☆ 内容を簡単にご紹介 ☆
これはXF版『ゴースト〜NYの幻〜』です。モルは幽霊になっても・・・・というお話。ちなみにハッピーエンド（だと思う）ので、そこはしっかり前置きしておきますね。パロディとしてお楽しみください。
いつものように、スカちゃんをおいてけぼりに突っ走った結果、どこぞの警察の留置場に放りこまれてしまったモル。
その手の懸かる問題児をスカちゃんが引き取りにきて、モルの運転で帰る、その車中での会話でお話が始まります。スカちゃん怒ってます。ほんとーーーうに怒ってます。ドアを閉める音にもそれが表れてます。
「もうこんなのは二度とごめんよ、モルダー」
「だから謝ってるだろう」
「いつだって口先ばかりよ、モルダー。事後に謝るだけで、私にちゃんと行き先も告げずにひとりで危険に突っ走っていくのをやめないじゃない。私の役目はあなたの後ろを守ることのはずなのに、その肝心のあなたの背中が見えないんじゃどうしようもできないわ。これ以上置いてきぼりをくらうのはもうたくさん。」
「君を置いていくのは、危険な目に遭わせたくないからだ。君こそが僕の生命線だからね。窮地に陥っても君の居場所がわかっていれば安心だ。ちょうど、昨日の夜みたく。」
必死に言い訳するモル。
スカちゃんはすごい剣幕でモルを罵ります。
「午前二時の電話に叩き起こされて、留置場にいるから迎えにきてくれなんて金輪際やめてちょうだい・・・次はモルグからの電話だったらどうするつもり？考えたくもないわ。これきりにして。私はあなたに全信頼を預けているのに、あなたは口で言うほどには私を信じていないのよ。」
怒ってというよりは、どうしようもない悲しみと失望からモルを責めるスカちゃん。
「それは違うぞ。僕は誰よりも君を信じている。僕自身よりも、だ。」
「自分でそう思っているつもりでも、実際は違うのよ。私を信用しているなら、行き先とその理由を話してくれるはずでしょう？信じているなら、一緒に連れて行くと思わない？あなたは甘えを信頼と勘違いしているのよ。都合のいいときだけ、私を頼りにするなんて。」
涙を浮かべて訴えるスカちゃん。
「あなたの尻拭いはもうたくさんなの。使い捨てなんて、我慢できない。今回でおしまいにしてもらうわ。」
「そんなつもり・・・もしそう感じているのなら、なんで来てくれるんだ？どうしていつも助けてくれる？」
スカちゃんを失いたくない必死の思いがからまわりするモル。動揺して運転するのは危ないわよー。
「なぜかって？あなたの甘えに私も甘んじているからよ。あなたを迎えに来る途中気が付いたの。こんな関係お互いにとって不健康だって。こんな悪循環は断ち切らなければいけないわ。」
「二度と君を置いていかないって約束すれば、関係の修復に役立つか？」
モルの注意は道路半分、スカちゃん半分。―――だから、危ないって・・・高速道路でしょう？
「どうかしら？誓うときは本気でも、記憶力抜群のあなたらしくもなく、都合のいいときにはうっかり忘れてしまうじゃない。行きつく先も、待っているものも神のみぞ知る道の途中で、約束は頭の中から追い出して、私を置いて行くんだわ。知らせたら怒るだろうと電話もせずに。」
とりつくしまのないスカちゃんに、なぜか怒りがこみ上げてくるモル。あなたの辞書には『反省』とか、『自業自得』って言葉はきっと載っていないのね。
「結果は目に見えてるって言うんだな。」
「あなたのことは知り尽くしているもの。ときどき自分でも怖くなるわ。」
顔を窓に背けるスカちゃん。
「じゃあ・・・どうするつもりだ？異動願いを出すのか？」
スカちゃんにNoと言って欲しくてたまらないモル。
「わからないわ。Xファイルは私にとってもすでに人生だもの、モルダー。この仕事にすべてを捧げてきたし、多くのものを失ったわ。こんな人生変えるべきかしら？まだやり直すチャンスがわずかでも残っているうちに、今すぐ抜け出すべき？そんな自分を許せるの？自分でも答えが出せないの。わかっているのは、これ以上あなたが沈む夕日に向って暴走するのを止める力は私にはもうないってことよ。」
「もう二度と君を置いていかないと誓うよ、スカリー。もちろん君はこんな言葉は信じないよな。それでも僕は約束する。せめてチャンスをくれないか？」
「わからない・・・・そうしてもいい？」
と、ここで１回話が切れて、次は三ヶ月後に飛びます。
スカちゃんのアパートのお隣さん、アンジーおばあちゃん（８３歳。旦那さんは７５歳で逝去。軽度のアルツハイマー病と診断されてるのですが、実は死んだ旦那さんの幽霊とお話しているだけという（笑）。ドナさんという娘さんと一緒に暮らしています。）のお宅を訪ねるモル。ひどく落ち込んでいるモルを元気付けてあげるおばあちゃん。アンジーおばあちゃんはモルのことを『ダナのところにおかしな時間によく訪ねてくる若者』＝『ダナのいいひと』だと思っていて、ここ3ヶ月で、とある理由からモルと親しくなって、いろいろ助言をしてあげているみたいなの。
「あらあら、今日もダメだったみたいねえ」
「ご名答・・・彼女は話しはおろか、僕の存在さえ認めようとはしないんだ」
・・ってちょっと待ってモル。スカちゃんとケンカ別れ？徹底無視されてるってこと？
