような気がする。
いったいいつから彼のことを…？思い出そうとしても、その日がいつだったのか思い出せない。隣にいることが当たり前で、無条件に信頼出来て、何よりも一緒にいることで安心出来た。
それでも、彼女の心の奥底ではDanielのことがずっと引っかかっていた。
彼を諦めていても、かなわなかった想いがトラウマのように、彼女をためらわせていた。
Scullyは枕をひとつ掴んで、強く抱きしめた。顔を埋めると、Mulderのにおいがした。
―――言わなきゃ…
心臓の近く、胸の真ん中辺りを、ぎゅっと閉めつけられるような感覚が襲った。
彼女がいろいろな思いを張り巡らしていると、Ｔシャツとゆるいジーンズ姿のMulder
が現れた。まだ乾き切っていない髪が艶っぽく、少し火照った頬がやけに色っぽかった。Scullyはまた胸の中心を締め付けられる痛みに襲われた。そんなScullyとは正反対に、Mulderは少し不機嫌そうに見えた。
「…どうしてそこに突っ立ってるの？」
枕を腕の中に抱いたまま、Scullyが言った。
「いや…」
Mulderは下唇を噛んで、斜め下を向いた。窓から射し込む月明かりが、柔らかく彼を照らし出している。
Scullyに背を向けて、Mulderはゆっくりとベッドの端に腰を下ろすと、大きく息を吐いた。肩が大きく上下するのを、彼女は背中越しにじっと見つめた。
（これは夢なんだろうか…だとしたら…そうとうな悪夢だ。）
余計なことを考えないように、彼は目をつむった。自分の後ろには、枕を抱きしめているScullyが横になっている。
―――…頭痛がしそうだった。
「横にならないの？」
いつもとは違う少し眠そうな彼女の低い声が、背後から小さく聞こえてきた。
「……」
Mulderは先程よりもずっときつく目を閉じ、ずっと強く口唇を噛んだ。
「Scully」
片腕を後ろに引き、背中をねじらせて、そのままの位置で彼女の方を向いた。
枕を抱きかかえたまま、トロンとした瞳で自分を見上げているスカリーがいる。
「…やっぱり無理だよ」
「どうして？」
持っていた枕を放し、Scullyは右腕に体重をかけ、身体を半分起こした。
「どうしてだって？」
Mulderは吐き捨てるように笑うと、厳しい表情でScullyを見た。
「Scully、君は忘れてはいないと思うけど、僕は男なんだ。いくらspookyだと言われ
ても、僕は雄なんだよScully。捜査中でもない、やむをえない状況でもない…君と同じベッドで寝て、何もしないなんて保障はどこにもない！！」
だんだん彼の声が大きくなっていき、Scullyは少し驚いたようだったが、それでも冷静に彼の言うことを聞いていた。
「君は普段から女として扱われることを嫌ってる。だけど、仕事を離れれば結局僕らは男と女でしかない。」
「…そうね。」
Scullyは乾いた口唇をいつものように舌で潤した。
「君は平気でも…Scully、僕には無理だ。」
そう言うとMulderは立ち上がり、ドアの方へ向かって歩き出した。
「待って！」
Scullyは急いで身体を完全に起こし、ベッドを下り、Mulderの背中を追いかけた。ドアの手前で止まり、Mulderは彼女の方を向いた。
「…待って」
彼女はもう一度そう言った。Mulderは黙ってScullyを見下ろした。
「行かないで」
そう言うとScullyはうつむいた。心臓が早鐘のように鼓動を打っていた。次に続く言葉を探してみても、なかなか浮かんでこない。MulderはそんなScullyをただ黙って見下ろし続けた。
「…もちろん、あなたが男だってことも、私が女だってこともわかってるわ」
Scullyはまだうつむいたまま、視線を泳がせた。
「それに…あなたを信頼してる」
「Scully」
ようやくMulderが口を開いた。
「いくら君が僕を信頼していても、それとこれとは別だよ。」
「ちがうの…私…無意識にそうなることを望んでたのかも…」
「…え？」
Mulderは顔をしかめた。
うつむいたままの相棒の表情を見ようと、彼女の右腕に手を置いた。一瞬、Scullyの身体が震えた。彼女はゆっくりを顔を上げた。
「話がしたいの。」
彼女はMulderの質問には答えなかった。
「Scully…君は」
「お願い」
