Disclaimer: They belong to CC, 103 and Fox. If they belonged to me
there wouldn't be any Noromo bees hanging around.
The title is taken from a song by Garbage.
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The Trick Is To Keep Breathing |
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作 |
Dasha K |
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翻訳 |
dina |
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手をつなぎ、Scullyと僕は夏の日没に向かって歩いた。
鳥たちは歌い、公園の草は良い香りを漂わせ、老人たちは僕たちを祝福するように満足そうに微笑んでいる。
世界はすべて元通りだ。
真実の愛が勝ち誇ったように鳴り響き、善が悪を征服し、Ｘファイルは再開され、僕はちょうどビザの代金を払ってきたところだ。
ああ、そうさ。
ついにＸファイルは再開して、僕のパートナーが隣にいる。
今はそれで十分だ。
僕たちはもう数歩歩いて、大きな桜の木の木陰の下で立ち止まった。
まるでお互いが合意したかのように、僕らは手を離して相手に顔を向けた。
僕のアパートの廊下でのあの瞬間、そのことが僕らの間で明白に引っかかっていた。
まぁ、そうなると思ってたけどね。
Scullyがあの出来事を覚えているかどうかも確かじゃないけど。
３日間もの間を彼女はオークランドの病院で過ごし、２４時間近くかけて僕らはオークランドからホノルルへ、ロサンゼルスへ、ワシントンへ飛んできた。
彼女はその間ひとことも話さなかった。
ほとんど眠ってたから。
それはほんとうに数秒の出来事だったけれど、僕の記憶の中にはものすごいスローモーションでそれをファイルしてある。
僕らの言い合いは、とても絶望的な抱擁で静かになった。
リッチで、酔ってしまいそうな彼女の香水の香りが、僕を囲んだ。
彼女の唇の温かさが僕のおでこに押しつけられ、両手は僕の首におかれ、僕の手は彼女の顔に触れていた。
お互いの視線が絡まると、僕の心臓はどうしようもないほどの鼓動を打った。
この瞬間が僕にぶち当たり、自分の息が喉の奥にひっかかる。
長い間、僕は呼吸することを忘れていた。
ああ、それで思ったんだ。
これは本当に起ころうとしているって。
そして僕は自分の顔を近づけていったんだ。
そして運命は僕らの邪魔をしに踏み込んできた。
Scullyは彼女の目にかかった銅の髪を払いのけて、僕に口を閉じたまま微笑んだ。
「これからどうするの、Mulder？」
「僕らのオフィスはまだ肺ガン男の灰皿になってるから、家に帰ってくつろぐっていうのはどうかな。」
彼女がまた笑った。
僕は息をするのがむずかしいことに気付いた。
「ちがうわ、今すぐっていう意味で言ったの。私、餓死しそうなのよ。あなたは何か食べたくない？」
僕が彼女を拒否することなんて何にもない。
彼女は今ここでそれを知っておくべきだ。
「君が決めて」
そう言って、僕らはまた夕日にむかって歩き出した。
XXX
僕らはジョージタウンの、ちょうど彼女のアパートから数ブロック離れたところにある『Barbaresco』という小さなイタリアンの店に入り、外のテーブル席を見つけて座った。
Scullyが巨大なorichette con funghi porciniをぺろりとたいらげるのを、僕はただ驚きの目で見ていた。
「そんなに見ないでよ」
彼女は口にいっぱいつめ込んだまま言った。
「ごめん、でも…あー、いや、食べていいよ。」
「南極では満足に食べ物が手に入らなかったのよ。それにここ２，３日は時差ボケで胃がひっくりかえったような感じだったわ。ダラスで最後に取って以来、これが最初の食事なんだもの。」
彼女が大きなマッシュルームパスタの皿に情熱を注ぎながらおいしそうに食べてるのを、まさか僕がそれを見て楽しんでるだなんてとても彼女には白状できないな。
僕の皿の上のputtanescaはほとんど手付かずだった。
