☆ 内容を簡単にご紹介 ☆
これは異次元世界もの。Ficの世界は基本的にみんなそうですけど、モルスカのキャラだけもらって、設定を好きなだけ変えてしまう。それがＡＵ。今回、モルはＦＢＩ捜査官。スカちゃんは優秀な監察医という設定です。
病院内でモルグを捜して地下で迷子になったFBI捜査官フォックス・モルダー。
うめき声が聞こえたので、かけつけてみると階段の下で、頭から血を流して倒れている女性を発見。
意識を取り戻して動揺する彼女をなだめながら、
「検査しないと・・・首に腕を回して。」
「・・・歩けるわ。」
「ああ、そう思うけど、危ない目に遭いそうになった女の子を助ける機会なんてそんなにないんだ。少しは役得させてくれ。」
とモルに軽々抱きかかえられて、ERへと運ばれる彼女。そう、おわかりですね？
「ドクタースカリー！」
ERのスタッフが驚いて、モルを診察室に案内します。
モルは自分が本来やってきた目的も忘れて、スカちゃんを心配し、病室の外で待ちます。
出てきた看護婦をつかまえて、大丈夫だと聞くとほっと一安心。
帰ろうとドアへ向うところを、彼女が話したいそうなの、待っててもらえます？と呼びかけられるモル。
待つこと少し、カーテンが開いて、額に包帯を捲かれ、首筋に青あざのついた小柄な赤毛の女性が現れます。
「待たせてごめんなさい・・・お礼を言いたくて・・・いろいろと・・」
「あそこに僕がいてよかった。きみはここのドクターなの？」
「ええ。ドクター・スカリー。ダナ・スカリーよ。」
「フォックス・モルダー特別捜査官。」
と握手を交わすふたり。
「特別・・・？」
「FBIに勤めてる。」
「あら・・・だったら危険な目に遭いそうになった女の子を助ける専門家なのね。」
にっこり笑うモルに、思い出したように言うスカちゃん。
「お仕事で忙しいのに、引きとめてごめんなさい。待っててくれてありがとう。おかげでお礼が言えたわ。」
「きみのケガが思ったほどひどくなくてよかった。警備員に状況を説明してあげて。」
「ええ、わかったわ。」
ERから去って行くモルの背中に、なんだか寂しいようながっかりしたような気持ちになるスカちゃん。
でもね、偶然の再会は、すぐに訪れるのよね〜♪これが。いらないお邪魔虫つきなんだけど。
レストランの入口で、テイクアウトを抱えて出ていくところだった男性に、入ってきたスカちゃんがあやうくぶつかりそうになって、謝ろうと目線をあげると
「モルダー捜査官？」
モルはスカちゃんにまた出会えた偶然を喜んでめちゃ笑顔。
「すっかりケガの具合はいいみたいだね」
初対面のときもスカちゃんを綺麗な人だと思ったけれど、その印象は『美しい人』にグレードアップ。
この世界のモルの趣味は正常だわ〜♪
「ええ、ありがとう。」
そこでスカちゃんの後ろに控えていた男（スカちゃんの現恋人ダグラス・マイケルズ←マイケル・ダグラスではありません。ちなみにダグとして表記されていますが、ERとは全く関係ありません。彼は投資銀行家です。そしてHISAYOさんのたっての希望により、以下ダグラスと表記させていただきます。）がスカちゃんの腕を掴んで、モルに『彼女は僕のものだ』とアピールします。
そこでダグラスの存在を思い出した（笑）スカちゃんはお互いを紹介してあげます。
「階段の踊り場で助けてくれたのがモルダー捜査官なの。」
モルより背の低いブロンド（←JNKは男のブロンドがダメ。許せるのはブラピとレッドフォードさまくらいだわ。）のダグラスの視線に、何となく嫌なものを感じつつ、とりあえず握手するふたり。
「それは礼を言う、モルダー捜査官。」
「どういたしまして。」
「きみの夕食が冷えたら困るな。会えてよかった。」
とおもむろにさっさと帰れとほのめかすダグラス。
スカちゃんはそんなダグラスに不信感を覚えます。
「ああ、そうだね。 ケガが治って本当によかった、ドクタースカリー」
わざと振り返ることはせずにその場を立ち去るモル。
なんだか嫉妬の火花がばちばちと弾けているわー♪こわーい（＾0＾）
さて、モルの背中を見送ったスカちゃんはご機嫌斜めに。
モルに対するダグラスの態度が許せないのね。
感謝するどころかモルの悪口までいうダグラスにスカちゃんは、その場は押し黙ってやり過ごすことにし、その後の映画デートもキャンセルに。
実はスカちゃんは、モルに出会う前からダグラスとの関係を続けることに疑問を感じ始めていたのです。そこにモルが王子のように登場でしょう？しかも早々に再会しちゃうでしょう？
そりゃ女心が揺れますって。
その晩、バスタブにつかって、目を閉じて最初に浮かんだのはモルの顔であることに驚くスカちゃん。
考えれば考えるほど、ダグラスと付き合い続けることに意味を見出せなくなるスカちゃん。
お湯が冷めてしまうまで考え込んで、別れることを決意します。
次の日の朝、スカちゃんは心も軽やかに朝寝坊から目覚めると、上が何やら騒がしい。
誰か引っ越してきたのね。と洗濯物をバスケットに詰めこんで、地下のランドリーから帰ってきたところで、レザーのカウチを運び込む男性二人に遭遇します。
一人はスカちゃんをじろじろ見るなり
「これでこのアパートの魅力が判明したな。」
とスカちゃんに背を向けている男に言います。
その言葉に振り向いた彼は、危うくカウチを落としそうに！
スカちゃんはスカちゃんで、ドアノブに手をかけたまま凍り付いて、バスケット落としちゃいます！
「ドクタースカリー？」
そう、二人組はモルとフロハイキだったのね〜
「最近会うね。そういう巡り合わせなのかな。」
ここまでくれば運命よ、運命〜(*^0^*)！！
「そうかも」
「おい、モルダー。立ち話は後にしないか？」
と重いカウチからさっさと解放されたいフロハイキ。
「それもそうだ。 すぐ戻るから。 待ってて。」
とスカちゃんに言い置いて荷物を2階へ運ぶモルとフロハイキ。
スカちゃんはモルが戻ってきたとき、寄りやすいように、ドアを開けておきます。
カウチを置く音が上から響いたかと思うと、モルがすぐに玄関先へ訪ねてきます。
（ただしフロハイキ付き。）
「Hi。どちらがうちの新しい住人なのかしら？」
「コインで決めようぜ、モルダー。」
「下がってろ、フロハイキ。お前みたいな友達がいるって彼女にばれたら、お近付きになれなくなる。」
モルが上の住人と知って、喜ぶスカちゃん。
だって、このFicでモルはスカちゃんの『ヒーロー』なんだもん♪
と、そこへバイヤーズとラングリーも合流して、スカちゃんにご挨拶。
フロハイキは握手した手を離さないので、モルに肘鉄くらわされます（笑）。
「うるさくしてすまない。もうすぐ運び終わるから。ピザでも頼もうかと思うんだけど、一緒にどう？」
「喜んで。乾燥機から洗濯物を取りこんだら、伺うわ。」
「よかった。後でランドリールームの場所を教えてくれる？」
「それくらいなら私でもできると思うわ。」
洗濯物を片付けて、モルの部屋を訪ねるスカちゃん。
同じ間取りでこうも違うものかと笑いそうになります。
「大仕事ね。」
「今度ここから追い出されるときは、引っ越し会社を呼べよ。」
と文句を言うラングリー。
「追い出される？ あなたどういう住人なの？」
「あれは僕のせいじゃないんだ。１、２度仕事に追い詰められて、それで・・・」
「それって知っておいたほうがいい話なの？」
「いや、知らないほうがいいな。ここではもっと気をつけるよ。ご近所さんにの心象を害すのは本意じゃないからね。」
「なら安心ね。 ところで残りの家具はどうしたの？」
「これで全部だよ。」
モルのお部屋の家具はキッチンテーブルと、机と、カウチだけ。
「ベッドは？」
「なんていうか・・・たいがいカウチで寝るんだ。」
こうやってモルのことひとつひとつ知っていくのね〜（＾＾）
なんか新鮮〜♪
このあとみんなでピザ食べて、そろそろ解散・・・私もお邪魔したわと立ちあがろうとしたスカちゃんに、モルがすかさず
「もう少しいいかな、ダナ？」
と引きとめます。このFicでモルは終始スカちゃんを『ダナ』って呼ぶのよね〜。
「今日はすまなかったな、みんな。ひとつ借りだ。」
とガンメンを送り出すモル。
スカちゃんも立ちあがってお見送り。
「モルダー、やることがいっぱいあるんでしょう？私も帰ったほうが・・・」
「でも君に帰られたら、ほんとに片付け始めなきゃならない。」
とここで子犬顔を披露するモル。いつでも武器は健在なのね。
「じゃあ、しばらくしたら様子を見にくるっていうのはどう？」
「約束する？」
「ええ、約束。 ひとつ聞いてもいい？」
「どうぞ。」
「誰もあなたのことフォックスって呼ばないの？」
「止めてもやめない人以外はね。モルダーのほうがいい。」
「じゃあ、モルダーね。」
その晩スカちゃんはモルを夕食にご招待。
結局あのあとモルがやったことといえば、水槽とパソコンのセットアップだけ。
ふたりでおしゃべりして楽しい一時を過ごします。
モルの仕事や、仕事のパートナー（注：男）もちらっと話題に。
モルは仕事のパートナーと信頼関係を結べないみたいで。
でも、スカちゃんとはすっかり打ち解けまくっていて、引っ越してきて４日目の夕方、モルはスカちゃんに頼みごとをしにやってきます。
「明日の朝のフライトで出張にいかなきゃならないんだ。僕の魚に餌をやってくれないかな？」
「あら、もちろん、お安い御用よ。」
「よかった」と輝く笑顔で、スカちゃんの手を取って合鍵を渡すモル。
「これなあに？ 鍵？ 合鍵まで作ってくれたの？」