「彼女も辛いのよ、フォックス。こういうことには時間がかかるものなの。根気よくが肝心よ。」
と、そこへ娘のドナさんが、
「ママ、誰とおしゃべりしているの？」
「ほら、ダナのいいひとよ。何も気に病むことないわ。」
「あーーーそう。またパパと話しているのかと思ったわ。」
って、ちょっと待って――――！！！？？？
ドナさんにはモルは見えていないのーー！！？？
つまりそれってモルが幽霊ってことーー(T0T)！！
一体あのあと何があったっていうのおおおおお
「一生認めない人だっているんだろう？」
「ええ、そうね。でもあなたのダナは違うと思うわ。何か感じてはいるけれど、それを頭で認められないのね。でも あなたの思いは必ず彼女に届くはずよ。」
「彼女はいまトラブルを抱えているんだ。とても苦しんでる。彼女がこんなにも辛い思いをするなんて、夢にも思わなかった・・・。あんな彼女を見るのは僕も辛い。」
「気持ちはわかるわ。でも、あなた自分で状況を悪化させている心当たりはない？もう流れに任せるべきなんじゃないかしらねえ。」
「それじゃダメなんだ。このまま終わりになんてできない。」
「でも・・・もう終わっているじゃない。あなたの生まれながらの頑固さが、それを拒んでいるだけなのよ。」
「旦那さんにもそう言ってるの？」と笑うモル。
「ジョージは出会ったその日から今も変わらず頑固者でねえ。 それも大きな魅力なのだけど。」
ああ、やっぱりモルは幽霊なんだわ(T T)
スカちゃんはモルを失ってしまった悲しみと絶望に苦しんでいるんだわーー！！（号泣）
そのスカちゃんはベッドの中で、夢にうなされている様子。
//『約束するよ。』
痛み。断末魔の苦しみが心も体も引き裂いていく。
『しっかりするんだ。 息をして。 負けるな。』
『がんばれ。 大丈夫、君ならやれる。』
『もう二度と君を置いていかないと誓うよ、スカリー。もちろん君はこんな言葉は信じないよな。それでも僕は約束する。せめてチャンスをくれないか？』
『わからない・・・・そうしてもいい？』//
どこからが夢で、どこからが記憶かもわからない。
いずれにせよ悪夢にはちがいなく、暗闇に泣き咽ぶスカちゃん。
//『ああ、約束する。もう二度と君をひとり置いてはいかない。』
そのとき、別レーンのトラックが前に割り込みをかけてくるのがスカリーの目に入る。
自分たちの車はスピードが落ちていない。モルダーの注意はスカリーに向いたまま。
『モルダー！！あぶない！！！』
聞こえてくるのはモルダーの声。耳からなのか、頭の中に響いてくるのかはわからない。
『しっかりするんだ。 息をして。 負けるな。』
『がんばれ。 大丈夫、君ならやれる。』
『もう二度と君を置いていかないと誓うよ、スカリー。もちろん君はこんな言葉は信じないよな。それでも僕は約束する。せめてチャンスをくれないか？』//
そこで跳ね起きたスカちゃん。叫び出したい思いを唇を噛んで押さえこむ。
ああ〜〜〜〜事故だったのねーー(T T)
だから、動揺して運転するのは危ないって言ったのにーーーー！！！！
スカちゃんはひどい重症を負い、3週間前にギプスが外れたばかり。
体の方はほぼ回復したけれど、まだまだ立ち直れない様子。
あんなに約束したのに、あいつはまた私をひとり置いて行ってしまった・・・と、モルを恨み、怒りと孤独に夜毎涙に暮れるスカちゃん。(T T)
そしてそんな状態でも、スカママの心配もよそに職場復帰する強がりスカちゃん。
スキ様もスカちゃんの心境いかばかりかと心を痛め、オフィスで話をしようとします。
職場復帰は早すぎなんじゃないかね？と心配するスキさまに、モルダーの遺志は自分が継がなければ。今立ち止まったら二度と動けなくなる。そんなことになったら、何も残らない。失敗はあの事故で最後。二度と彼を失望させない。となんだか思いつめているスカちゃん。『モルダー』って名前を口にするのもやっとのくせに〜〜(T T)
スキさまはそんなスカちゃんに、君は一度もモルダーの期待を裏切ったことなどないよと慰めの言葉を掛けても、
「だったらどうして、私の隣の席が空いているのでしょう？」と自分を責めるのを止めないの。
「君の責任ではないよ。あれは避けられない事故だった。続けようとする君の意志は賞賛するが、自分を見失ってはいけない。モルダーにはなるな。それでは元も子もないぞ。」
スカちゃんにたち直ってほしくて厳しい言葉をかけるスキさま。あなたはやっぱり立派な上司だわ（涙）。
空っぽのオフィスを前に、入るのを躊躇うスカちゃん。
モルの椅子に座って、オフィスを見まわし、初めて会った日を思い出し、『I WANT TO BELIEVE』のポスターに目を留めて涙を流す。
「信じたくないの、モルダー。こんなこと・・・」
そのスカちゃんをオフィスに入ってきたときから見守っていたモル。
声も出さずに泣き続けるスカちゃんを慰めようと話しかけ、手を触れてみるけれどこの3ヶ月ずっとそうだったように空振りに終わる。
この辺が『ゴースト』ちっく〜。
「気付いて、スカリー。僕ならここだ。僕を見てくれ。ここにいるんだ。約束したろう？君をひとり置いては行かないって。」