Mulderの言葉をさえぎるようにScullyが言った。Mulderはしばらく口を閉じた後、肩を落とし、彼女の腕から自分の手を離した。それをスタートの合図のように、Scullyが話し始め
る。
「私たちのことよ。」
「僕たち？」
「そう。」
ふたりの口調は、思ったよりも落ちついていた。
「その…私がよっぽど自信過剰で、ナルシストで、うぬぼれやでない限り…」
「そうだな。どれも当てはまらないな。」
少し言葉を詰まらせた彼女にフォローを入れるように、Mulderが言った。
「どちらかというと、すべて正反対だよ。いや、僕の考えを否定して科学的根拠を語る時の君はそうとう自信たっぷりだけどね。」
「それなら謝るわ。」
あまり謝っているようにも見えなかったが、Mulderはあえてそのことは突っ込まなかった。
「それで、つまり…」
彼女は無意識に口唇を舐めた。言葉に詰まった時によくやる癖だった。
「つまり、あなたと私は同じ気持ちだと思うの…」
「同じ？」
「ええ。」
「…わからないな、Scully。何が同じなんだ？」
そう言いながらも、Mulderは心の奥のどこかでわかっていた。わかっていたような気がした。
「…私たち、お互いに恋愛感情を持ってるってこと。」
「……」
Mulderは口を閉じた。否定出来ない。確かに自分は彼女に対して恋愛感情を持っている。
―――だけど、お互いだって？
「違う？」
「Scully、君は今…“お互い”と言ったね。僕の聞き間違いでなければ。」
「ええ、言ったわ。」
彼女は冷静だった。
「つまりそれは…君も僕にたいして恋愛感情を持ってるってことか？」
「気付かなかったとは言わせないわ、Mulder」
まるで事件のプロファイリングをしているような口調だった。こんな話をしている最中でさえ、このアイスクイーンは冷静さを失わないのか、とMulderは思った。
「そうだな…でもそれはただ僕が自惚れているんだと思ってた。」
Mulderも努めて冷静に言った。
「だって君は…今まで僕の気持ちにこたえようとしなかったじゃないか」
Scullyが大きく深呼吸した。そして片足に体重をかけると、腕を組んで彼を見上げ
た。
「そのことについて…否定はしないわ。だけどこれだけは知っておいて欲しいの…ほ
んとうは、 私、あなたの気持ちに応えたかったのよ…だけど…それが出来なかったの。」
「どうして？」
「あなたと…そうなることが怖かったの。」
そう言うとScullyはMulderから視線をはずしたが、Mulderは彼女の口から続きの言葉が出るのを、ただじっと待っていた。
「さっき…Danielの話をしたでしょう？私は、彼とずっと一緒にいるんだと思ってたの。彼を愛していたし、彼も私を愛してくれてた…だけど…」
「だけど？」
「……」
Scullyはためらっていた。彼に幻滅されそうで怖かった。
「Danielには…家族がいたの」
「…つまり？」
「つまり…私は不倫していた、ってことなの…」
そう言ったScullyは目を閉じた。そして彼からの審判を待った。
「そうか…」
Mulderは静かに言った。そして今までの無表情を破り、柔らかい笑顔を向けた。
「…あの、幻滅しないの？」
予想とまったく正反対の反応をされたScullyは、驚いてMulderに聞いた。
「どうして？」
「どうしてって、私家庭のある人とわかっていて付き合ってたのよ？！」
Scullyは動揺したようにMulderに言った。なぜ自分を責めないのか、不思議で仕方なかった。
「でもそれは過去のことだ。それに…君だってそのことで悩んでいたはずだよ。」
穏やかな口調でMulderはScullyをなだめるように言ったが、Mulder自身、自分がこんなにも
落ちついていることが少し不思議でもあった。
彼女の過去の恋愛―――それも大恋愛の話を聞かされているのに、何の嫉妬心も生まれてこない。もしかしたら、彼女がここまで自分のことを話してくれるのが嬉しいのかもしれない…Mulderはそう思った。
「Scully、誰かを好きになることは、自然なことなんだ。たまたま、その人に家庭があっただけなんだから…仕方ないことだ。」
あまりに優しいMulderの言葉を聞いて、Scullyの蒼い瞳には涙が溢れた。彼女はこぼさないように必死に堪える。