Scullyは僕のパスタをドンっと突き、まるではしゃいでるようにそれをむしゃむしゃと食べた。
「Hey！」
僕は彼女の手をピシャッと払いのけた。
「あなたが食べないから、私が食べるの。問題ある？」
「ウエイトレスに箱をもらうよ。君が明日の朝食で食べればいい。」
僕らは、僕らが見たものやそこで起こったことは何も話さなかった。
ふたりとも、十分にそれを理解できてないと思うんだ。
今こうやって生きてることに、息をしてることに、温かい街の中でこうして座ってることに、僕らは満足してるんだ。
覚えてるかい、Scully？
僕は黙って彼女にたずねた。
精神のつながりなんてこんなものか。
彼女はパンの最後のひとかけらで、皿の上をぬぐった。
そして僕を見上げて、満足そうにため息をつく。
「とってもよかったわ。」彼女が言った。
「セックスよりもね。」
僕は笑いを押し殺した。
「君はこれまで本当にいいセックスをしたことがないんだね、Scully。」
彼女の小さな耳が、先端までピンクに染まった。
覚えてるかい？
その時、一匹の蜂が彼女の顔の方へ飛んできて、彼女はそれを手でピシャリと払いのけた。
彼女の顔は、当惑と楽しみが混じったようだった。
美しい唇が、にっこりと持ちあがる。
「ここで本題に入りましょうか？」
くそっ、Scullyは覚えてる。
このニュースが僕にとって良いのか悪いのかはわからないけれど。
僕はフォークを下ろして、彼女を見た。
「僕らはまだ、あのことについて話してなかったね。」
とりあえず息をするんだ、僕は自分にそう言い聞かせた。
吸って、吐いて、吸って、吐いて。
下唇を噛みながら、顔を覆いかけている髪の中に彼女は手を入れた。
「そうね。」
彼女は小さな声で言った。
「何を言えばいいのかわからないわ」
ぞくっと吐き気がしそうな恐怖が、僕の体の中を駆け巡った。
「それはどういう意味かな？」
Scullyは手を持ち上げ、青い目を大きく開いた。
「ひとつだけあなたに聞きたいことがあるのよ、Mulder。ぜったいに正直に答えてほしいんだけど。」
「もちろんさ」
僕はなんとかそう漏らした。
「私たちが廊下にいた時、あなたは―――」
彼女はそこで止まった。
僕はその言葉を繋げた。
「キスしようとした？」
少しばかり彼女がうなずいた。
「ええ。Mulder、あれは何のキスなの？」
「わからないけど…僕は君の後を追ってた。」
「あれは、私を引き止めるためだけのものだったの？」
彼女の手は、ペーパーナプキンを綺麗に細かく裂いていた。
なんてことだ、彼女は本当にそんなことを思ってるのか？
「Scully、君は５年もの間パートナーとしてやってきて、僕が君に一緒にいてくれるようにそそのかそうとしてたなんて信じてるのか？」
「あなた私にそう言ったわ。」
僕は彼女の冷たい手を取った。
「僕は君の気持ちを簡単に扱ったことは一度もないよ。僕なんかよりも、君のほうがよく知ってると思いたいけどね。」
Scullyは目を閉じて、また開いた。
「わかってるわ、Mulder。」
彼女の手を口元まで持ち上げて、僕は指の関節ひとつひとつにキスをしていく。
「あの日、僕は君が僕をまともな人間にしてくれると言ったね。」
僕の声は舌の上でからまった。
「あれはつまり…君がこの個人的な戦いを続けて行くための力を与えてくれるんだ。君はすべて与えてくれる。でも僕は君に返してあげられるものが何もない」
彼女はため息をついた。
「それは違うわ。あなたは私の人生に目的をくれるの。彼らが私たちを引き離そうとした時、どれだけ私が傷付いたか…どれほど私の心が殺されたか、わかる？あなたにわかる？」
彼女の声が上ずった。
「ああ、わかるよ」
「今ではすべてを見届けたいと思ってるわ。真実が知りたいのよ。
Melissaの死に意味が欲しい、Samanthaに一体何が起こったのかあなたに知って欲しい、世界にもう一度意味を持たせたいの。」
彼女の声はとても激しかった。
僕は彼女の手を強く握り締めた。
「僕もそう思ってるよ」
彼女は手を引き離すと、それを出来るだけまっすぐに伸ばした。
「あなたが欲しいの」
「それなら持ってる。僕は君のものだよ。いつだってそうだ。」
Scullyは手を組んだ。
「違うわ、私の話を聞いてないわね。私はあなたのすべてが欲しいの。あなたとの友情も、パートナー同士の信頼も持ってる。だけど今が、私たちの関係を次の段階へ進める時だと思うわ。」
とても論理的な、僕のScully。
「それはどういう意味なのか、教えてくれないかな」
僕は答えた。