滅多に涙をみせないスカちゃんが、こんなふうに泣き崩れているのを見るのは、モルには耐えられないのね。
「僕ならすぐ側にいるのに・・・」と自分も声を詰まらせて、挙げ句の果てには、気付いてくれないスカちゃんを恨めしく思うモル。
自分が見えないのは、スカちゃんが幽霊の存在も、二人の絆も、モル自身のことも信じていないせいだって。自分はこんなにがんばっているのに、スカちゃんがそれを拒否しているのがいけない。こんなの裏切り行為だ！ってかんじで。
「すぐ側に・・・」と最後に一言、自分の臆病さも呪いながら、ドアから消えて行くモル。
そのとき、スカちゃんはそのモルの声が聞こえた気がするんだけど、そこはやっぱり科学者だから（笑）。
幻聴はストレスのせい。なにしろこのオフィスはモルダーそのものだから、そんな気がしたって不思議じゃない。
オフィスに入ったときから、彼の存在をかんじたくらいなのだから。振りかえったらそこに立っていそうな気がするくらい。
スカちゃん、モルの存在は頭では認めていないけど、心ではちゃんと感じとっているようで。
でも、頑固だからね、モルはもういないんだっていう事実に縛られて、モルを見ることは叶わないの。
ここで話が3ヶ月前に遡って、何があったかしっかり判明します。
悪夢のとおり、事故が起こって、重傷を負い、意識朦朧の中、『モルダー！モルダーはどこ？』と心配するスカちゃん。
『しっかりするんだ。 息をして。 負けるな。』
『がんばれ。 大丈夫、君ならやれる。』
モルの声がして、『よかった、彼は無事なのね・・・私なら大丈夫。がんばれるわ。彼がそう言ってくれるんだもの。彼は約束してくれた。きっと守ってくれるはず。チャンスをあげよう。いつだってそうしてきたじゃない？私の最大の弱点はフォックス・モルダー。彼の前では、Noとは言えないただの女の子・・・彼を許すわ。いつものように。彼に言わなきゃ・・・』とそこで意識が途切れ、次にしっかり目覚めたときは病院のベッドの上。傍らには、手を握るスカママ。
「ママ？」
「ええ、ダナ、ママはここよ。あなたはひどい事故に遭ったの。」
「ケガの程度は？」
「手術は3時間にも及んだのよ。あばらが3本折れて、そのうち1つが肺に刺さったの。それから両脚骨折も。鎮痛剤が効いているから痛みはそんなに感じないと思うけど。」
「そうね・・・モルダーは？」
スカママの笑顔が凍り付いて目には涙が。
「今は休んで。あなたには休養が必要よ。」
「ママ？」
「後で話すわ。だから休みなさい。」
このときは麻酔が効いて、スカちゃん眠ってしまったんだけど、次に目覚めたときは医者も病室にいて、
「ママ・・・教えて。モルダーはどこにいるの？話したがらないってことは、よほどの重体なのね。」
スカママは祈るように手を組んで目を閉じてしまう。
代わりに医者が進み出て、「ミス・スカリー、あなたの搭乗していた車の運転手・・・ミスター・モルダーは・・・即死でした。18車輪のトラックに突っ込んだんです。これだけは誓って言えます・・・彼は苦しむことなく逝かれました。痛みを感じる間もなかったことでしょう。」
その言葉にメガトン級の衝撃をうけるスカちゃん。
もう、その気持ちが痛くて痛くてたまりません。
あんな言い合いが、最後の別れになるなんて・・・・ああ、神様、あんなケンカしなければ彼はちゃんと運転に集中できて・・・私が殺したも同然よ！とそこからスカちゃんの苦悩が始まります。
もう、生きる気力もなくして、半身を失ったスカちゃんは抜け殻状態。
飲まず食わずで、点滴だけで生かされている状況。
そんなんで体が回復するはずもなく、モルのお葬式にもでられなかったスカちゃん。
それすらも自業自得だと自分を責めつづけるスカちゃん。
モルダーのいない世界でどうやって生きたらいいの？と絶望するスカちゃんに、渇をいれたのはやっぱりスカママ。
「こんなままにはさせないわよ、ダナ。あなたが自ら死んでいくのを黙って見過ごすわけにはいかない。あなたは生きているのよ。きっとそれには何か理由があるはず。あなたは生き残った。彼が力尽きてしまったことはとてもやりきれないし、私もつらいわ。もちろんあなたの痛みには及びもしないだろうけど。でも、あなた前に彼のためなら死ねるって私に言ったことがあるわね。それは本心？」
スカちゃんの顎を持ち上げて、無理やり視線を合わせるスカママ。
「ええ、もちろんよ。」
「あなたそれが勇気ある立派な行為だとでも思っているの？誰かのために死ぬのは簡単よ。一瞬の覚悟ですべてが終わるんだから。ダナ、あなたは真に勇敢になりなさい。彼のために精一杯生きるの。彼ができなかったことを、あなたがするのよ。だから生きなくては。
もう春になるわ。春の花が咲き乱れる庭をあなたは歩く。そしてその美しさを愛でるの。それは彼には叶わないことだから。だからあなたが見てあげて。そうやってあなた達ふたりの人生を生きるのよ。
彼があなたの全てなら、なおさら自分を捨ててはいけないわ。彼が望んでいた全てを叶えてあげて。」
スカちゃんはスカママの言葉の正しさを認めつつ、嫌悪した。嫌悪しつつも、決意した。
モルの代わりに捜査を続け、サマンサの行方をつきとめると。