「私…彼の家庭を壊したくなくて、ワシントンへ来たの。家庭を壊してまで、一緒になる勇気がなかった…だから結局、私は彼と別れることを選んだ。それでも、すでにあの人の家庭を壊してしまっていたけど…」
ScullyはMulderから視線をはずしたまま話しつづけた。
「そして医者になることを諦めた。私の家族は猛反対してたわ。何度も理由を聞かれた。だけどDanielが原因だなんて言えなかった…言えるわけがなかった…だって、娘が不倫してるなんて知ったら…」
こらえていた涙が、彼女の頬を伝った。Mulderはそっと手を伸ばすと、頬に流れた涙を拭った。
「誰にも言えなかった…家族にも、友達にも。そしてひとりで決断して、私はFBIに入ったの。」
「そうか…」
MulderはまだScullyの頬から手を離さなかった。
「医者になろうなんて思った自分を後悔したわ。医師を目指さなかったら…Danielに会うこともなかったから。そうしたら…」
彼女はそこで言葉につまった。Mulderは彼女の頬から手を下ろすと、腕の辺りを軽く掴んだ。
「Scully、僕は君が医学を学んでくれてたことを、すごく感謝してるよ。」
「……」
ようやくScullyが顔を上げた。少し驚いたような表情を浮かべる。
「君のその医師としての資格のおかげで、難解な事件をいくつも解決してきた。君の解剖の腕は確かだよ、Scully。そこらの医者とは比べものにならないくらい。」
「Mulder…」
「Scully、すべての物事は何かの意味を持ってるんだ。言ったろ？運命の歯車がひとつでも違えば、僕らは今ここにこうしてふたりでいることはないんだ。」
Scullyがほんの少しだけ微笑んだ。ほんとうに、ほんの少しだけ。
「そうね。」
「そうさ。」
Scullyの腕から手を離すと、Mulderは話の続きを待った。
「…FBIに入ってからは忙しかったから、あまり彼のことを考えなくなったわ。」
「それも運命だな、僕が君を引っ張りまわしたから。」
まじめに言うMulderを見て、Scullyは吹き出しそうになるのをこらえた。
「そして…いつの間にか…あなたを…」
そこまで言うとScullyはまたうつむいて黙り込んだ。今度は少し様子が違っていた。
「Scully、言って」
Mulderは彼女の肩を両手でそっと掴んで、自分の方を見るようにさせた。恥ずかしそ
うにうつむきながら、眉をきゅっと上げて、ScullyはMulderの真剣な目を見た。
「…あなたを…ひとりの男性として見てることに気付いたの。」
「それはつまり…」
「いつの間にか…あなたを愛してたの。」
そう言うとScullyは恥ずかしそうに微笑んだ。Mulderはついに彼女の口から出た愛の言葉に、しばらく意識がどこかへ飛んでいるようだった。
何となくは気付いていた。ただそれは自分の気のせいか、そうでなければただの自信過剰なのだと思っていた。そう思い込んでいた。必死に…
「だけど…あなたの気持ちを知っても、受け入れることが出来なかった。怖かったの。Danielとのことが、ずっと私の中で傷跡として残ってたの…愛してるのに、離れなければならなかったこと。彼が私を選んでくれても、それでいろんな人が傷付いてしまうこと。好きだっていう気持ちが大きければ大きいほど、それが苦しかった。その時、私には恋愛が辛いものでしかなくなってしまったよ…」
Scullyが大きく深呼吸をした。
「手に入れてしまえば、失ってしまう。だから…はじめから手にしなければいいって、ずっと自分に言い聞かせた。失うものがなければ、それでいいと思ってたの」
しばらくの間、ふたりとも口を開かなかった。
風が窓をたたく音だけが部屋中を支配した。
「ほんとうは…」
Mulderが何か言おうと口を半分開きかけると、Scullyが先に口を開いた。Mulderはまた口を閉じて、彼女の話に耳を傾けた。
「ほんとうは…あなたが言ってくれたこと、すごく嬉しかったの。ずっと、受け入れてしまいたかったのよ。…それだけは信じて」
「信じるよ、Scully。」
そう言ったMulderの声は、彼女が今まで聞いた中で一番穏やかな声だった。
「今日…Danielにもう一度言われたわ…やり直したいって。昔の私なら、もしかしたらその言葉に飛びついてしまったかもしれない。だけど…彼にそう言われた時に、あなたの顔が浮かんだの。過去のDanielへの気持ちがすべて消えてしまうほど、あなたは私の中に大きく存在してたってことを、ようやく心の底から実感したみたい……もう昔の私じゃないって、確かにそう思った。」
