☆ 内容を簡単にご紹介 ☆
この間Blind Faithというお話を読んだんですね。スカちゃんのガンが再発しちゃうんですけれども。
ここで再びモルはCSMに取引を持ちかけられちゃうんです。私に従うならスカリーの命は助けてやろうって。
それを知ったスカちゃんは、これ以上チップに操られる人生を拒んで、むしろ毅然と死を選ぶわけですよ。
エミリーをあのまま死なせてやることで、苦しみや運命から解放してあげたように。
何より自分のために、モルダーがモルダーでなくなるのが我慢できないとスカちゃんは思うのです。彼の信念をねじまげ、情熱を消し去る原因になるくらいなら、死んだ方がましだと願うの（；；）
モルはモルで、スカちゃんを失望させたくないばっかりに、最初はCSMとの取引を拒むんですが、スカちゃんが危篤状態に陥ったところが限界点でした（；；）
だってねー・・・「あなたは挫けないでね、モルダー・・・約束して。私が死んでも戦い続けるって・・・」なんて儚げに言われて、"今はそう約束しておこう。こめかみに銃をぶち込む時に、許しを請えばいい"とか思うモルダーですから〜〜。スカちゃんだけが唯一モルの生きる理由なんでしょう。
だから、残りの自分の人生がどうなろうと、スカちゃんさえ生きてそばにいてくれればそれでいいと、取引に応じてしまう。
こういう我を忘れた愛し方ができるモルスカを読ませていただけるFicが無性に好きだったりします。
（もちろん、それが高じてモルスカが別れるまでに至るFicはちょっと。すごくいやですけれども＾＾；）
モルが（表向き）悪魔に魂を売り渡したのと引き換えに、スカちゃんは快方に向かい、無事退院することができました。この（表向き）というのがミソで、本当のところモルはクライチェックと同じ二重スパイになる道を自ら選んだのです。つまり、CSMの元で働きつつ、レジスタンスにも与し、自分の目的（スカリーの幸せを守ることと、入植阻止）を遂行する人生ですね。非常にハードボイルド。でもね、このくらいタフなモルもなかなか素敵です。めそめそよわっちいばかりじゃダメでしょう、男なんだし。主役なんだし。（←モルには何かと要求の多い私。）
もちろんスカちゃんはそんな道を選んだモルも、そんな道をモルに選ばせてしまった自分の存在も許せずに、モルの目の前でこめかみに銃を突きつけて自殺しようとしちゃいます（TT）
これしか解決方法はないって・・・そんなぁ〜〜〜、自殺はいけません。それは卑怯な手段だと私は思いました。もちろん、進退窮まったスカちゃんの気持ちもわからないでもないのですが、同じように進退窮まったモルの気持ちも考えてあげてほしい、そう思いました。
でもここで自殺を止めるモルが男らしくてかっこよかった。自らも銃を取り出して、同じようにこめかみに当てて静かな声で説得するの。（怒鳴るより迫力ありました。モルなら間違いなくやるだろうって思わせる鬼気迫るものがあります。）
「君が引き金を引いたら、僕らふたりを殺すことになる。」
これにはさすがのスカちゃんも躊躇し、しまいには泣きながら床に崩れ落ちてしまう。
「卑怯よ、モルダー・・・」
一番大事なものを質にとられたスカちゃんはそう呟きます。でもね、モルだって同じなんだよ、スカちゃん・・・（TT）
互いに自分より相手が大事で、大事すぎて壊しそうになってしまう。そういう危機的状況が、実は好きな私。（言うまでもなくばれてます？）
これもモルスカの至上の愛と絆を信じていればこそ、読めるお話なんですけれども＾＾；
結局このお話はBlind Faith IIまで続き、そこでもう一波乱。CSMの操り人形と化したモルを傍で見ているのが辛くなったスカちゃんは、こんなことは続けさせられないと、モルとの別れを決め、置手紙ひとつで行方をくらまし、その先でチップを自ら除去してしまいます。手紙で探すなと言われても、当然モルはスカちゃんを探します。CSMに教えられた居場所には、スカちゃんの完璧なクローンが待ち構えており、モルを完璧に取り込もうとしますが、素直でセクシーなスカリー・コピーはクライチェックに殺され、哀れ緑の液体と化してしまいます。それで目を覚ましたモル。どうして本物のスカリーじゃないと気が付かなかったのだろうと自己嫌悪に陥ります
。この辺り、読んでいて私の心は複雑でした。浮気に当たるかどうか、判断がつきかねます。
本物のスカちゃんの行方はクライチェックが押さえていて、そこへお迎えにあがるモル王子。逃げたお姫様は王子の怖れたとおり、首の縄を切るように首のチップを始末してしまっておりました。
遅かれ早かれ病気が再発し、スカリーは死にゆく運命。それでも、モルは今度こそ一生離さないと誓うのです。手錠を嵌めてでも傍にいると決意します。