その日からスカちゃんは、食事をするようになり、リハビリにも通い、職場復帰するまでに、（身体的にだけ）なんとか回復したのです。
これが事故から現在にいたる真相。
お話は現在に戻って、庭先で（死んだ幽霊の）旦那さんジョージと一緒に、ガーデニングを楽しむアンジーおばあちゃんの元に、モルがやってきます。
「こんにちは、フォックス。あらあら、かわいそうに。やっぱりうまくいかなかったのね？」
「こんな状況早く抜け出さないと。彼女が泣いてるんだ・・・なのに僕は何もしてやれない。」
「彼女の方に見る気がないうちは無理ってもんだ。おまえは死んでいるんだからな。それを肝に銘じて生きなきゃならん。」
とモルの肩を叩く元祖石頭ジョージおじいちゃん。
「ジョージ！ふざけないで。ネコでもからかいにいったら？中に入りましょう、フォックス。お茶を煎れてあげるから・・・あなたは飲むのを想像して楽しんで。」
とモルの腕をつかんで（！）アパートの中に入るおばあちゃん。
「あなたにはどうして僕が見えるんだろう？ 何かコツでも？」
「流れに逆らう頑固者の姿を見る能力が生まれつき備わってるのね。それに、娘ならこう言いたいところでしょうけど・・・気が触れているからよ。ご存知のとおりアルツハイマーなの。過去に生き、夫の死を受け入れない。根っからの幸せバカなのね。おもしろい組合せでしょう？」
「僕は幽霊になるのは初めてなもんでね。まずは否定しようとしたんだ。つまり、スカリーがひどいケガを負っているのが目に入ったから、必死で助けようとした。そうしたら、自分の体が目に映った。死体は見慣れているはずなのに、さすがに自分がめちゃめちゃの車体の中でくたばっているのには・・・」と身震いするモル。「とっさに僕は否定した。それからスカリーの側にずっと付いていたんだ。救急車が到着して、僕はスカリーに、EMTに話しかけたよ、・・・でも僕の声は誰にも届かない。それで、救急隊員の腕をつかもうとしたら、手がすり抜けてしまった・・・あのときほど恐怖を感じたことはなかったね。事情を飲み込むまでに少し時間がかかったよ。でも自分の現状を把握したら、いろいろと探求せずにはいられなくなって、――死後の世界ってやつをね。で、思ったよ。これこそが余生ってやつなのかなって。」
「とても稀なことよ。死者の９５％はすぐに昇天してしまうの。残りの５％だけがこの世に留まる――生死を越えた強い絆を持つ者や、神の情けを受けた者。あるいは、自分の死をどうしても認められない頑固者がね。」
「僕はどの理由で？」
「その全部じゃないの」
「まるで地獄に落とされた気分だ。もう何ヶ月も、彼女に手を伸ばしているのに、彼女には・・・僕が見えないのか・・・それとも見ようとしないだけなのか・・・。彼女には素質があるから、心を解放すれば見えるようになるって言ったね」
「ええ、そしてまだその段階ではないのね。そこで作戦変更よ。目に頼るのはおやめなさいな。」
おばあちゃんは紅茶に入れようとすくった砂糖をトーストにかけちゃうし（笑）。で、一口かじって首傾げちゃうし（かわいい♪）やっぱりアルツハイマーとかぼけとかじゃなく、単なる天然さんなんじゃないかしら？このおばあちゃん。いい味出してるわ〜。
「じゃあ、どうしろと？彼女には声だって聞こえないのに。」
「この世でなにより一番強く訴えるのは、感情よ。長いこと自分の気持ちを抑えてきたあなたには難しいことかもしれないけれど。
でもね、この世に物理的影響をもたらすためには、強く感情を発散させなければ。」
「今朝僕は強い感情を抱いたよ、アンジー。それでも効果なかった。何も起こらなかったんだ。僕は一体どうすれば？」
「なにも。あとは彼女次第ね。」
そう言ってカップの紅茶じゃなくって、クリーマーからミルクを飲むアンジーおばあちゃん。（笑）
モルのアドバイザー、ほんとにおもしろい！『ゴースト』のオダ・メイに匹敵する役どころだわ〜♪
仕事から帰ったスカちゃんは、怖れていた通りモルなしで仕事をする大変さに早速打ちのめされています。
いつも事件を見つけてくるのはモルの仕事でしたからね。スカちゃんは改めてその才能に感じいっていることでしょう。
それらしい事件のファイルをいくつかピックアップして、モルダーならなんて言うかしら・・・と想像してみるけれど、それは何か間違っているように感じる。そりゃそうよ〜〜(T T)スカちゃんとモルはふたりで初めて完全に機能するんだからーー！！そりゃピンでもかなりいけてるけれど、一対としてはさらに完璧なんだもの（涙）。お互いですらお互いの代わりにはなれないのよーー！！
スカちゃんは毎朝ベッドから起き出すだけでも、相当の力を振り絞っているのね。
体は回復しても、心の痛みが大きすぎて、いまにも押しつぶされそうなの。
終始倦怠感がつきまとい、いらいらする。呼吸するたび、動くたび、心臓が鼓動していることにさえ痛みを感じる。
自分でも、専門家にかかったほうがいいとわかっていたし、いっそ自ら抗鬱剤を処方しようかとも考えたけど、結局根本的な解決にはならない。
スカちゃんには後悔ばかりが残される。やるべきことがまだまだあったのに、言いたいことが山ほどあるのに・・・。
自分の気持ちを伝えないまま。言葉にしなくても、きっと彼はわかっていたはず。