「もちろん。中に入れないと困るだろ？」
「あなたは人を信用しないんじゃなかった？」
「君のことは信じてる。」
と、真剣な顔で告げるモル。
いいわ〜、なんだかいいかんじにテンションが上がってきているわ〜（＞＿＜
次の日の夕方、仕事から帰ったスカちゃん、さっそくモルのお魚に餌をやりに行きます。
モルが越してきてまだ日も浅いのに、モルの留守に寂しさを覚えるスカちゃん。
モルのことは極力考えないようにして、家事雑事をこなし、１０時過ぎにはベッドで横に。そこへ電話が♪
「もしもし？」
「やあ」
「モルダー？」
「声でわかるんだ。」
と嬉しそうなモル。そりゃ嬉しいでしょ〜。（私も嬉しい♪）
「そのようね。」
「こんな風に電話して・・・迷惑だった？」
「全然。電話してくれて嬉しいわ。魚は元気よ。」
「それ聞いて安心したよ。彼らがすごく心配なんだ。」
それから１時間近く電話で話して、スカちゃんはすっかりリラックスした様子。
次の日、ずいぶん上機嫌だねと同僚たちに言われるスカちゃん。
そりゃモルがいるからよ。もちろんスカちゃんはノーコメントだけど。
その日は夜の早いうちから電話があって、でもモルの声はなんだか沈んでいるのね。
「事件がうまくいってないの？」
「僕の思うようにはね。それより君の話が聞きたいな。今日はどうだった？」
会話途中で、スカちゃんのドアがノックされます。
「モルダー、切るわね。誰か来たみたい。」
「まだ切らないで。 まずは誰か確かめるんだ。」
いや〜ん過保護モル♪大好きなのよ、過保護なモル〜〜。
しかもスカちゃん一般人でしょう？なおさらか弱くてツボが刺激されます。
言われたとおり、ピーホールを覗いてみるとそこにはダグラス（注：お忘れでしょうが、元彼です。）が！
スカちゃんも別れると決めた手前、ケリつけないといけないので、ドアを開けます。
話合いたいというダグラス。いや、スカちゃんからは別れの言葉しか聞けないわよ？
訪問者がダグラスと知って心配そうなモルに、後で電話するといったん電話を切るスカちゃん。
ダグラスと話をつけたその夜、眠れないスカちゃんはワンコール鳴り終わらないうちに、モルからの電話を取ります。
「もしもし？」
「大丈夫か？」
「ええ、平気よ。」
「とてもそうは聞こえない。」
「なんだか・・・嫌な気分だったわ。きっと女性から別れを切り出されたことがあまりないのね。」
「何もされなかったか？」
「ただ取り乱して怒っただけよ。」
「僕が側にいてあげられたらよかった。」
「私も・・・。」
モルはもうDCに帰りたくてたまらなくなります。
「明日か、明後日のうちには帰るよ。」
「うれしい。」
モルからの電話一本で、安心したスカちゃんは笑顔を浮かべ、眠りについたのでした。
次の日、渋滞につかまって、いつもより少し遅く帰宅したスカちゃん。
コートを脱ごうとした矢先、ドアがノックされます。
ドアを開けるとそこにはモルが。
「ただいま、ハニー。」
「早かったのね、おめかしもまだよ。」
スカちゃんはあまりの嬉しさに、モルのほっぺにお帰りなさいのキスをしようとつま先立ちになったところで、モルがスカちゃんの方に顔を向けて、吸い寄せられるように、唇を重ねちゃうの（＊＾０＾＊）ふざけあってるセリフ同様新婚さんのようだわ〜。
スカちゃんの唇は離さないまま、部屋の中に移動して、ドアを足で閉めるモル。
体を離したのはスカちゃんからで、モルはいやいやながら、それを許します。
でも、手はスカちゃんを支えたままよ〜♪
「モルダー、私・・・あの、ごめんなさい・・・」
「何も謝ることなんてない。 いいんだ、ダナ。」
拒んだ格好になってしまったスカちゃんに、急ぎすぎたかな・・・と反省するモル。
「夕食まだだろう？」
「ええ、帰ってきたばかりなの。」
「知ってるよ。君が帰ってくるのを待ち構えてたんだ。どこか食べに行かないか？僕の部屋には食料がないし、僕らは・・・その、他に人がたくさんいるところへ行った方がいいみたいだ。」
「そうね、そうしましょう。」
出かけたレストランで、スカちゃんが事件について尋ねると、すかさずモルがダグラスのことを聞き返します。お互いにその話題には触れたくないんだけど、お互いにそれが知りたいことなので、スカちゃんから折れて、昨夜のダグラスの所業を話します。
それを聞いたモルは怒って、
「ダナ、どうして僕に話さなかった？腕を掴まれた時点で警察に通報すべきだったんだ。」
と、スカちゃんの手に腕を伸ばすものの、最後にちょっと躊躇します。
そのモルの手に自分の手を重ねるスカちゃん。
「モルダー、もう終わったことよ。彼は過去の人。プライドを傷つけられて逆上しただけで、手出しはしなかったわ。 モルダー、私とはもう係わりのない人よ。」
お互いの手を絡ませるふたり。
「こんなこと言うと、随分な自意識過剰に思われるかもしれないけど・・・彼と別れたのは僕のせいもある？」
「別に自意識過剰でもなんでもないわ。答えはYesよ。彼との関係がすでに終わっていることを気付かせてくれたのはあなた。でも、あなたとちゃんと知り合う前に、別れることは決めていたの。あなたがうちのアパートに引っ越してくる以前にね。」
「僕が余計な――」
「モルダー、これでよかったの。もう終わったことだわ。」
ほっとしたようにため息をつくモルに、
「さあ、今度はあなたの番よ。事件のこと話して。」
「お互いに嫌なことを打ち明けて、一緒に暗い気分を味わおうって言うんだな？
事件は・・・簡単ではなかった。それなのに、僕のパートナーの一言で捜査は打切り・・・僕が追っていた証拠を調べようともせずに、だ。」
「あなたのパートナーが？」
「ああ、彼は・・・僕に理解がなくてね。」
「事件のことは口外しちゃいけないんでしょ？」
「公式にはまだ継続中ってことになっているし、それに僕の説を聞くに耐えられるほど、君は僕をまだ知らない。」
スカちゃんはモルの言葉に首を傾げます。でもこのFicのモルはスカちゃんにエイリアンうんぬんの話は一切しません。・・・賢明だわ（笑）。
「注文しよう。」
モルは話題を変えちゃいます。
「明日仕事は？」
「休みよ。古参には土日を優先的に休む権限があるの。」
にっこり微笑むスカちゃん。モルの前では笑顔が多くなることを自覚します。
「それはいい。では、予定を伺ってもよろしいですか？」
「明日の午前中は用事があるけど、ランチの後は予定なしよ。」
「ランチの後？」
「ええ、どうしても外せない用事なの。」
「大事な『彼』と会うとか？」
「『彼女』よ。私の母。弁護士事務所に一緒に行くの。 私の都合に合わせて特別に土曜日に会ってくれることになって。」
「なんだ。 何か問題でも？ 弁護士に用なんて。」
「パパの遺産処理なの。ママが一人で行きたくないって言うものだから。」
「ダナ、ごめんよ・・・知らなかった・・・」
「あれは、そう、もう4ヶ月前のことよ。 心臓発作で・・・あっけなかった。でも・・・考えてみればあれでよかったのよ。パパは長く苦しまなくて済んだ。 でもママは・・・」
「そうだね、お母さんについて行ってあげるべきだ。 でも、もしよければ、その日の午後なんだけど・・・」
「ぜひそうしたいって思うわ。」
「明日は出勤して、いくつか書類をまとめなきゃならないんだけど――僕の1番のお楽しみでね、それが片付いたら落ち合おう。」
「わかったわ。弁護士事務所はFBIビルディングの通りひとつ向こうなの。」
「へぇ、なんていう弁護士？」
「テンプルトン・ハースト・シモントン法律事務所のジョセフ・シモントン。」
「看板を見たことあるよ。 じゃあ、デートは決まりだな？」
もうスカちゃんは、モルの虜ですわ。いつから惹かれていたのか思い出せないくらいに。
それでも、アパートに戻ったとき、モルが部屋に寄っていかなかったことに、がっかりする反面ほっとするスカちゃん。
別れたばかり、出会ったばかりというのが足かせになっているようで・・・。
やっぱりモルスカはじれったいのがお約束なんですね（苦笑）。
デート当日。
弁護士事務所で用事を済ませたスカちゃんとママ。待合室に戻ると、そこにはモルが！
事情を知らないスカママにもふたり並んだ姿は実に微笑ましく映ります。
「やあ、ここにくれば会えると思って。」
「ママ、こちらはフォックス・モルダーさん。モルダー、うちの母のマーガレット・スカリーよ。」
「お会いできて嬉しいわ。フォックスって言ったかしら？」
「モルダーと呼んでいただければ。 DC一美しいご婦人二人をランチにお連れしようかと思いまして。」
歯の浮くような誉め言葉もさらりと吐くモルに、面食らいつつもすっかり気を許すスカママ。
でも外に出て、モルの車に、スカちゃんびっくり。
「これどうしたの、モルダー？」
「ああ、派手で素敵な鍵キズだろ？」
「いつやられたの？」
「昨日の夜のうちらしい。その辺のやつの仕業だろ。」
「その辺って、どちらにお住まいなの？」
「言ってなかったわね、彼は私の部屋の上の階に引っ越してきたのよ、ママ。」
「あなたの家の近所でこんなことが？」
「他にやられた車はなかったですよ。たぶん子供のいたずらでしょう。僕が第一被害者のようです。」
と肩をすくめるモル。それから車に乗り込んで、ティーショップでランチを楽しむ3人。
モルはすっかりスカママに気に入られた様子です（当然でしょう！）。
娘の幸せそうな姿にご満悦なスカママは、しっかり気を利かせて、ランチを終えると早々にふたりにしてあげます。