Scullyは、重力任せにだらんとぶら下がっているMulderの腕を見つめた。その先にある、かるく丸まった指先を、自分の小さな手できゅっと握り締めた。
「ようやくわかったの、Mulder。これから先、10年、20年経って、私の隣にいる人はいったい誰なんだろうって。考えるまでもないけど、あなたしかいなかったわ。ずっと隣にいてほしいって思える人は、あなただったの。」
「Scully…」
握り締めた指先をじっと見ながら恥ずかしそうに話すScullyを、Mulderは愛おしそうに見つめた。すこし薄暗い部屋の中で、彼女のはにかんだ笑顔が浮かんでいた。
「何をこんなに悩んでいたのかしら…もっと素直になればよかったのに…だけど、私の性格はあなたが一番よくわかってると思うけど、お堅いイメージで可愛げのない女だったから…」
「そんなことはないよ」
Mulderは彼女の手を握り返した。
「他の連中にはわかるはずがないけど、君はほんとうに感情が豊かだよ。嬉しい時、悲しい時、辛い時、怒ってる時…数え切れないほど、君の表情を見てきた。もちろん、その差がわかるのは僕だけなんだけどね。」
顔を上げたScullyが口元を上げて笑った。恥ずかしそうに目を伏せると、睫毛が小さく揺れた。
「君が僕に許してくれるその表情のすべてが、言葉にはしなくても気持ちを伝えてくれてたよ。じゅうぶんに、僕の愛を受け取ってくれてた。」
「ほんとに？」
「僕達…お互いにもっと素直になるべきだったね。」
繋いでいた手をそっと離すと、Mulderは片腕をScullyの背中に回し、自分の胸に引き寄せた。
「何年経っても、君の隣にいるのは…僕であり続けたい。」
Scullyは彼の胸に顔を埋めたまま、背中に両腕を伸ばした。息を吸い込むと身体中をかけめぐるにおいに、軽いめまいを覚えた。
「私…あなたを愛してるの…」
それは本当に小さな声だった。今の彼女には、それ以上の声が出せなかった。
「うん」
Mulderは片手で彼女の頭をやさしく撫でた。
「知ってるよ」
ふたりは何も言わずに抱き合っていた。お互いの鼓動の音が響いて、お互いの体温を感じて…ただそれだけでよかった。
しばらくすると、Mulderは自分の胸の辺りに温かいものを感じた。
「…Scully？」
彼女の目からは、ぽろぽろと涙が溢れていた。
「ごめんなさい…ただ…うれしくて…」
それを聞いた彼は、Scullyを抱きしめる腕に力を込めた。
「僕のアイスクイーンは泣き虫だな…」
嬉しそうにMulderが言った。Scullyは泣きながら笑った。
「私が泣くのは…大半があなたのせいだと思うわ。」
自分の指で涙をぬぐいながらそう言って、Scullyは彼の顔を見ようと上を見上げた。
「それでいいよ。」
「いいの？」
「君を泣かせることも、怒らせることも、笑わせることも、すべて僕だけの特権だと思ってる。だから僕以外に君を泣かせたりするやつは、絶対に許さない。」
Scullyはしばらく目を見開いたまま、彼をじっと見つめていた。
「…そうね。あなた以外の人に泣かされるのは…あまり気分がよくないわ」
「だろ？」
Mulderがあまりに自信満々に言うので、Scullyはこらえきれずに彼の腕の中で笑い出した。
「そんなにおかしいかい？」
「……」
「だってそうだろう？」
「……」
「君が認めたじゃないか」
「……」
何を言っても笑っているScullyを見て、Mulderは少しムッとして見せると、自分の腕の中で声をあげて笑っている彼女の口を、自分の口唇で強引にふさいだ。
「ん…」
突然黙らされた彼女は少し驚いたが、しばらくするとそっと目を閉じて、腕を彼の首に回した。
部屋の中は、とても静かだった。
「…Mulder」
Mulderが次に彼女の首筋にキスを落とすと、Scullyはかすれた声で彼の名前をささやいた。
「……あのさ、Scully」
少しだけ彼女から身体を離し、目を見ながら苦笑いを浮かべて言った。
「その…君とこうなった以上、これからは仕事とプライベートはきっちり分けるよ。君もそのつもりだろう？」
「ええ、そうね。仕事中にいちゃついたりしたら、即パートナー解消だわ。今はみんな勝手な推測で私達のこと夫婦だとか何とか言ってるけど…実際否定できない証拠を見せてしまったら、言い逃れ出来ないもの。」