でも本当にそう？彼は自分の気持ちをわかっていた？
最後があんな会話で？
とスカちゃんはほんとに苦しんでいるのね。
何よりスカちゃんを苦しめるのは、終始近くに感じるモルの気配。
匂いまで感じるのに、スカちゃんはすべて記憶のいたずらと思いこんで認めようとしないの。
やりきれない思いでスカちゃんは涙を一筋流します。
それを向い側の椅子に座って見つめていたモル。
スカちゃんの涙に心を痛めながら、自分の存在を伝えたい、抱きしめてその痛みを取り除いてあげたい、そして愛していると伝えたいと心の底から願うのね。
生きている間は、時間はいくらでもある、彼女もきっと自分の気持ちをわかってくれていると甘えてていたことを後悔して。
スカちゃんの頬を伝い落ちる涙を、何も考えずに、感情の赴くまま指で拭い去ろうとすると・・・・
スカちゃんの体がびくっと反応。
そう、やっとモルはスカちゃんに触れることができたのですね！
でも、相手はスカちゃんですから、ただ触れただけでは、モルの幽霊が側にいるなんて信じる信じないの前に思わないでしょ？スカちゃんは最初、虫が入ってきたんだと納得します。
スカちゃんに物理的に接触できたモルは踊り出したい気持ちで、今までの失敗と、今回の成功の違いを考えます。そして気付くの。スカちゃんへの素直な愛が届いたんだって。
今度は腕に手を伸ばすモル。
スカちゃんはその感じに、虫じゃない！誰かの手が触ったみたい！でも誰もいないのに！と半ばパニック。
疲れているのよ、加えて重度の心労・・・脳が錯覚を起こしているだけ。
寝なくちゃ、そう寝るのよ。睡眠が必要なんだわ・・・と寝室へ向うスカちゃん。
怯えた様子のスカちゃんに、言葉なしでどうすればわかってもらえる？とモルは必死で考えます。
で、ひらめいたのがこれ。
廊下を突き進むスカちゃんの細い背中に、モルの優しい手の感触。
その手の置き方、柔らかい圧力。いつものモルの愛情表現。
それを忘れるスカちゃんではありません。
スカちゃんは一瞬固まって、ありえないとは思いながらも
「モルダー？」と名前を呼んで、振りかえるとそこには――――
なんの特殊効果もなしに、普通に、あたりまえのように、モルの姿がそこに！
「やっとだ」
悦びに弾むようなモルの声がスカちゃんの耳に届くと、スカちゃんは声もなくその場にバタン。（クリスマスイブの過ごし方みたいに♪）
目を覚ますと、ベッドの上で、ああ、夢だったのね・・・と思ったそばから
「気分はよくなった？」
とモルの声。スカちゃんは跳ね起きてベッドのヘッドボードまで慌てて引き下がります。
「やだどうしよう。頭がイカレタのね。ついに精神に異常が・・・」
「違うよ。実際、物事が鮮明に見えてきただけだ。」
口の片端あげて、ベッドに座るモル。
モルはグレイのアルマーニに、ペイズリー柄のタイをしめて、体が微かに青く光るのを無視すれば、生きているときとまったく同じ。
「こんなの嘘よ。あなたは死んだんだから。そう、死んだのよ。」
「最近は死も自由化が進んでね。僕が見たことを、君にもいろいろ教えてあげるよ。とりあえず後で。
これは現実なんだ、スカリー。約束したろう？二度と君をひとり置いてはいかないって。信じてなかったんだな。」
震える手でモルの体に触れるスカちゃん。
「あなた・・・実在してるのね・・・体がある。ちゃんと触われる。」
「僕の存在を知って、少なくとも君の中の何かがそれを受け入れたからだよ。今僕と話しているのが良い証拠だ。この３ヶ月、気付いてもらおうと必死だった。」
「こんなのイカレてる・・・。私も迂闊よね。死後の世界から戻ってきて、私に『だから言っただろ』という人がいるとしたら、それはあなただって、わかってしかるべきだったわ」
「正確を期すとそれは違うな。僕は戻ってきたわけじゃない。ずっとここにいたんだ・・・もちろん固体の身体ではなかったけれど。アンジーが考えるには、やり残した使命や、生きる者との強い絆、神の恩恵や個人の頑固さ、そういうのがいろいろ組み合わさって起こるらしい。」
「あな・・あなた幽霊なの？」
モルは肉体を持っているのと一緒で、スカちゃんはモルに違和感なく触れられるし、体温さえ感じるのね。
「バア」
とスカちゃんに顔近づけておばけのまね（？）するモル。
「でも、幽霊なんて実在しないのよ」
「じゃあ、君は頭の中で作り出した幻と話していることになるな。深刻な精神異常だぞ。
でも僕が見えるのは君一人じゃないんだな。」
「私だけじゃないの？それなら、私が狂気の世界に迷い込んだんじゃないって安心材料になるわ。」
「アンジー・ヘイゲンバウムがここ３ヶ月間の僕の話し相手さ。彼女のおかげで正気を保っていられた。」
「アンジーですって？お隣のあのアンジー？最高よ。ヘイゲンバウムさんは去年の冬下着姿で外を徘徊したのよ？彼女はアルツハイマーなの。死んだご主人とお話しするおばあさんじゃない。」
「そのとおり。僕はジョージにも会ったよ。いい奴だけど、笑いのセンスが悪趣味だ。アンジーに話している娘の背後に立って、ヘンな顔して笑わせるんだぜ？」
「私の正常は、テーブルクロスを頭にかぶって教会へ行こうとするおばあさんに懸かっているというわけ？それじゃちっとも安心できないじゃない。」