パパの不幸にお悔やみを言うモルに、スカママはふたりへの餞も込めてこんな言葉を。
「ありがとう。彼がひどく恋しいわ。すばらしい年月を一緒に重ねてきたけれど、でもね、自分にぴったりくる人に巡り合えたなら、一緒に過ごす年月は500年でも不十分・・・そういうものよ。」
その言葉を聞いた二人の顔によぎった表情から、スカママはフォックスのダナに対する愛情を確信するのです。
そしてパパにも合わせてあげたかったわ・・・とすでに心の娘婿扱い！
スカママの配慮で、早速デートの始まりです〜。
「どこに連れていってくれるの？」
「んー・・・やっぱり内緒。」
「わかった。個人的なFBIビル見学ツアーでしょ。」
「はずれ。あんな場所には近づかない方がいい。なにより、あそこでは僕から離れて歩かないと。」
「いったい何の話？」
「いいかい、局の人間には僕の知合いだって知られない方が君のためなんだ。 それよりドライブはどうだ？君に見せたい場所がある。」
「ドライブは好きよ。」
話題を変えたがるモルに、とりあえず応じるスカちゃん。
車中ではスカちゃんの家族について話がはずみ、スカちゃんがモルの家族のことを聞こうとしたところで目的地に到着〜。
なんと場所は『スカイランドマウンテン』。・・・いや、いいんですけどね。でもなんでスカイランド・マウンテンなんだろう・・・。本編じゃいわくつきの場所なのに(T T)。
なんでも景色が最高だそうで。
スカちゃんはまた話題をかえられた・・・と微かに思いながら、とりあえず会話の主導はモル任せ。
山頂に車を止めると、「ここから少し歩くんだ。」とトランクからピクニック用の荷物をとりだし、スカちゃんと手をつなぐモル。
いいわね〜。微笑ましいわ〜。実に普通で健全よー。（←本編じゃありえない。）
眼下に広がる景観に感動するスカちゃん。
「誇大広告だった？」
「なんてきれいなの」
「陳腐かな？」
「とっても素敵。どうやって見つけたの？」
「前に・・・古い事件を調査していて、場所を見てみたくなって。」
頷いてもう一度景色を眺めるスカちゃん。
「僕には君がわかるように感じるんだ、ダナ。でも実際誰かに君のことあれこれ聞かれたら、何1つ答えられないだろう。つまり、君が何のドクターかさえ僕は知らない。 僕の盲腸を切ってくれる？ それとも君に診てもらいたかったら妊娠しないとﾀﾞﾒかな？」
「いいえ。診察してもらいたいとは決して思わない種類の医者よ。・・・病理学者なの。」
「それって・・・死体専門ってこと？」
「そう、死体専門。」
「なんでまた？」
「パトリシア・コーンウェルの読みすぎだったりして。でも興味をそそられるのよ。人体は多くを語ってくれる。警察に協力したり、CDCと組んで仕事したり。これが・・・これが私のやりたいことなの。」
「君は優秀とみたね。」
「ええ、そうよ。たぶん、あなたが優秀なプロファイラーであるのと同じくらいじゃないかしら。」
「僕がプロファイラーだって誰から聞いた？」
「あなたのファンクラブと連絡を取り合っているの。」
「僕の何だって？」
「フロハイキが電話をくれたのよ。」
寝そべっていたモル、その言葉に体を起こしてフロハイキにまで軽くジェラ？
「やつが君に電話を？ 決闘を申込むべきか？」
「あなたが出張中だったから、心配してくれたのよ。」
「ああ、そう。あのチビの恥知らずめ。 で、僕のこと何て言ってた？」
「それはホームルームの議題にしない？」
ふざけるスカちゃんを睨むモル。
「わかった、言うわよ。――あなたはFBI一優秀な捜査官だって言ってたわ。あなたの鋭い洞察力と一瞬の閃きが解明不可能な事件を解決。それから、上司にスプーキーって呼ばれてるとも。」
「最後の部分は正しいな。」
「気味悪がられるほどよく当たるの？」
「いや、ラッキーだっただけだ。」
「ラッキーじゃ、オックスフォードの心理学博士号はとれないわ。」
「フロハイキへの買収金は足りなかったらしい。」
「プロファイリングは楽しい？」
「本当のことを知りたいか？ 楽しくなんてないよ、でもどういう訳か僕にはその才能があった。」
「なぜ続けるの？ もしその仕事が好きじゃないなら・・・」
「プロファイルすることと僕がFBIにいる理由は関係ないんだ。僕はアクセスが欲しかった。そして今それを手にしてる。」
「何に対するアクセス？」
「いつも僕が口にするようなこととは違うよ。」
と真剣に前置きするモル。
「あなたが話したいなら、喜んで聞くわ。」
躊躇うモルの手を取るスカちゃん。
「今日・・・きみのお母さんに会ったね。兄弟の話もしてくれた。 でも僕には家族を語る言葉がない。」
「気付いてたわ。」
「両親は僕が14歳のときに離婚した。大学へ行くまでは母の元で暮らし、父とは２、３度会っただけだった。」
と、それから淡々と家族のことを語り出すモル。サマンサが行方不明になったときのことも打ち明けます。（でもエイリアン誘拐説じゃないけど。）それで、FBIからスカウトされたモルは妹に何があったか独自に調べるのに都合がいいと思って捜査官になったとを教えます。
モルの心の痛みを心配するスカちゃん。
「モルダー、そのことに罪悪感を持っているのね。あなたは12歳だったのよ？」
「でも、僕のせいだと思う。そこにいたんだから。妹の面倒をちゃんとみてやらなかったせいだよ。
今だって・・・・。妹の失踪と関係あると思って、非公式に捜査した事件がある。そのときこの場所を見つけたんだ。
個人的な捜査にも、時間外なら局はうるさく言ってこない。捜索を続けたいなら、僕はプロファイリングをするしかないんだ・・・」
スカちゃんは躊躇いもせずモルを抱きしめます。抱きしめかえすモル。ふたりはお互いに安らぎを見出すのです。
「話してくれてありがとう、モルダー」
「言っただろう、君のことは信じてる。」
「私をよく知らなくても？」
「心でわかるんだ。」
スカちゃんは思わず、モルに唇を押し付けていて、モルもそんなスカちゃんをより近く引き寄せるのね。
唇を離したモルは大きなため息吐いて
「君とのことは時間をかけようと思ってるけど、たいへんな努力を要しそうだよ。」
「私もだわ。」
「それが聞けて嬉しいね。」
微笑むモルから少しだけ体を離すスカちゃん。
「ふたりきりでいると・・・」
「危険だからまた公共の場所に戻る？」
「あなたとは間違えたくないの、モルダー」
「僕もだ。 もうすぐ夕日が落ちる。それを見たら文明社会へ返してあげるよ。それでいい？」
二人が結ばれるのは時間の問題・・・だからゆっくり時間をかけよう。ふたりは穏やかな幸せに包まれて沈む夕日を眺めます。
ヴァージニアからDCへ戻る途中夕食をとり、アパートメントに帰ってきて、部屋で飲み物でもというスカちゃんの誘いを断るモルがかわいいの♪
「時間をかけるってことは、僕は中には入れないってことだ、今はね、ダナ。 でも、いずれはきっと・・・。」
頷いて中へ入ろうとするスカちゃんの足を止めて、短くキスすると、一歩退き、しばらく見つめあってから、モルは階段を昇っていったのでした。
なんともかわいらしく微笑ましい光景ですね〜。
モルが部屋の上にいると思うだけで、スカちゃんはどきどきしちゃっていまいち熟睡できません。
目覚し時計の音に、嫌々ベッドを抜け出すと、シャワーを浴びて一日の準備をはじめます。
コーヒーを煎れたところで、ドアがノックされます。
スカちゃんはモルだと信じて疑わず、ピーホールも確かめないでドアを開けたために悲劇がーーー！！！(T0T)
まだノック音で判断できるほど、モルスカの付き合い長くないですから・・・。そしてスカちゃんの頭はモルでいっぱいでしたから・・・仕方ないと言えば仕方ないんです〜〜（涙）。
ドアを開けた瞬間、スカちゃんの笑顔は消え去ります。そう、立っていたのはダグラス・マイケルズ。
スカちゃんの部屋に勢いで押し入ってきます。
「あいつが出て行くのを待ってたんだ。彼とはずいぶん簡単に寝るんだな？」
「何を言って・・・」
「あいつがそんなにいいか、ダナ？ 何ヶ月も付き合ったこの僕を捨てて、君がいいと言うまでさんざん待ったこの僕を、たった１日２日で他の男に乗り換えるのか？」
「モルダーと私はそんな関係じゃ・・・」
嫉妬に狂った男は状況がよく見えていない様子。
思わずスカちゃんの頬を平手で打つの、このさいてーーー男は！！！！（怒）
男に手をあげられたことなんてないスカちゃんは驚いて頬を抑えますが、他に何のリアクションを見せないことが、こいつの怒りをかえって煽ったらしく、殴る蹴るの暴行を加えられて気を失うスカちゃん。なんでスカちゃんがこんな目に遭わなきゃならないんでしょ〜〜〜（号泣）。
気を失って虫の息で、血だらけ（泣）でカウチの側に倒れているスカちゃんを発見したのは、これまた悲劇、ふたりで朝食をと思い、コーヒーとデニッシュを買って帰ってきたモルだった（涙）。
なんかね、このFICすごい前半と後半でテイストが違いすぎ！最初もうこれでもかってくらいスイートにしておいて、これですもん。途中で泣きたくなりました（ほんとです。）。
モルはこの時点で既に真剣にスカちゃんを愛し始めていたし、スカちゃんだってそうなのに、なんでこうなるんでしょーー！！
作者さんは鬼ですね。悪魔だわ。
救急車呼ぶときも、躊躇いもせずバッジナンバーを使うモル。
怒りが込み上げ、犯人が誰であろうと必ず捕まえて償いさせてやると心に固く誓います。
到着したEMTのひとりが、警察に通報は？と聞くので、バッジを見せるモル。