「あなたの愛が欲しいの、Mulder。」
彼女の声はほとんど聞き取れなかった。
「今ここで知っておくべきだけど、君はそれももう持ってるよ。」
「精神的な…プラトニックな愛じゃないわ。私はあなたと一緒にいたい、あなたに触れたい、あなたにキスしたい。
あなたと愛し合いたいの」
暖かな夜にもかかわらず、体中に鳥肌が立った。
「なんてことだ…本気かい、Scully？」
彼女は弱く笑った。
「あなたを廊下に押しやったのを見た？」
僕も笑わなければならなかった。
「だけど、あの時あそこには蜂が―――」
「もしもあそこに蜂がいなかったら、一体何が起こってたの？」
彼女の表情は、質問よりも挑戦的なものだった。
僕は彼女の頬骨のカーブにそって指先を走らせる。
「多分僕は君を部屋に連れ戻して、長く、ゆっくり君を抱いてたと思うよ。もし君がそうさせてくれてたら、だけどね。」
困ったことに、レストランにいるにもかかわらず、僕は固くなり始めていた。
「私はいつだってあなたと一緒に歩いてきたわ。」
僕は会計を済ませるために、ウエイトレスに合図した。
XXX
僕たちは彼女のアパートの入り口に立っていた。
Scullyは僕に恥ずかしそうに笑みを向ける。
「中に入りたい？」
僕は彼女の頬にキスをした。
「そんなに事を急ぐ必要はないよ」
「事を急ぐ、ですって？Mulder、５年もかかったのよ」
そう言って、僕たちは中へ入った。
ドアを後ろ手で閉め、かぎをかける。
僕らはどこから始めればいいのかわからずに、ただ黙ってお互いを見つめた。
そしてついに、Scullyが沈黙を破った。
「それで、まず始めに動くのは誰かしら？」
「君が局を辞めるって脅してみたらどうだい？」
僕は笑った。
かわいらしい縞模様のソファに座って、僕は自分のそばの場所をかるくたたいた。
「座れよ、楽にして。」
楽にして、だって？
くそっ、何だか息がしにくいな。
彼女はジャケットのボタンをはずすと、注意深くそれをクローゼットの中にかけた。
そして用心深く、僕のとなりに座った。
明らかに彼女は僕と同じくらい緊張してる。
彼女は首にかかっている金のクロスを指でもてあそんでいた。
「言うのを忘れてたわ、これを見つけてくれてありがとう。」
「それがなきゃ、君じゃないからね」
僕はそう言って、クロスがかかっているのどのくぼみあたりにキスを落とした。
彼女の鼻の先に、おでこに、まぶたに、尊敬の念を込めて僕はキスをする。
「こんな美しい女性が、僕みたいな男と一体何をしてるんだ？」
「彼とキスしてるの。ついにね。」
彼女はそう言うと自分の唇で僕の唇をなぞった。
ありがたいことに、そこに蜂は現れなかった。
小さな声が、僕に呼吸し続けることを気付かせる。
僕たちはゆっくりと、優美なふたりのファーストキスを味わった。
そしてそれは強く、熱くなってゆく。
深くて湿った彼女の口は、ワインとマッシュルームの味がした。
彼女の舌が僕のと絡み合う。
彼女の胸は僕の胸へ押しつけられ、僕の両手は彼女の柔らかい髪を乱している。
Scullyは引き離すと、笑って言った。
「なんてことなの、Mulder。あなたがこんなキスが出来るって知ってたら、あのオレゴンのモーテルで簡単に私をだませたわよ」
「本当に？惜しかったな。君が下着姿であそこに立ってた時、僕は間違いなくそうしたかったんだよ。」
彼女の口が僕の耳たぶを捕らえると、彼女は優しくそれを吸った。
突然、僕のズボンが窮屈に感じた。
どうにか僕はネクタイを解き、２，３個ボタンをはずした。
Scullyの首は僕がこれまで触れたものの中で、一番すべすべしていた。
僕がそこに甘くキスをすると、彼女は小さくうなった。
立ち上がり、彼女がスカートのファスナーを開き、そしてそれを床に落とした。
とにかく神聖なくらいすばらしいことに、彼女は黒いレースの下着と、腿まであるレースのストッキングを身に着けていた。
僕の口がぽかんと開く。
「Mulder、あなたのその顔を写真に取れたらいいのに。」
彼女はそう言って笑った。
「宇宙船なんかより、ものすごく感動してるんだよ。」
彼女は僕の上に立ち、シャツのボタンを急いではずしていった。
白いブラウスが落ち、僕の目の前には丸くて完璧な、小さな胸を包んでいる白のレースのブラが見える。
Scullyは僕をカウチから引き上げ、僕のズボンをぐいっと引っ張り下ろした。
今日はどのボクサーをはいてたっけ？
見下ろしてみると、運良くいたって普通の、青と白の縞模様のだった。