「まったく頑固だな。僕は一生君の側にいる。君だって、僕を実際見たからにはもう無視するなんてできないぞ。いや、無視はできるな・・・それでも僕の姿はいやでも君の目に入る。」
「つまり、私に取り憑こうっていうの？ どうして？」
「取り憑くなんて、そんな言い方するなよ。別に夜通し壁をどんどん叩こうとか、シンクを血だらけにしてやろうなんて思ってないんだから。」
死んでも、スカちゃんへ気持ちを打ち明けるのは難しいモル。
「ただ、君の側を離れるつもりはない。君が望んだように、ひとり置き去りにはしないよ。悪魔払いを呼んでも無駄だ。」
「なぜ？ 私を罰しているの？」
「僕が苦痛なのか？」
平手打ちでもくらったかのような顔のモル。いえ、気持ちはわかりますけどね・・・。（苦笑）
「ちがうの、そうよ、わからない。簡単には対処できないのよ。」
スカちゃんは自分が正常なのか自信が持てず、頭を抱え込んじゃいます。
「僕の立場から考えてみろよ。君の置かれている状況が嘘みたいにずっと楽に思えるはずだ。」
「モルダー・・・ごめんなさい。この３ヶ月、毎日、あのばかげたケンカを後悔しない瞬間はなかったわ。残されたのが私じゃなければどんなによかったか・・・あなたを死なせたのは私よ、モルダー。あんな言い合いしなければ・・・私があんな最後通告みたいなこと口にしなければ・・・」
「君に責任はない。僕のせいだ。ハンドルを握っていたのは僕なんだから。道路に注意を払っていなかったのも僕だ。君のケガこそ僕の責任だ。君が苦しんでいるのも僕のせいだ。死んでじっくり考えたよ、スカリー。考える時間なら死ぬほどあるからね。君の言い分は正しいよ。僕は自分勝手で君に甘えてばかりだった。でも、僕が今君の側にいる理由はそんなことじゃない。」
スカちゃんの顎に指を添えて顔を向かせるモル。
「確かに僕はばかだったよ。ずっと時間はあると思っていたんだ。恐れもした。君は命より大切な人、僕が死んでも君だけは・・・君を傷つけたくなくて、それだけを願って、いつも君を置いて行った。それが君を傷つけているとも知らないで。謝らなきゃいけないのは僕のほうだよ、ダナ。僕は・・・・僕は君を愛してる。長い間、今でもずっと愛しているんだ。」
モルの（死んでからの）告白に、パニックが加速して、怒り任せにゴーストモルを突き飛ばす（！）スカちゃん。モルも幽霊のくせに床に落とされているし・・・（笑）。これは実体に近い姿を保っているときの欠点だそうです（笑）。
「ひどいわ！よくそんなことが言えるわね？いきなり私の前に現れて、幽霊はいるんだぞって証明して、おまけに私を愛してるですって？３ヶ月遅いのよ！なぜ今更言うの？私たちにはもう未来がないのに・・・死んでなお、あなたは私を苦しめるのね。」
「なぜかって？手遅れなんかじゃないからだ。僕も一度はそう思ったけど、でも違う。今までの後悔全てを取り戻すときがきたんだよ。 僕は君に告げずに後悔した。時を戻して変えることはできないけれど、今からやり直すことはできる。」
「どうやってやり直すっていうのよ、モルダー。あなた死んでるのよ？アルマーニ着たキャスパーじゃない。あなたの人生は３ヶ月前に終わってしまったんだから。」
夢を見ているのか、それとも頭がおかしくなったのか、いまだに懐疑的なスカちゃんの手首を掴んで、ベッドから引きずり下ろすモル。
「感じるか？」
「ええ。」
涙を浮かべるスカちゃんに、今度は片手で頬を包んで、指を脈打つ喉元に滑らせる。
「これは感じる？」
「ええ。」
声をあげて泣き出しそうになるのを唇を噛んで堪えるスカちゃん。
それからついに、モルはスカちゃんを抱きしめて、唇を奪っちゃうのね〜♪
死んだら大胆になれるもんだな・・・って思いながら（笑）。
生きてるうちにがんばっておけばねー・・・（涙）もっと（普通に）幸せになれたのよー。
なんにせよ、このキスシーンは美しいのです。原文でどうぞ♪
If either of them noticed his aura flare neither commented on it. He felt
good and warm and solid and real. His lips were soft, yet demanding as he
slanted his mouth over hers. His tongue tracing the outline of her lips,
asking for entrance. She gave in. He tasted of coffee and sunflower seeds
and himself. Wonderful. Real. He stole away her mind as he infused her body
with desire. She'd wanted him for almost four years. She'd wanted to kiss him, to hold him. She'd fantasized about him. Yet she never gave in. Too many consequences.