EMTはスカちゃんのケガの状態からどういう犯罪が行われたか経験でわかるらしく、モルに向って犯人を捕まえてくれと言います。男が力づくで無理やり女性を犯すなんて反吐が出るというEMTのセリフに凍りつくモル。
ひとりでは立っていられないほどの衝撃を受けます。
言葉も紡ぎ出せないモル。制服警官が到着してモルに話しかけても、打ちひしがれて耳にも入らない様子。
あの方は奥さんですか？お名前を伺っても？という警官にバッジを見せるのがやっと。
FBIバッジに「モルダー捜査官、FBIで捜査なさるんですか？」
「ドクタースカリーは・・・・僕は上の住人だ。僕らは・・・僕らは友達で・・・あそこに転がってる朝食を持ってきたんだ。」
打ちのめされた様子のモルに、警官ふたりは彼は犯罪とは無関係と判断します。（あたりまえだ！！）
スカちゃんを搬送すると言うEMTにはしっかり反応したモルを、質問がありますのでと引き止めようとするバカ警官。
「連絡をとれる態勢はとっておく。局を通せばいつでも僕につながる。僕が来たときはドアに鍵はかかってなかった。無理やり押し入った形跡は認められない。」
スカちゃんから離れるわけにはいかないと、わずかづつ機能を回復していくモル。
「よく聞けよ、オフィサー、僕は君ら以上に犯人を捕まえたいんだ。捜査には進んで協力する。でも今は彼女について病院へ行く。担当刑事を現場へ連れてこい。出せるだけの鑑識を呼べ。ミスは一切するな。」
ここ、ちょっと状況が状況なので不謹慎ですが、モルかっこいい〜〜！！と叫びたくなります。
自分の勤務する病院で治療を受けるスカちゃん。
スカちゃんの友達で同僚のドクター・キム・アトキンスがモルの元にやってきて、スカちゃんのケガの状態、治療内容などを教えてあげます。スカママに電話を・・・というモルに、あなたダナの何？みたいな質問するキム。
素直に同じアパートの住人だと答えるモル。
ずいぶん親切な隣人なのねと驚くキムは、スカちゃんが今誰と付き合っているか知っていたらその人に連絡を取ってくれない？と頼みます。
「彼女のお母さんを連れて、僕がすぐ戻るよ。」
その言葉に、ああやっぱり彼がダナの恋人なのねと安心するキム。
スカママをお迎えにきたモルは、スカちゃんが男に襲われてケガしたことを伝えます。
うろたえるスカママをしっかり支える、頼りになる婿のようなモル。
病院に戻ると、今度はキムの口からはっきりとスカちゃんがどんな目に遭わされたか、スカママについて一緒に聞いてあげます。
スカママもすっかりモルを頼りにしているのですね。
性的暴行について、自分がEMTから聞かされたときの衝撃を思えばこそ、スカママを一層気遣うモル。
モルの手をぎゅっとにぎりしめ、「あなたもここにいてくれる？」と頼むスカママ。
「もちろんです。ただ少し電話をかけてきますね。警察に捜査の進展状況を聞いてみます。ちょっと席をはずしますが、帰ったりはしませんから。」
と心許ないスカママを宥めるモル。
「部屋のすぐ外にいます。 ミセス・スカリー、あなたはここに。」
キムにスカママを預けて、廊下で電話をかけるモル。まずはスキさまに事情説明、スキさまからサポートの申入れを受けます。それから警察にいる知人に電話をしますが、カーテンが開いて、スカちゃんがガーニーで運ばれるのが目に入り、電話を途中で切っちゃうモル。思わず側に駆け寄ります。
「ダナ？僕の声が聞こえるか？」
「どいてください。病室へ運びます。」と冷たいスタッフ。
「彼女は・・・」
「病室のベッドに運びます。4階のナースステーションで受付を。」
とスカちゃんから引き離されたモルは、ふと我に返ってスカママのところへ。
「ミセス・スカリー？ 今ダナが病室の方に。」
「場所は？」
「4階です。 ドクター・アトキンスはどこへ？」
「呼ばれて行ったわ。 大丈夫よ。」
だんだんスカママもしっかりしてきます。
「フォックス？ 前にあなたがダナを助けてくれたときのことだけど、今度も同じ男の仕業なのかしら？」
やっぱり鋭いスカママですが、モルはそうは思わないのです。
「わかりません、ミセス・スカリー。警察にはその線からも調べるよう言っておきます。ですが、ダナの住所を知っていたというのが納得いきません。名前すら知らないのに。」
その言葉に一応納得するスカママ。
スカちゃんの病室の前で待たされること２、３分。入室許可が出て、病室に入ろうとしたスカママは、モルを促すように振りかえります。
もうそれはモルも一緒に病室に入るのが当たり前のように。やっぱ心の婿なのね〜^^
「フォックス？」
「いいんですか？」
「そうしてくれるとありがたいわ。」
モルは無理やり笑顔をつくろうとがんばったけど、やっぱり失敗しちゃうのね。
スカちゃんをこんな目に遭わせた男が許せなくて許せなくて、その行き場のない怒りを表に出さないでいるのがやっと。
スカちゃんのベッドサイドの椅子にスカママを座らせて、その肩をぎゅっとつかむモル。スカママもそのモルの手を握ります。
婿と姑の美しい支え合いだわ（T T）。
と、そこへモルも顔なじみのコスタス刑事がやってきて、モルを外へ促します。
廊下で捜査状況を話合うモルとコスタス。
「何か見つかったか？」
「まだ何も。彼女の具合は？」
「今は薬で眠ってる。形成手術の必要があってね。彼女の部屋から何も出なかったのか？」
「落ち着け、モルダー、まだ事件に着手したばかりなんだぞ。指紋は採取したよ。おまえのもあった。 それから・・・その・・・レイプの証拠だが、これから分析にまわすところだ。 おまえと彼女は・・・」
「僕らはまだそういう関係じゃない。」
「なあ、気持ちはわかるよ・・・」
「余計なことはいい、仕事に専念してくれ。全力を傾けてほしい。２、３週間前にこの病院で起きた暴行事件について何か聞いているか？」
「ああ。やつは捜査対象外だ。完璧なアリバイがある。留置場の中だ。彼女を襲った数日後に逮捕されてる。クスリ欲しさに病院に侵入したガキが、たまたま階段で出くわしたのが彼女だったんだな。びびって全部吐いたよ。」
「そのことを彼女には？」
「いや、どうかな。知らせるべきではあった。」
「たいした仕事ぶりだ。 その証拠だが分析を急いでくれ。局の設備でも人材でも必要であれば、いくらでも使っていい。」
「彼女から話が聞きたい。」
「話せるようになったら知らせる。」
と厳しい顔付きで撥ね付けるモル。スカちゃんを守るナイトのようだわ〜。過保護モル。
「モルダー、今回のことだが・・・」
「犯人を見つけてくれ、それだけだ。 中に戻る。」
モルに同情する刑事。感情を押し殺すモル。
なんか胸が痛いわ・・・（涙）。
モルが中に戻ると、ちょうどスカちゃんが目を覚まします。
痛々しい声をあげるスカちゃん。
「大丈夫よ、安心して。ここは病院よ。」
「病院？」
「ええ。フォックスがあなたを見つけてくれたのよ。 キムが・・・」
「待ってママ、今なんて？」
『フォックス』という名詞におかしな反応を見せるスカちゃん。
ドアのところに立つモルを手招くスカママ。
「フォックスがすぐに助けを呼んでくれたのよ。だからきっとよくなるわ。」
近付いてくるモルを見るスカちゃん。
「あなたが私を？」
「その場に間に合わなくてごめんよ、ダナ。」
そのセリフに一瞬考えるスカちゃん。
「どこで私を見つけたの？」
「君の部屋だ。」
スカちゃんの手に触れようとするモルから、恥かしがるように距離をとるスカちゃん。
「ダナ？」
「お礼を言うわ・・・フォックス？」
その言葉に凍りつくモル。
「何を言っているの？フォックスよ、知っているでしょう？」
そう言うスカママに、何かを恐れるような表情さえ浮かべるスカちゃん。
「ごめんなさい、私、・・」
「ダナ、いいのよ。安静にして。たぶん少し混乱しているのね。頭を強打したんだもの。落ち着いてちょうだい。」
「僕がいたらゆっくりできないみたいだし・・・しばらくふたりで過ごしてください。それから・・・そうだ、彼女が目を覚ましたって、看護婦に言っておきます。」
スカちゃんを見つめるものの、目を合わせてもらえないモル。（T T）
こんな事件の上に、スカちゃんの記憶の中にはモルがいないの！？
ああ、悲劇・・・とっても悲劇だわあ〜〜（涙）
「フォックス、私から電話するわ。」
モルを気遣い声を掛けるスカママ。
頷いて、ドアに手をかけたところで、さらに信じられない言葉を耳にして固まるモル。
「ママ、ダグラスは来ていないの？」
「あー・・いいえ、彼は来ていないわよ、ダナ。」
スカママもちょっと動揺してモルを見ます。
「彼には連絡してないの。彼とはもう別れたでしょう？」
「やだ、何言ってるの？」
とモルをちらっと見て、すぐに目を逸らすスカちゃん。
「あら・・・じゃあ、勘違いしたのかもしれないわ。 あなたは休んでいなさい。ダグラスには電話しておくから。いいわね？」
スカちゃんが目を閉じたので、一緒に廊下に出るスカママとモル。
「フォックス、許して。少し時間をやってちょうだい。 あんな辛い経験をしたんだもの。自分で思っている以上にね。あのこが立ち直ー」
「ミセス・スカリー、――」
「マギー、そう呼んでほしいわ。」
言葉の遮り合戦の後、なんとか小さく笑みを浮かべたモル。
「マギー。 僕なら大丈夫です。今僕らが心配すべきは彼女のことでしょう。もし・・・もし彼女がダグラスに側にいて欲しいなら、そうしてあげるべきなんだ。電話してやってください。僕は・・・そう・・警察に行って、捜査の状況を確かめないと。もう中に戻ってください。何かあったら電話を――」