結局チェックメイトは奴らに握られたものの、二人を支配する楔であった首のチップはすでに破壊されてないわけですから、ふりだし状態に戻るわけですね。そこでクライチェックがひとつの提案をします。
CSMと再び取引すればいいと。スカリーを操らないことを条件にチップを提供させ、代わりに組織内の裏切り者（それはやっぱりクライチェックなのかしら〜？）の名前を売ればいいと。この取引が上手くいったかどうかまではしっかり描かれていないため、続きがないものか一生懸命捜してしまったのですが、どうやらここでラストみたいです。
まあ、何があっても私たちのモルスカは永遠不滅ということでオールOKでしょうか？
あと、同じスカちゃんのガン再発Ficでは、Broken Placesという長編がすごく読み応えありました。
このお話はガンの病状がすごく克明で辛いので、涙なしには読まれませんでした。（作者さんのおばあさまがガン闘病者らしく、克明な描写はそのためだそうです。ガンと闘う辛さを通して、患者の勇気や強さを称えているんだと思います。）
このお話にはPalti（解放という意味があるそうです。）というXFな存在が登場し、余命いくばくもないスカちゃんを誘惑するんですね。ちょうど「パッション」でイエスを惑わすためにまわりをうろついていたピーター似のサタンを想像してくださればよろしいかと思われます。
このPalti、余命いくばくもない女性を惨殺して歩く悪霊みたいなもので、その目的は奴いわく救済なんだそう。ガンに侵された女性たちを苦しみから解放し、彼女を愛する人たちには憎しみという生きる糧を与える。すごく極端な理論ですが、スカちゃんは自分が亡きあとのモルダーの将来を想像して、ちょっと納得しちゃうんです
。"病魔に蝕まれゆっくりと死に向かう私と一緒に、モルダーも弱っていく。私を失ったら最後、生きる気力をなくして、こめかみに銃を宛がう姿が容易に目に浮かぶ。一方で、私が惨い殺人の犠牲になったならば、モルダーは犯人を一生憎み、復讐に生きる。その目的があれば、自殺を選ぶことはない。"
迷いが生じたスカちゃんは、モルから離れてしまおうとするんです。でも、モルがそうさせなかったところが、このFicのよいところ♪（←♪？）Paltiなんて得体の知れないものよりよほど大きな救済でした。
モルの言葉に救われて、最期の日が訪れるまで一緒にいることを誓う二人が美しかったです。
このFicくらい自分を殺した献身的なモルってなかなかお目にかかれないかもしれません。
もちろんCharacterDeathはお断りですので、最後はハッピーエンドです＾＾
このお話でも、スカリーのガン再発はいうまでもなく、影の組織の差し金で、CSMがらみ。裏で何があったのかまでは詳しく触れられておりませんが、モルが見守る中、死に場所に選んだ先の海辺のコテージ（←モルがお買い上げ。）でスカちゃんは徐々に回復を遂げるに至ります。よかった。この際、理由も説明もいりません。とにかくガンが消えてくれてよかった〜〜（TT）と思わずにはいられないラストでした。
☆ HISAYOの感想 ☆
JNKさん、いつものように素晴らしいレポートをありがとうございますm(__)m
私がＦＩＣにはまった当時、こうしたスカちゃんの病気を題材にしたＦＩＣって数がそれなりに合ったような気がします。
実際に本編とのシンクロが今よりもかなり濃いめだったような気がしますので当然のことなのでしょうねぇ。
それにしても今回のご紹介は「モルスカ至上の愛」っていうのがテーマと思いますけども、それで間違いないでしょうか？
厳しい状況に置かれながらも互いに思いやり互いを思うがために自己のことは顧みない二人が辛く苦しいながらも美しいと思います。
モルスカだからこそ感じさせてもらえる愛だなぁ〜と。
ガンが再発したスカちゃんが毅然と死を選ぶところはまさにスカリーとういう感じで、違和感なく読めてしまいますね〜。
昇天でも「尊厳死」を望んでいたことも明らかになっておりますし、エミリーの時もしかり・・。
ドクターとしてのスカちゃんという立場も、凛としたその姿勢が浮き彫りになってくるところもあるのかもしれませんね。
でもねぇ・・その分というかモルがねぇ・・残されたモルはただただ辛いですよね。
スカリーのいない人生なんてモルダーにはもうあり得ない状況にあると思いますし・・・。
モルが選択したＣＳＭとの取引は当然の結果だと思います。
だってねー。スカちゃん・・・モル、ほんと辛いわよぉ・・これじゃ(T.T)
JNKさんのおっしゃるとおりほんとここまで愛し合える二人は宇宙に一組だけでしょうねぇ。
だからどんな映画を見てもドラマを見ても、この二人を超越する二人には会えず、いついつまでもモルスカの愛にたぷたぷと漂っていたい私なのでしょうね〜。