Now... now there were none. No consequences. Only herself, and him, and four years of yearning topped by three months of grief and regret exploded through her. If this was a dream the alarm clock better not go off..
夢なら覚めないで・・・と願うスカちゃんの唇をようやく解放したモル。
「今のは感じたか？」
「もちろん・・・」
とやっとの思いでお返事するスカちゃんに、またも唇を近づけて、ほとんど口の中に囁きかけるモル。
「なら、どこに僕らの未来がないとでも？確かに型破りだけど・・・・僕らが型どおりなんてときがあったか？」
スカちゃんは再び唇を塞がれながら、もう反論するのをやめます。
２回目のキスシーンは、濃いですわ〜(*^0^*)英語が苦手なあなたも想像力を働かせて読んでみましょう♪
He was tasting her lips with his. Sampling the forbidden fruit and finding
it unbearably sweet.
Dana trembled as he deepened the kiss, his tip of his tongue lightly tracing
the edges of her mouth. She moaned, wanting more. Needing more. If this was insanity she'd happily live surrounded by padded walls. Please pass the
straight jacket. He softly suckled on her bottom lip.
Finally she felt him move the kiss up in intensity. He molded her mouth to
his, plunging his tongue deep within. Their tongues battled for dominance,
sliding, twisting, entwining. Mulder won when she felt his hands trace the
outline of her breasts. She moaned into his mouth.
Without breaking the kiss he pulled her camisole from her pants and began to slide it up her body. He had to break the kiss to slip it over her head.
という理由で、一旦唇を離したときに、スカちゃんふと考えます。
「モルダー、・・・」
「ごまかしはなしだ、スカリー。言い逃れはさせない。YESかNOだ。それだけ答えて。僕が欲しい？」
「そんな簡単じゃ・・・だって・・・」
「YESかNOだ。たった一言。YESかNOと・・・」
と尋ねておきながら、モルは卑怯な手に出ます。
頭がだめなら体に訴えよう（笑）と。
モルの手に翻弄されながら、スカちゃんは結局流されるのね。
夢なら何の害も無いし、例え現実だとしても、拒む理由もなければ、何かを犠牲にするわけでもない。
スカちゃんは自分の人生がXFになってしまったと、半ば観念して、ゴーストモルに身を委ねることに。
幽霊とわかっちゃいるけど、あまりのモルのリアルさに感動さえ覚えるスカちゃん。
抱かれながら、夢じゃないことを実感していきます。
なんかねー、常識を超えたところにあるふたりの愛がものすごく感じられて、きれいな「あ」なんですよねー。
（でも紹介文が１８禁はどうだろう・・・と思ったので、本文は載せないでおきますね〜。）
モルに包まれながら横たわり、だんだん落ち着いていく自分の鼓動に耳を傾けて、呟く一言が実にスカちゃん！
「これって、死姦なのかしら？」
スカちゃんの事故の傷跡を指でなぞりながら、耳に舌を這わせてじらすように囁くモル。
「それは違うな。僕は幽霊であって死体じゃない。より精神的な邂逅の一環だよ。僕は君だけのために存在する、無害な淫魔さ。」
「終わりになんてしたくない・・・目を覚ますのが怖いの」
モルの指をきゅっと捕まえるスカちゃん。
「これは夢じゃないし、僕はどこへも行かないよ。」
モルのいうとおり、型破りな結ばれ方ですけど、一応ハッピーエンドでしょう？（・・・だめかしら？私はパロディとしてOKだったんですけどおT T）
次の日朝、少しひとりで考えたいというスカちゃんを部屋に残して、アンジーおばあちゃんに報告に行くモル。
そこでアンジーおばあちゃんが倒れているのを発見します。
「しっかりするんだ、アンジー。すぐにダナを呼んでくるから、がんばれ」
「いいの。やっとだわ・・・長かった・・・。あなたの思いは彼女に通じたのね」
「ああ、彼女は順応能力抜群なんだ。すべてうまく行くよ。」