「ええ、もちろんよ。 今日の夕方にでも寄って行って。それまでは今より落ち着いていると思うわ。」
エレベーターからロビーに降り立つとおもむろに携帯を取り出し、コスタスに電話するモル。
「モルダーだ、今どこにいる？」
「署だ。」
「今から行く。」
コスタスの返事も聞かずに一方的に通話を切るモル。静かなる怒りが漲っていて、かっこいいです〜！
険しい顔つきでコスタスのオフィスに入るモル。
イスにどさっと座り込みます。
「どうした？ 彼女から事情聴取できたか？」
「いや」
「彼女はどんな様子だ？」
「彼女は何も覚えてない。」
「だろうな、よくあることだよ。脳震盪のせいもあるだろうが、それに加えて・・・・・モルダー？」
様子のおかしなモルに気付くコスタス。
「彼女は僕のことを覚えてないんだ。記憶がないのは今朝の一件だけじゃない。」
「なんてこった。 おい、モルダー、あんまり簡単に結論をだすなよ。まだたいして話もしてないんだろう？」
「ああ、そうだな。 ところで何かわかったか？」
ファイルを取り出すコスタス。
「ここに３組の指紋がある。彼女と、おまえと、それからダグラス・マイケルズのものだ。彼を知っているか？」
「ああ。彼女が・・・前に付き合ってた男だ。なんでそいつの指紋がファイルに載ってる？」
「彼は投資銀行家で、身元保証人になったことがあるのさ。必然的に指紋が採られる。」
「この男を調べてくれ。」
「調べたさ。犯罪歴なし。駐車違反すらしてない。事情聴取はする予定だがー」
「僕も立ち合わせてくれ。」
「ちょっと待った。 そいつはできないね。お前の事件じゃないんだぞ。」
「こいつは彼女から別れ話をされたとき、冷静を失って彼女に怒りをぶつけた。」
「いいだろう、そのことは頭に留めておくよ。でもおまえに取調べはさせない。モルダー、お前だって事件の当事者なんだ。彼に会ったことは？」
「一度。」
「それにお前は彼が嫌いだろう。それも理由のひとつだ。彼女の元恋人ってだけで、お前はすでにおかしな先入観にとらわれてるんだよ。」
「僕を捜査から外さないでくれ。」
「いいだろう、だが捜査の主導はこっちが握らせてもらう。」
「DNAの鑑定結果は？」
「俺が言ったこと聞いてなかったのか？今やってるよ。一週間かそこらはかかる。大体、結果が出たところで常習犯データベースになけりゃ―」
「一週間だと？」
「モルダー、時間がかかることくらい知らないお前じゃないだろう。」
でもモルのただならぬ様子にコスタスは折れちゃうんですね。
傍から見てもモルがスカちゃんを愛しているってばればれなのよ。
「急がせるよ――FBIの担当事件だって言ってな。」
感謝して頷くモルに、帰り際慰めの言葉を掛けてやるコスタス。
「なあ、ドクター・スカリーのところへ様子を見に戻ってやれよ。きっとお前を思い出すさ。」
「ああ、でも、それが果たして良いことかな？」
と署を後にするモル。
そう、モルを思い出すということは、朝の記憶も取り戻すということで、そんなことになったら、スカちゃんが傷つくだけ・・・モルにとってはジレンマですよね（T T）←後半こればっか・・・。
病院に戻ったモル。
スカママはいませんが、スカちゃんは起きていました。
「ダナ？気分はどうだ？」
びっくりしたようにモルを見るスカちゃん。
「フォックスだったわね？」
傷ついた心を顔に出さないようにがんばるモル。
手をにぎりたい気持ちを抑えて、距離を置きます。
「まだ僕がわからないんだね？」
「ごめんなさい。」
「きみのせいじゃないよ。 ところで・・・マギーは？」
「食事しに行ったわ。」
モルは今のスカちゃんと何を話していいのかよくわからないのね。
「さっき・・・コスタス刑事と話してきたよ。犯人逮捕に努めてくれてる―」
「貴様一体ここで何してる？」
とここでお邪魔虫――っていうか諸悪の根源、最低犯人が割りこんできます。
あんたこそどの面下げてスカちゃんの側にいれるわけーーー！！！（怒）
しかもその態度何！？スカちゃんもびくついてるじゃないのーー！
「ダグラス？あなたフォックスのこと知っているの？」
「会ったことがある。 まだ僕の質問に答えてないぞ。」
「ダナの様子を見にきただけだ。」
何か問題あるか？と口に出したかったけど、スカちゃんの手前抑えるモル。
このFICのモル大人でかっこよくてだいすきよ〜！！
「彼女なら元気だ、だが見舞い客の相手はできない。」
「ダグラス、その人は―」
「医者から安静にするよう言われているだろう？モルダーさんならわかってくれるさ。」
モルはこの小男を殴り倒したい気持ちを精一杯抑えて
「ダグラスの言う通りだ、ダナ。安静にしていないと。君の家から、何か必要だったら―」
「何でまた、彼女のアパートメントの近くに用がある？」
とやっぱりケンカ腰な小男。だからあんたにモルにそんな態度とる資格微塵もないんだってばーー！！
「特に用なんていらないよ、同じアパートの上の階に住んでいるものでね。」
なぜかこの言葉に凍りつく小男。
「す・・住ん・・？」
「真上の部屋だ。おかしいな、あんたとは一度も廊下ですれ違ったことがない。」
形成逆転！モルがんばってね〜♪我慢は心の毒よ〜。
「・・・い、いつから・・・」
「３週間前だ。」
モルはダグラスの様子をじっくり観察し、その物静かな語り口がかえって凄みになってプレッシャーをかけます。
「ダナ、後でまた様子を見に来るよ。」
というモルに、ダグラスの反応に不安を覚え、曖昧な笑顔を見せるスカちゃん。
病室を出て、スカちゃんの部屋が見えないところまでくると、壁に力なく背中から寄りかかり目を閉じるモル。
そこへスカママが心配そうな顔で近付いてきます。
なんとか笑顔を作るモル。
「あの娘に会ってきた？」
「ほんの少しだけ。ダグラスがいたので。」
その名前に目をむくスカママ。
微かな笑い声をもらし、自分の味方をしてくれるスカママに「どうも」とお礼を言います。
「ごめんなさいね、やっぱり電話なんてよせばよかった。母親として、あの子の選択を批判するようなことはしてはいけないとわかっているのよ―――でもそうしたいときだってあるわ。」
「ダグラスと面識は？」
「たいしてないわ。だいたい、彼とはとっくに別れたとばかり思っていたのだから。」
「事実別れたんですよ。でも、その記憶も彼女の中からは消えてしまったらしい。」
「心配しないで、フォックス、じきに思い出すわ。」
「彼女にあの話は・・・？」
「ええ、したわ。でもあの子、そういうところはしっかりダナなのよ。冷静で気丈であろうとする。その話は一切口にしないわ。あの子にはこの先きっと助けが必要になる・・・でも自分でその事実に達しなければならないでしょうね。」
「コスタス刑事と話してきました。今の状況をこのままにしておくつもりはありません。」
「ありがとう、フォックス。ダナは明日には退院することになると思うわ。なんとかして私の家に連れ帰りたいと思っているの。」
「彼女は拒否しているんですか？」
「もちろんよ。弱さを見せるようで嫌なんでしょ。 病室に戻らないと。ダグラスにうろつかれたら落ち着かないわ。」
「何か必要なら電話してください。」
もちろんとお礼を言ってスカちゃんの病室に戻るスカママの姿が見えなくなったところで、モルは頭脳を急回転させます。さっきのダグラスの様子から、モルは誰が何の理由でスカちゃんをあんな目に合わせたか、わかっちゃったんですね。あと必要なのは、その勘に対する裏付け情報だけ。
携帯取り出して、かける先は例の人（懐かしいですわ〜♪）。
「ダニー、僕だ。ダグラス・マイケルズに関する情報が欲しい。手に入れられる情報全部だ。 ああ。 わかった、今から向かう。 礼を言うよ。」
コスタスのオフィスに押しかけるモル。
「奴だ。」
モルの入ってきた勢いにコーヒーこぼして文句言うコスタス。
モルはとにかくマイケルズを署に連行してこいと主張します。
「マイケルズだと？」
「ああ、ドクター・スカリーを襲った犯人はあいつだ。」
「証拠でもあるのか？ よせよ、モルダー、お前とは長い付き合いだがー」
「あいつからDNAは採取したか？」
「いいや。彼は以前恋人同士だったと認めているし、それに彼女も同意してる。モルダー、彼が襲った犯人なら、彼女に分からないはず―」
「彼女は覚えていないんだ。 記憶から追い出して思い出すのを拒絶してる。」
「アリバイはどうなる？」
「定時に出勤したことなどアリバイにはならない。襲撃は早朝に起こったんだからな。僕が朝食を買いに出かけてすぐに。 なんで奴に手ぬるいんだ？銀行家だからか？」
「彼は被害者の友人で、今も彼女と一緒に過ごし、いろいろと支えになってやっているからだ。お前の気持ちはわかるがー」
「犯人はやつだ。彼女の記憶の欠落をいいように利用して警察の目を逸らし、おまけに彼女に取り入ろうとしてる。彼女があいつを捨てたとき、やつは彼女の部屋までやってきて、そのことをひどく詰ったんだぞ。」
「でも、そう言っているのはお前だけじゃないか。」
「彼女は思い出せないだけなんだ。そしてやつは嘘をついてる。 あいつを署にひっぱってこい。ポリグラフにかけろ。DNAを採れ。 本物の容疑者らしく扱え、なぜなら奴がそうだからだ。」
「ポリグラフだって？」
「ああ、彼女のアパートの住人を誰か知っているか質問しろ。」
「なんだって？」