だからってね、これまたJNKさんのおっしゃるとおり愛しすぎて別れるっていう話ねー。だめです、だめだめ。受け入れられない私です。
私なんて基本的にハッピーエンドが大好きですからね。それにまして年齢の増加とともに別れちゃう話がどんどんだめになってきています。
今、どんなお話であろうとも最も嫌いなエンディングは「前向きな別れ」っていうのですからね。
死ぬまで一緒が私の中の基本ですーーー(>_<)
そんなモルなのでタフな道を選ぶなんてことになったら私の目はハートになるってモンですわー！←喜び方が古い。
なのでJNKさんの言い分ごもっともです。
めそめそモルに胸がきゅーんとなるのはスカちゃんが絡んでいる時だけですからね。（しかも短時間）
それでもってずっとめそめそしていると、大きなタオルばしっと渡して、はい！もう泣かない！前に進んで私を納得させてっっ！それからスカちゃんとずっと一緒にねっっ！って要望盛り込んで、ぐいぐい背中押しちゃいます。
「モルぅ〜〜〜(T.T)」と包み込んであげたいという感情がわいてこない辺り、私は母性本能欠落だわ、モル族には決してなれないわ・・ってな感じでねぇ〜。
ま、それはそれとして・・・。
スカちゃんもモルがモルらしくない道を歩いているのは見るに耐えられず・・なんでしょうけどねぇ。
なんかスカちゃん、この辺はスカちゃんよりも私たちの方がモルを分かってる？なんて思ってしまうところですよね。そんなね、スカちゃんがモルの前で自ら・・・なんてことになってそのまま生き続けるモルな訳がないじゃないですかー(>_<)
スカちゃん自分を責める気持ちでいっぱいになっちゃったのかもしれませんね。
分かるけど、分かるけどスカちゃん。それほど大切なモルなんだもの・・・モルにとってあなたも同じ存在だということを忘れちゃだめですよね〜(TOT)
それにしてもこのお話、大作ですよね。
パート２まであって怒濤の展開が繰り広げられている感じが・・・
スカちゃんのクローンまで作ってしまう辺り・・すごく手が込んでいるなぁ〜と思います。
ということはあの深夜のバーであったサマンサだってやっぱりクローンだったんだろうなぁ〜ともう本編とＦＩＣの境は私の中では消滅しつつあることを思いつつ、そのJNKさんの複雑な心境っていうのもよーく分かります。
モルがねぇ。スカちゃんをクローンと見抜けなかったのはしょうがないのかも・・・（あら？ちょっと私、モルに甘い？←超常現象）
どうしてもスカちゃんに会いたいって思うその気持ちがちょっとねぇ〜。霞めてしまったのかもしれませんよね、モルの目を。
まぁ、でもね。これはキャッツアイの俊よりは罪が軽いと思います。俊は瞳がいながらもキャッツアイに恋しちゃったわけですから。
あれは結果的に同一人物だったというオチがありましたけども、そうじゃないつもりでスキになった訳でしょう？でもモルはスカちゃん本人だと信じて疑わなかった訳ですから問題はあまりないような・・・。と軽く弁護を続けるあたりやっぱり超常現象。
ま、私はモルがスカちゃんを愛し過ぎて視野がきゅきゅーっと狭くなってしまう分にはある程度寛大です〜(^^)
その後の展開もきっと切迫感あふれるスピード感に満ちたという感じなんでしょうねぇ〜。なにげにこのお話ではクラチが活躍しているみたいですけども、私は彼をよく知りませんので(^^; ま、なんかいい人だったのか？このお話では？くらいの中途半端な甚だ薄い感想しか述べられず申し訳ありません。
ラストが何となく濁してあるっていうのもいかようにもとれるという感じでその辺も作者さんの度量を感じますね〜。
もちろん私はスカちゃんのガンは治りモルと幾久しく幸せに暮らしたというラストだと信じてこのご紹介を楽しませて頂きます。
もちろんもう一つのBroken PlacesもJNKさんが読み応えがあるとおっしゃるくらいですから、素晴らしい内容なんでしょうね(^^)
自分がガンでモルの元から去り、そしてモルからすべての物を奪ってしまうのだったら殺されるという形を選び、モルに復讐という気持ちであろうとも、生きる糧を与えたいというスカちゃんのそれこそ究極の愛を聞かせて頂くと、モルスカって本当に深いよねぇとしみじみ納得しちゃいます。
並び称される愛を私は見たことがありませんものーーー(*>.<*）
なんかここまでの愛を見せてもらってしまうとどこまでも二人が一緒であればその手段は選ばず？なんてその許容範囲はどんどん広がってしまう私がおりますです。視野が狭い故に広がる範囲・・・。摩訶不思議。
でもねー♪ラストがハッピーエンドっていうのはさすがのJNKさんのチョイスです〜〜。
美しい海辺のコテージでの二人が徐々に徐々に幸せに包まれていくその様子が素晴らしいです〜（勝手に妄想、勝手に浸透）
JNKさん！詳細なレポートをありがとうございました〜(*^O^*)