僕たちはお互いを見つめ合って、自分たちがしたことに唖然となった。
Scullyの手が僕のボクサーの中で直立しているものを撫でる。
彼女が僕の耳にささやいた。
「これ、私に？」
「全部君のものだよ。」
僕はささやき返すと、また荒々しくキスをした。
彼女は僕をカウチに押し戻し、僕にまたがった。
僕の手は彼女の綺麗なヒップにたどりつき、そして固くなった僕自身を彼女におしつける。
ぐらつきながら彼女のブラを僕の指ではずし、胸のカーブにそって円を描いた。
バラ色の先端が固くとがっていて、それはとにかくすばらしかった。
Scullyは目をつむって、口を開き、頭を後ろに傾けた。
僕は舌でその両方の先端をたどった。
ああ、彼女は僕が想像したとおり、すばらしい味がする。
彼女は今や、僕の膝で激しく摩擦を起こしながら動いている。
痛いけれど、それでもこれが永遠に続いて欲しいと思った。
すぐに最高によくなるさ。
僕らはすごく長い間待ってたんだ。
だけど、僕はScullyがせっかちな女性だと気付いた。
彼女は少し体を持ち上げ、どうにか下着を脱ごうともがいている。
「Mulder」
彼女が死に物狂いに僕の耳にささやいた。
「私に触れて」
もちろんそうするよ。そうする。
僕はしっとりと濡れた滑らかな巻き毛に触れ、ふくれたクリトリスに触れた。
すると彼女は僕がこれまで聞いたことのないような音を立て、うなるような泣き声を上げた。
これまでに聞いた中で一番エロティックだ。
そして彼女がどれほどせっかちかを僕に示すように、Scullyはどうにか僕のボクサーを下ろし、彼女の腿の内にあるやわらかさに僕の物を当てた。
「来て」
彼女が言った。
僕は喘いだ。「でも僕は―――」
彼女は舌を僕の胸に走らせ、いたずらっぽい目でものめずらしそうに見上げた。
「だめ。お願い、Mulder」
僕は彼女のヒップを持ち上げ、ゆっくりと僕の上へ下ろした。
ああ、神様。どうかこの付近からすべての蜂を追いやってください。
彼女の手が僕の肩にかるく乗せられ、幸福そうに微笑んだ。
僕らはいったん止まって、お互いを見て、そしてほんの少しだけ笑った。
やっとだ。
そして彼女が動き始めたけれど、この感覚はまさに異常だった。
僕はこの感覚に叫ばずにはいられなかったけれど、彼女がキスして僕を黙らせた。
これまでど空虚な夜をいくつも重ねてきた。
モーテルの薄い壁の向こうに彼女がいて、僕はDana Scullyを抱くという空想にふけっていた。
けれど今、僕は自分の想像の貧困さを悟った。
こんなことは今まで起ころうともしなかったからね。
彼女がどれほど激しいか、どれほど濡れるか、どれほど温かいか、想像も出来なかった。
今彼女が立てているような、いやらしく、動物的な音を聞けるとは限らなかったし。
彼女の愛情表現や満足そうな顔なんて、思い描くことも出来なかった。
彼女は固くなった僕自身に、彼女自身を強く押しつけた。
彼女の両腕は僕の背中を強く包み、僕の手は彼女を僕に押し付けていた。
そしてその時、僕は彼女の内部に強くしめつけられるのを感じた。
背中を弓なりに反らせて、彼女は大きな声で叫んび、その叫び声を上げるたびに、彼女が体を僕に押し付けた。
そして僕の中に波が押し寄せてくる。
今ここでScullyとつながってる喜びに、僕も叫び声を上げた。
ああ、これがずっと続いて欲しいと、１日中２４時間Scullyの中にいたいと、そう思った。
FBIなんかクソ食らえ、組合や協会が何だ。
僕の望みは、このすばらしい女性とファックしたいだけだ。
ああ、なんて素晴らしいんだ。
ちょうどボストンマラソンを走り終えた気分だ。
僕らはきっと十分に汗まみれだ。
まるでパワーボールで大当たりしたような気分だ。
僕らは最後にキスをして、バカみたいに笑いあった。
Wow、僕らはやったんだ。
Scullyは笑うと飛びあがった。
「もう！このカウチったら！」
「他にも破壊できる家具はあるかな？」
彼女は唇を舐めて、いちばん危険な笑みを僕に向けた。
「一晩中それを考えなくちゃね。」
そして僕らはそうするんだ。
でもこれはおとぎ話なんかじゃない。
多分Scullyと僕には世間で言うところのハッピーエンドはないだろう。
僕らはいつも危険過ぎる中で生きている。
それでも朝になって太陽が昇れば、彼女は僕の腕の中で眠ってて、僕を愛してるって言ってくれるんだ。
そして僕も同じことを言って、またすぐに愛し合う。
僕らにとってのハッピーエンド。それで十分だ。
END |