「それが犯行の動機だ。彼女に捨てられて彼は激怒した。しばらくして僕があのアパートに住んでいるのを知る。だがやつは僕が彼女と一緒に暮らしていると思い込んだ。そのことにやつはキレたんだ。ここまで言えばわかるだろ？僕と一緒にいることが許せなくて彼女を罰した。僕が彼女と一緒に住んでいないとやつが知ったのは昨日だ。あいつが状況の建て直しを図る前に捕まえてくれ。」
「根拠が弱いな。」
「なら僕が間違っていたと証明してみせろよ。」
もちろんモルが正しいと証明される結果になります。
犯人逮捕後、モルはその報告にスカちゃんのアパートを訪ねます。
スカママはちょうどお買い物に出かけたところらしくスカちゃんひとり。
「警察が君の事件の犯人を逮捕したよ。そのことを僕の口から伝えようと思って・・・座ったほうがよくないか？」
カウチの両サイドに、できるだけ距離をとって座る二人。
「まだ僕を思い出さないんだね。ごめんよ、落ち着かないだろう？」
不安げなスカちゃんをあくまで優しく気遣うモル。
「犯人が・・・捕まったって・・・？」
「ああ、ダグラスだ。ダグラス・マイケルズ。」
「ダグラス？そんな、何かの間違−」
「彼は自白したよ、ダナ。 自分を捨ててすぐに君が別の恋人を作ったと思いこんで、彼の中で何かが切れてしまったんだ。」
「私がだ、誰と寝てると思ったの？」
「それが、僕らしい。」
「そう・・・。」と顔を赤くしてうつむくスカちゃん。
「僕が上に越してきたことを知らなかったんだ。 僕の車のカギ傷も彼の仕業だ。といっても君は覚えてないだろうけど。」
「わたし・・私にはダグラスにこんなことできるなんてとても考−」
「彼自身、自分でしでかしたことに驚いていると思うよ。 僕が２階の住人だって知ったときの彼の反応を覚えているか？」
頷くスカちゃんに
「彼は・・・このことを後悔していると思う・・・でもそれだけじゃ足りない。君をひどく傷つけたんだ。いつの日か、君が彼を許しても、僕は決して許さない。」
黙ってモルを見つめるスカちゃん。
事件は解決したものの、スカちゃんの記憶は一部欠けたまま。
ふたりの空気はどこか微妙です。
「あー・・僕は、そろそろ・・・たぶん君はひとりになりたいだろう。２階へ戻るよ。 大丈夫だよね？お母さんはどのくらいで帰ってくるかな？」
「私なら大丈夫。 ありがとう。 ただ・・・少し考えないと・・・教えてくれてありがとう。」
モルをドアまで見送ろうと立ち上がったところでノック音が。
スカちゃんの顔が恐怖にゆがみます。
「僕が出ようか？」
「え？ あの・・・いえ、自分で出るわ。」
ピーホールを覗くスカちゃんの側にさりげなく立ってあげるモルに、スカちゃんは安心感を覚えます。
ドアを開けると、立っていたのはフロハイキ。
モルを探しにきたそうです。
フロハイキに見覚えがあるというスカちゃん。強烈ですからね（笑）。
その言葉に驚くモルと、すっかり気をよくしたフロハイキ。ちょっと拗ねたようなモルが目にうかびますね〜♪
スカちゃんの心もだんだんリラックスしていきます。
用事の済んだフロハイキが帰っていくと、モルはすかさずスカちゃんに確認します。
「あいつを覚えているの？」
「あの・・・はっきりとは・・・。最初は・・なんだか怖いなと思ったのに、あなたがいるんだって思い出して・・・。」
「・・・どうも。」スカちゃんからの信頼に驚いたように瞬きするモル。
「でも彼が中に入ってきたとき、何か感じたの・・・彼に以前会ったことがある、それも嫌な感じがまるでない。つまりね、もう怖くなかったのよ。私はいつ彼と会ったの？」
「僕の引っ越しの手伝いにきてくれてね。他の友人ふたり――バイヤーズとラングリーも一緒に。みんなでピザを食べたんだ。幸運にも僕の友人を選ぶ目に君は怯まなかった。」
「あなたがいれば、いろんな事が怖くなくなるわ。」
モルを頭では思い出せなくても、心は覚えているのでしょう。
「今までもらった中で一番素敵な褒め言葉だ。」
「あなたのことが思い出せない・・・思い出せたらいいのに。」
「僕もそう願うよ。 何かあれば、2階にいるから。」
モルが自分の部屋に戻ってしばらくしてからスカママがお買い物から帰ってきます。
泣いているスカちゃんに驚くスカママ。スカちゃんも自分で涙を流していることにそこで初めて気がつきます。
「ダナ？何があったの？」
「平気よ。さっき、モルダーさんがここに来て・・・・ダグラスが逮捕されたって・・・。」
そのことをママが既に知っていることを驚くスカちゃん。
「フォックスが逮捕したことを伝えにきてくれたわ。証拠があったとは知らなかったけど。」
「どうして何も言ってくれなかったの？」
「だって、記憶のないあなたは彼を支えにしていたでしょう？ フォックスは彼が犯人だと確信し、実際それが正しかったと証明されたけれど、あなたを動揺させたくなかったのね。それで私のところへ来たのよ。」
「私のことを守ろうとして？」
「もちろんそうよ。あなたを守るためならあの人は何だってするわ。 彼はひどく落ち込んでいるの・・・こんなことが起きるのを許してしまったと。未然に防げることじゃなかったと何度言っても・・・」
「そんなに私のことを大切にしてくれているの？」
「あそこまで心を乱して・・・自分を責める人を私は他に見たことがないわ。あなたたちふたりとも、ごく短期間でとても親しくなっていたのね。 私は知り合って日も浅いし、彼のことは少ししか知らないけれど、なぜ必要以上に罪悪感をもってしまうのかしらねえ。今までもたくさん罪の意識を背負って生きてきたのかもしれないわ。だから、そうすることに慣れてしまっているのね、きっと・・・。もちろん本当のところはわからないわ、ただ、そういう感じを受けただけ。」
「彼のこと、好きなのね。」
「ええ、とっても。彼が災難と思わなければいいんだけど。」
「そんな風には思わないわよ。 彼はとっても魅力的な人だわ。」
「すごくね。」
「モルダーさんがここにいたとき、彼のお友達が捜しに寄ったの。彼、よくここで過ごしていたのかしら？」
「さあ、それは私にはわからないわ。」
「そうそう！そのお友達、メルビン・フロハイキさんっていうんだけど、彼に見覚えがあったの。」
「見覚えが？それはすばらしいわ。どの辺りから記憶があるの？」
スカちゃんは首を振ってもう休みたいと言います。
スカママはスカちゃんを一人にしておきたくないので、泊まっていこうかしら？と言いますが、強がりスカちゃんはきっぱり拒否。
「ママ、気持ちは嬉しいけど・・・少しひとりになりたいの。 ダグラスなら留置場の中だし、危険はないわ。それに、何かあったら、モルダーさんが２階にいるもの。」
「彼に電話してあげてちょうだい。」
とモルへの配慮も忘れないスカママ。
頷くスカちゃんに、フォックスに厚い信頼を置くスカママは折れて帰ることに。
「頼まれたものはみんな買っておいたわ。それから夕食も。私は家に帰るけど、約束して。
何かあったらすぐにフォックスか私に電話すること。」
「ありがとう、ママ。私なら大丈夫・・・ううん、きっと大丈夫になるわ。」
「そうね。」
スカちゃん、強がりを少し脱却して、今は大丈夫じゃないことを少しだけ認めます。進歩だわ！
スカママが帰って部屋にひとりいても、やっぱり落ち着かないスカちゃん。眠気もやってきません。
部屋の中を歩き回っているうちに、玄関先に現れたダグラスがふと頭をよぎり、その先の記憶が戻るのを拒むように目をつぶるスカちゃん。心細くてたまらなくなります。でもそんなときに頭に浮かんだのはやっぱりモルの事。モルはスカちゃんを傷つけるようなことは絶対しない。それだけは記憶のないスカちゃんにもわかることなのです。
温かいお風呂もいいけれど、スカちゃんが選んだのアドレス帳。
そこには予感したとおりモルの電話番号がちゃんと記載されてあるのですね。
決心がくじける前に、スカちゃんはその番号にかけます。
「モルダー」
「こんばんは―」
「ダナ。 大丈夫か？」
名乗る前にちゃんとわかるっていうのがいいですわね〜♪
「正直言ってどう答えていいかわからない。心細くて・・・でも下には降りて来ないで。少し、電話の話相手になってくれる？」
「喜んで。 前もよくこうやって話したんだ。」
「そうなの？」
「ああ。僕が出張で家を空けなきゃならないときは、君が僕の魚にエサをやるんだけど、ちゃんとやってるか電話で確認するんだ。」
「私があなたの魚にエサを？」
「そうだよ、君は合鍵を持ってる。こんな責任重大なこと、他の誰にも任せられないからね。」
「フロハイキさんはダメなの？」
「よしてくれ、戻ったときにはちゃんと生きたやつらに会いたいよ。」
笑い声をあげるモルに、心が解きほぐれるのを感じるスカちゃん。
「出会ったときの話をして。」
モルとの電話のおしゃべりが効いて、ぐっすり休めたスカちゃん。
朝ご飯のお片づけが済んだところで、ドアがノックされる音を聞きます。
とたんにナーバスになるスカちゃん。でも、モルの姿を確認すると、ほっと肩を下ろします。
「先に電話すればよかったな・・・でも、大丈夫か様子をみたくて。」
「大丈夫よ。 昨日の夜は付き合ってくれてありがとう。」
「そうできて嬉しかったよ。 君の・・・体調がよくなったら、連れて行きたい場所がある。以前一緒にいったんだ。和やかな・・・いいところだよ。そこで・・・僕らの心は今までにないほど通い合ったんだ。」
「ぜひ行ってみたいわ。」
「具合がよくなったらね。」
「具合ならいいわ。」
「え？」