「そうだな」
「それに私達、大人なんだし。」Scullyが付け加えた。
「そうだよScully。」
「まぁ…パートナーを解消されたからって私あなたと別れる気はないけど…でもやっぱりあなたとＸファイルを続けたいし、何より、今さら他の人とパートナーを組むなんて…多分耐えられないわ。」
Mulderは２、３度こくこくうなずくと、大きく息を吸い込んで目を閉じた。
「それで…ちょっと提案があるんだけど…」
「何？」
少し首をかしげて彼女が聞いた。ふたりは相変わらず、ほとんど抱き合った状態のままだった。
「昔自分から否定しておいてなんだけど…仕事とプライベートを分けるって意味でも、プライベートの時はお互いファーストネームで呼ばないか？」
それを聞いてScullyは蒼い目を丸く、大きく開いた。
「その…君が甘い声で“Mulder”なんて呼ぶのを聞いたら、仕事中君に呼ばれるたびに思い出しそうでさ…」
彼は苦笑いを浮かべながらScullyに説明し続けた。
「さすがにそうなると、捜査中でも君にキスしてしまいそうだから。」
今度は照れたように笑うMulderを、彼女はしばらく無表情で見つめた。そしてぷっと笑うと、信じられないくらい綺麗な表情を浮かべた。
「それはいい提案ね。」
やわらかい口調でそう言うと、Mulderの頬に右の手のひらを当てた。
「考えてみれば…あなた今まで何度か私のことをDanaって呼んだでしょう？それはそれで嬉しかったけど、私だけあなたを名前で呼ばせてもらえないのって、そんなの不公平だと思うわ。私のママでさえ、あなたを名前で呼んでるのに！」
頬に当てた手のひらを、ゆっくりラインにそって滑らせる。その手を彼の胸元にそっと置くと、口元をゆるませて自分の手を見つめた。
「君のママって、どうしても逆らえないんだよな。」
「じゃあ娘の私には逆らえるのね？」
Scullyはいじわるっぽく笑って、Mulderを上目遣いに睨んだ。
「それだよ」Mulderが降参したように言った。「君にその顔をされたら、何を言われても逆らえない！」
それを聞いてScullyがまた声をあげて笑った。Mulderはそんな彼女をもう一度自分の胸にきつく閉じ込めて、そっと目を閉じた。大きく息を吸い込むと、彼女の髪のにおいが甘く香った。
「本当は…」
Mulderの腕の中でScullyが口を開いた。
「ずっとあなたのこと…名前で呼んでみたかったのよ、Fox」
（うわぁ！）
彼女の低くて甘い声が彼の名前を発音したのを聞くと、Mulderは心の中で叫んだ。
（何てセクシーなんだ！）
あれだけ毛嫌いしていた自分の名前が、ひどくすばらしいものに思えた。こんなことならもっと早くからファーストネームで呼んでもらっていればよかった、と、今さら少し後悔したくらいだった。
Mulderは彼女を包む腕の力をまた強めて、髪の間に顔を埋めてみた。
「愛してる…Dana」
「ええ」掠れたままの声でScullyが言った。「知ってるわ」
Scullyがそう言った直後に、彼女の身体が数インチ地面から浮き上がった。
「何？！」
「先にシャワーを浴びておいて正解だったな？」
Mulderはニヤッと笑って見せると、彼女を抱き上げたままベッドへ走った。ふたりが
ベッドに倒
れこんだ音と、Scullyの笑い声が部屋の中に響いた。
あーーーー
ほんとにこんなのでごめんなさい。（平謝り）
前にＤＶＤでall thingsをGillianの解説音声で見たときに、最後のシーンで「カメ
ラがスライドしてふたりからずれるから、MulderがScullyをそのままにしたのか、それともベッドに運んだのかはわからないの」みたいなことを言ってて、「そのとーりだわっ！」と納得し、勢いで書いたものでございます（汗）
話のつじつまが合わない、まとまりがない、よくわからない（笑）なんて嫌な文章〜〜
力不足を嫌というほど実感しましたぁ〜
ごめんなさい、HISAYOさん。
読んだ後の不快感はぜひ苦情としてわたくしまでお願いします（＞＿＜）
こんなのでもシリーズにしようかなんて思ってるわたし（をい）
dina個人的解釈・本編穴埋めシリーズ（笑）
…なんちゃって（T_T）
よ、読んでくださってありがとうございましたｍ（＿ ＿）ｍ |