「ごめんなさい・・・あなたには仕事があったわね。」
「いや、いいんだ。今日は特に行かなきゃならないわけじゃないし。でも・・・知らない人と出かけて、本当に平気か？」
「あなたを『知らない人』とは言わないんじゃない？聞いた話によると、何度か危ないところを救ってもらったそうだし。何より、あなたは母の大のお気に入りなのよ。」
「お母さんが好きな男でも構わないと？」
「全然。でもママには内緒にして。」
親子でモルの取り合いですか・・・（笑）。
「あなたは私を傷つけたりしない、そうでしょう？」
「決してね。」
「その場所へ連れて行って。私たちの心が通い合った場所へ。」
「お母さんに電話を。黙って連れ出すわけにはいかないからね。」
どこまでも過保護で抜かりないモルに、わかりましたと素直にママに電話するスカちゃん♪
電話口で「彼がママに知らせろっていうから。」というセリフがやたら気に入った私(*^^*)。
スカママがモルに代わってと言うのもいいですね〜。
「ヴァージニアにある場所なんですが、彼女が行きたいと言うもので。ふたりで最後に行った場所なんです。彼女もきっと思い出したいんだと思います。」
「ええそうね。電話してくれてありがとう。フォックス、あのこから目を離さないでやって。みんなにそう信じさせたいほどには強くないのよ。」
「わかっています。僕の携帯の番号は控えていますよね？」
「ありがとう、フォックス。うまくいくことを願っているわ。」
出かける準備をして、（たぶん）スーツから着替えを済ませ、スカちゃんをお迎えにいくモル。
やっぱりちょっと不安になって、これでいいのかしら？と思ったスカちゃんにすかさず
「気が変わったならいいんだよ。」
と心を読んだように口にするモル。
「急かすようなまねはしたくないんだ。」
「違うの、行きたいわ。ここしばらく病院と部屋の中ばかりだったんですもの。 仕事の方は大丈夫？」
「ああ、僕がいないんで大喜びだ。」
モル仕事を急遽休むことにしたんですよ！あの仕事人間が！愛ね、愛。
本当に行きたいのか最後にもう一度確認するモル。
「正直に？ YesとNoだわ。 でもね、昨日の夜感じたの。あなたならきっと、私に立ち直る力をくれるって。」
「そうしたいと思ってる。」
「前のアパートでもこんなに素敵な住人だったの？」
「やっぱり思い出さない方がいいこともあるみたいだ。特に僕に関してはね。」
と笑い出すモル。
会話は普通に戻りつつあるけれど、行きましょう、と歩き出すスカちゃんの背中に手を添えようとして、やっぱりモルの腕は途中で止まっちゃうの（涙）。
スカイランドマウンテンに近付けば近付くほど、口数少なくなって行くスカちゃん。
モルは引き返そうかと思います。
モルとの思い出の場所に見覚えがないことが悲しいのか、それともすべてを思い出しそうで怖いのか、それはわからないですけど、スカちゃんは不安でいっぱい。
「まだ諦めるのは早いよ。今から行くあの美しい場所を見てからでも遅くない。
ダナ・・・やっぱり帰りたいなら今すぐ帰ろう。」
「いやよ。」
「ダナ、僕の前では強がらなくていいんだ。」
でもやっぱりスカちゃんは頑固。帰るとは言いません。
道すがらモルが差し出す手も拒否する強がりスカちゃん。
それを黙って見守る大人で優しいモル。
ようやく目的地に辿りついたら、事態は急展開。
「頭が・・・」と額を押さえてよろめいたスカちゃんをモルが抱きとめます。
「いや・・・助けて・・・」とモルの腕に泣き崩れてしまうスカちゃん。
パニックを起こしたように必死でモルにしがみつくスカちゃんを、モルは連れてきたことを激しく後悔しながら、スカちゃんが自分で自分を傷つけないようしっかり抱きしめてあげます。
泣きつかれたように眠ったスカちゃんを背中から抱きしめて添い寝するモル。
安心しきったように体を預けるスカちゃんの髪を払って、額にキスするモル。
身長差があるので、後ろから抱きしめても、スカちゃんのおでこにキスするのは簡単ね♪
夢にうなされるスカちゃんを見つめながら、自分の力のなさを呪うモル。
いえ、あなたは十分立派にスカちゃんの支えになっているわよーー(T0T)!
本編とは偉い違いだわー！（あ、モル族の方怒らないでくださいね？^^;）
一時間ほどして目を覚ましたスカちゃん。
「モ・・・モルダー？」
「大丈夫だ、家に帰ろう。」
「思い出したの。」
「思い出した？」
「ここで話したことや、あなたのこと、それから・・・ダグラスがしたことも。」
「ダナ、ごめんよ。考えが足りなかった。ただ君に記憶を取り戻して欲しくて、でもまさかこんな・・・。もう君を家に連れて帰る。」
「いいえ、まだ帰らない。」
「じゃあどうしたいのか言ってくれ。」
「夕日が見たいの。」
その言葉に微かに顎が落ちるモル。やっぱりスカちゃんはいつでもモルの気を揉ませる元気な小悪魔でないと♪そんな小悪魔に心底やられてるモルは瞳に笑みを湛えて
「ああ、それはいい考えだ。」
言葉をかわすことなく、モルの腕の中にすっぽり納まって、穏やかな時間を過ごすふたり。
「ここで、ゆっくり時間をかけようって決めたんだ。」
「モルダー、まだ私と付き合いたいと思ってくれる？」
「僕を疑うのか？今ここにいるのは、君のそばにいたいからだ。」
「私を抱いて。」
「ここで？ 今？」
すっかり面食らった様子のモル。頷くスカちゃん。スカちゃんたら積極的なんだから、も〜＊＾＾＊でもいいのよ〜地獄のあとはひたすらあま〜くいきましょう！
時間なんてかけなくっても、あなたたちふたりなら失敗なんてしないから！運命のふたりだもの♪
プロテクションはスカちゃんがクリニックからもらったやつがバッグに入っているそうで。
アメリカンガールだわ（笑）。それに対するモルのコメントがこれ。
「面倒見のいい女性って大好きさ。」
とあつ〜くキスしておきながら、やっぱり躊躇するモル。
「でもやっぱり賢明とは思えないな・・・君は退院したばかりだ。」
「なら、優しく抱いて。」
と首筋を啄ばみながら囁くスカちゃん。
「きみは・・・その気にさせるのが・・うまいね・・・oh god」
はい！いいところですが、R指定なのでここまで〜♪
お互いに抱きしめあいながら落ちていく夕日を眺めます。
「きみはすばらしいよ。」
「この時間、この場所こそが、ふさわしかったんだわ。」
空を見つめるスカちゃんに
「何考えてる？」
「正直に言うとね、Adam & Eveに投資することを考えてたの。」
「なんだって？」
「ノースキャロライナにある会社よ。クリニックに・・・『供給物』を供給している会社。」
「冗談だろ？」
「いーえ。ちゃんと実在する会社よ。今ね、無性に感謝したい気持ちでいっぱいなんだもの。 永遠にここでこうしていたいわ。」
モルも同じ気持ちですが、ほら、このFicではちょっと悪戯なかんじでキュートなスカちゃんと大人なモルって構図になってますので、モルの方がしっかりしてたりします（笑）。
「こんなこと言いたくないけど、すぐに暗くなる。車に戻らないと。」
しぶしぶ頷くスカちゃんを立たせてやるモル。痛そうに顔をゆがめたスカちゃんを心配します。
「大丈夫か？」
「最高よ。」
「本当に？」
「モルダー、あなたはすっごく優しくしてくれたけど、それでもあんなに・・・上手だなんて。文句のつけようがないわ。」
信じられないとばかりに首をぶるぶると振るモル。かわいいですわ〜小悪魔に翻弄される好青年♪
車に戻って、エンジンをかけたところで携帯をスカちゃんに差し出すモル。
「お母さんにかけて。予想以上よりはるかに遅くなってしまったからね、確実に。」
言われたとおり素直に電話をかけるスカちゃん。
「ママ？ 一応知らせておこうと思って。 いえ、まだヴァージニアなの。今から帰るところ。 モルダーよ。 ママ、彼を思い出したわ。記憶が全部元通りに。」
モルににっこり微笑みかけ携帯を手渡すスカちゃん。
「あなたを話したいって。」
「マギー？」
「本当なの？記憶が戻ったって・・・」
「はい。もう大丈夫だと思います。」
「あのこならきっとそうね。お礼を言わせてちょうだい。 何をしたかは知らないけれど、心から感謝するわ。」
その言葉になぜか赤くなるモル（笑）。でも声は平静を装います。
「お嬢さんはすばらしい女性です。」
「ええ、本当にそう。あのこの喜ぶ顔が目に浮かぶようよ。帰りに気をつけて。ダナに明日話しましょうと伝えて。」
スカママとの電話を無事乗り切った（笑）モルの様子を心配するスカちゃん。いや、面白がっているだけだったりして〜♪少なくともJNKはおもしろがっています！
「どうしたの？モルダー。」
「・・・あんなことして、母親から礼を言われるなんて・・・はじめてだ。」
「ママはバカじゃないけど、超能力者でもないわ。だからバレてないと思うわよ。」
「ああ、心からそう願うね。 彼女に嫌われたくない。」
「それなら心配無用よ。ママはあなたが大好きだもの。私の入院中にママが話題にすることといったら全部あなたのことだったんだから。夕べだって私をひとり置いて帰ったのはあなたが２階にいるからだし、何かあったらすぐにあなたに電話するって約束したからなのよ。」
「まさか。」
「そのまさかよ、モルダー。ママはあなたを世界一のご近所さんだって思ってるわ。」
「そのママの娘はどう思っているのかな？」
「そうそう、娘はあなたが同じアパートの２階に住んでいることを、なんて都合がいいんだろうって思っているわ。」
「都合がいい？」
「そうなの。その子はあなたにしょっちゅう会いたいと思っているし、他の誰よりもっとよく知りたいの。そんなあなたがすぐ２階にいるなんて、『都合がいい』でしょ？」
「僕を思い出してなお、もっと僕を知りたいなんてね・・・言葉が見つからないよ。そんなこと言われたの初めてだ。」
「そうなろうと努力をしたことはないの？」
「持って２、３分ってところかな？ ダナ、僕はイングランドから戻って以来、ちゃんとした関係を持てたためしがないんだよ。何度かデートしたりはしたけど、でも―」
「イングランドから戻って何年にもなるでしょう、モルダー。」
「ずっと妹を探すことに必死だったからね。それに仕事詰めだった。空いた時間はあいつらとつるんでいたし、でもほとんどが仕事の人生だ。」
「今日は何のためらいもなく休むと電話をいれたじゃない。」
「きみといたかったからね。理由ははっきりしないけど・・・君は他の誰とも違う。説明できないけど・・・・君といることは正しいと心で感じるんだ。 そうすることで・・・完全になれる。」
その言葉に目を見開くスカちゃん。
「どうやら怖がらせたみたいだ。」
「ちがうの、怖いとは全然違うわ。」
「なら、なんだ？」
「心を読まれたの。」
その言葉に車まで止めるモル。
「今なんて？」
「別にスプーキーなんて呼んでないわよ。」
「心を読まれたって、どういう意味？」
「モルダー、私もまったく同じことを感じたの。ダグラスともう別れたいと思ったときも、あなたとは大して話したこともなかったし、また会える保証もなかったのに、ダグラスと一緒にいて得られるものは何かが違う、こんなの充分じゃないとはっきりわかったの。そしてあなたならと思ったわ。階段の踊り場で助けてくれたとき私を落ち着かせてくれただけじゃない、レストランで私のことを覚えていてくれた以上に感じるものがあったのよ。モルダー、普段の私なら決してしないことだけど、あなたが引っ越してこなかったら、私の方から電話していたと思うわ。 私の言うことが信じられない？」
「心の底からそう信じたいよ。」
スカちゃんの告白にやたらと感激するモル。
「そう固くならないで、モルダー。あなたにはまだまだ私を知ってもらわないと。」
「僕が君のアパートに越してきたことは、ただの非常な幸運とは言えないような気がしてきたよ。」
「運命。 違う、モルダー？」
「確かに僕らは話し合うことがいっぱいだな。君の部屋？それとも僕？」
「そうねえ、私の部屋ならベッドがあるわ。」
笑い出すモル。
「行こうか、ご近所さん。家へ帰ろう。」
スカちゃんは笑顔でシートに寄りかかる。
スカちゃんは確かにひどい目に遭って、傷ついたけど、モルがいれば大丈夫。
その傷はきっと必ず癒される。スカちゃんの体と心を痛めつけたあんな事件も、二人の運命と愛には傷ひとつつけることなどできなかった。
次元が違っても、同じフィールドにいなくても、モルスカはやっぱモルスカ。
二人の愛は強かった。という苦しいけれど、甘くて素敵なFicですよね♪
☆ ＪＮＫの言い訳 ☆AUは好きなんですよ。モルはFBIで、スカちゃんお医者さん。モルは学者でスカちゃんFBIとかね。
読んだことはないけれど、スカちゃんが一般人で、優秀な科学者で、モルが追っている事件の犯人のターゲットになっちゃって・・・ってかんじのシチュエーションにも惹かれちゃいますね〜。モルスカってパートナーじゃなくってもぴったり嵌るんですもの。でも今回のはねー・・・１箇所だけ許せない所があって、スカちゃん元彼とはいえ、レイプされちゃうのがいただけないったらいただけない。ただの暴行だけならいいけど（いや、よくないだろう。）、それは行き過ぎ！！でも、このFicのモルのスカちゃんに向ける絶対的で大人の大きな愛がね、救いなのですわ（感涙）。
スカちゃんもやたらめったらかわいいし。そりゃあモルもメロメロですって。
今回番外編レポート３部作を読んで下さったみなさま、UPしてくださった心の広いHISAYOさんに深い感謝とお詫びを心から申し上げ、締めくくりとさせていただきます。
☆ HISAYOの感想 ☆
ＪＮＫさーん！素敵なお話ありがとうございましたm(__)m
これってば番外編なんてとんでもなーいって感じのShippyなお話だと思います。
確かにスカちゃんが辛い目にあってしまうのは痛いし悲しいことなんですけど、その傷をぬぐい去ってあげようと一生懸命のモルがいいじゃないですか〜！
モルスカであってモルスカじゃない世界ってＦＩＣならではで、この手のジャンルは私は好きだなぁって思えるのと、そうじゃないなっていうののどちらかに別れてしまうのですけども、私はこれ大好きですわ〜！
モルとスカちゃんって違う世界で生きていてもやっぱりどうしたって巡り会う運命で、出会えばやっぱりすぐに恋に落ちてしまう二人なんだなぁってとっても納得です〜(*^.^*)
出会い方もなんか運命的ですけども、やっぱりスカちゃんのアパートの上に偶然に引っ越してきたモルっていうのがねーーー！やっぱりツボですわ。その辺がこの題名につながってきているんでしょうけども♪
フロフキーがスカちゃんを気に入っちゃうのはこれまたお約束でね（笑）
でもこうして同じアパートの住民になったモルとスカちゃんが徐々に距離を縮めていく様がこれまたいいじゃないですかーーー！なんかこういうモルスカって新鮮ですよねぇ。本編ではパートナーだからいつも一緒にいるわけだけど、この二人は微妙な距離を徐々に詰めて行くっていうんですか？そういうところがねぇ〜。
もうモルが出張先から電話してくるところなんてこっちまでドキドキしちゃいました♪
そして帰ってくればキスでしょぉ〜！キスなわけでしょー(*>o<*) しかもモルが足でドアしめちゃうんでしょー！スカちゃんにキスしたままぁ〜(^o^*)
はぁ・・これまたここも大好きなシーンですぅ〜ヽ(〃ｖ〃)ノ パァァァァ〜〜♪
そしてスカママにも早々に気に入られちゃうモル。モルはいつでもどの世界でもスカリー家の女性の心を掴むのはうまいみたいですね〜。天性を感じますわ。
このお話何回も溶けちゃうんですけども、『スカイランドマウンテン』でのシーンは最高ですよね〜。二人とも本気だから、時間をかけようと決めるなんて大人だわぁ。お・と・な♪
私ってばこの二人のこういう大人の関係にも弱いみたいでね〜。モルスカって本当にどんな状況でも私のハートをわしづかみにしてくれちゃうんですよねぇ(*^.^*)
以下の会話に私は溶けて蒸発しましたわ(^O^)/
「ふたりきりでいると・・・」
「危険だからまた公共の場所に戻る？」
「あなたとは間違えたくないの、モルダー」
「僕もだ。 もうすぐ夕日が落ちる。それを見たら文明社会へ返してあげるよ。それでいい？」
しかしそんな幸せな二人に不幸が・・・(T.T)
スカちゃん酷い目にあいすぎですよね。いくら元彼だって別れたらただの他人。私が世の中でいちばん最低で、最も下劣な行為と思っていることをされちゃうなんて。そしてそんなショックからモルの事を忘れちゃうなんて(T.T)悲しいですよねぇ。
でもね、私はここでモルがんばって！って心から応援しました。もうダグラスが病室に入ってきていると思うだけでも嫌悪感がねーーっっ！最低最悪だわ、あんたっ！あんな事をしておきながらどうしていけしゃあしゃあとそうやって顔をだせるのかしらっっ＼(><＠)／
はぁ・・モルの素晴らしい捜査で早期逮捕につながって本当に良かったです。
このままダグラスがいいように振る舞っていたらどうしようかと思っちゃいましたわ怒怒怒 （｀´）怒怒怒
それでもって記憶は戻らなくてもモルに信頼を寄せているスカちゃんっていうのがいいですよね〜(^^)
スカママの絶対の信頼はそのままだし、それにモルったら行動がとってもスマート♪こういう育ちの良い坊ちゃん風なモルの行為に私はクラクラってきちゃうんです〜(*^.^*)
記憶をとりもどしていくスカちゃんの苦しい状態を黙って抱きしめてあげるモルっていうのがねーーー！あぁ・・大好きよーーーモルぅーーーー(TOT)あなたって素敵っ、とってもすてきよぉ〜！
そして泣き疲れてモルの腕の中で眠るスカちゃん。みたひ・・とってもみたいわぁ！今日はこの夢をみたい！がんばるのよっ！私の右脳っっ！
そして積極的なスカちゃん。今、この場でなんてぇー、HISAYO、照れちゃうわぁ(^^*)
でもモルそのままどうぞぉ〜ヽ(^0^)ノ
しかしＲ指定なのでここまでって〜！ＪＮＫさんイケズだわぁ〜。私がShipperParadise！を立ち上げる時にあちこちのサーバーを探した理由のひとつは「あ」ＯＫっていうことだったのですよー！なのでＯＫなのに〜。かいちゃってくれて全然へっちゃらなのに〜o(><;)(;><)o
(;_;)クスン、クスン・・しょうがないので諦めて先に進みます。
結ばれた二人は一緒の車で仲良く帰路につくんですね。ベッドにある方のスカちゃんのお部屋を目指して(o^-^o) ウフっ！
確かにスカちゃんは辛い目にあってしまったけど、それを乗り越えられるモルの愛があるからきっと大丈夫。そう思えるお話でした。
最後は申し分ないハッピーエンドだし(^^)
ＪＮＫさん！素敵なお話のご紹介ありがとうございました。特に最後のこれはもうまるでＦＩＣを読んでいるそのものという感じで十分に楽しませて頂きました♪
このお話、いつか読ませて頂きたいです〜(*^O^*)/ このお話でしたら掲載問題なしと思いますの〜(^^)