死にゆくアンジーおばあちゃんを腕に、涙を流すモル。
にっこりと微笑みかけるアンジーの元に、ジョージおじいちゃんがお迎えに。
それも７5歳の姿ではなく、たぶん一番の最盛期の姿で。
「アンジー、愛しい人。さあいこう。もう混乱しなくていいんだ。」
モルは一歩さがって、若くて美しい姿のアンジーの魂がジョージの手を取るのを見つめます。
「これでいいの、フォックス。彼は長いこと私をずっと待っていてくれた。あなたもこれからダナを待ちつづけることになるわ・・・でもその価値はあるのよ。」
ジョージが妻を抱きしめ、モルにウィンクすると、まばゆい光に包まれてふたりは昇天したのでした。
足取りも軽く地下オフィスに入ってきたスカちゃん。
モルの椅子がくるっとドアの方を向いて、スカちゃんが捜査しようとしていたファイルを振って見せます。
「フロリダ、太陽の輝くビーチ、ビキニ姿の君。 いつ発つ？」
デニムジーンズに黒のタートルネック姿のモルに眉根を寄せるスカちゃん。
「別にいいだろ？もうスーツは着る必要ないんだ。君にしか見えないんだから。」
嫌、ぜひスーツは着てください！（モルの服は自由自在なのね。お着替えも一瞬よ♪幽霊だから。）
「出発は明日よ。それから、あなた私がビキニを着ると思うなんて頭がおかしいんじゃない？」
笑いながらファイルをモルから奪い取るスカちゃん。
もし、このオフィスが監視されていたら、度肝を抜かれることでしょう。
物が浮かび、勝手に椅子が回転する。でもモルがこういう風に物理的にこの世と接触できるのは、スカちゃん（モルが見える人）の前だけらしいのね。
「言ったっけ？ペンタゴンの地下金庫の中に遊びに行ってきたら、僕らの前から消えてなくなった証拠が山ほど眠ってたんだ。肺ガン男を家まで尾行して、やつがコンピュータにパスワード打ち込むのも見学させてもらった。半分は網羅したはずだ。死んだら死んだで特典があるもんだな。影の組織を地獄に落とすのもすぐだ。」
にやりと笑うモルに思わず笑い声をあげるスカちゃん。スカちゃんはこれで幸せなのかもしれません。
モルと未来永劫離れ離れになることはないだろうから。
ふたりの愛は永遠だから。
死さえ超越するモルスカの愛でハッピーエンドという、特殊なお話でございます。
☆ JNKの言い訳 ☆いつもなら決して手を出さないCharacter death（モルかスカちゃんどっちかが死んじゃうお話）なんですが、これはファンタジーの要素が強いラブストーリーなので、敢えて紹介しちゃいます！！（第三者ものに続き強気な姿勢のＪＮＫ。だって番外編ですもの〜♪←こればっかり・・・苦笑）
なんかね、このモル幽霊？疑惑が生じた瞬間、読むのやめちゃおうか・・・とちらっと思ったのに、とまらなかったんですよね。モルとスカちゃんが死に別れるっていうのは、生き別れるのと同じくらい、ぜったいぜったい嫌なんですけど、でも、これは本当にパロディとしてありかな？って。ふたりいつまでも一緒が基本なので、そこをはずしていないからかも？
ちなみに、このお話は続編があって、ゴーストモルとスカちゃんのXF事件簿になっているようです。赤川次郎の小説のようですね。（私はたぶん読まないかな〜？←紹介しておいてこの言いようって・・・）
気になった方がいらっしゃれば。こちらまで
☆ HISAYOの感想 ☆
ＪＮＫさん！詳細なご紹介ありがとうございました。
まるで本当にこのＦＩＣを読ませていただいた様な気持ちにさせて頂きました(^^)それにしても・・・(T∇T) ウウウ モルが死んじゃうなんてぇ〜(TOT)とはじめは悲しかった私です。
それでもってモル死んじゃってから自分を責めるスカちゃんもとってもとっても痛々しい。
でもね、まず私は冒頭のモルスカの喧嘩のスカちゃんの言葉に大きく納得させられました。
なんかねぇ。モルスカ大好きな私なんですけどモルがスカちゃんの心配をよそに突っ走ってしまうとそれをみて頭にくることがあるんですね。スカちゃんを置いていくのは誰よりも信用しているから、スカちゃんを巻き込みたくないから。スカちゃんを誰よりも大切に思っているから。そういうモルだから置いていくってわかっているのに、なんかもやもやが自分の中にあってねぇ。
それを今回、このスカちゃんの言葉でなんかその理由がわかったような気がしました。
いつも置いてきぼりされちゃうスカちゃん。そんなモルはスカリーを誰よりも自分よりも信用している人物だと訴える。でもそれをスカちゃんは甘えを信頼と勘違いしているってきっぱり。私はその言葉ではっとしました。まさにその通りだと思っちゃいました。それは確かにモルはスカちゃんを信頼していて、誰よりも心のよりどころとしているでしょう。でも男性特有の甘えをスカちゃんに見せてしまうところもあるわけで・・・。母性本能に溢れた許容範囲の広い女性だったら、それこそ、それもまとめて受け止められるのかもしれませんけど、スカちゃんはモルより４歳も年下の若い女性です。いくらスカちゃんでも限界を感じる瞬間はある。いつも寄り添い助け合っている二人ですけど、こういう風にもめちゃう時間もあるんだろうなぁって思いました。本編ではそう言うところを余り見ることが出来ないからスカちゃんの気持ちを考えて胸が苦しくなっちゃったりする時もあったんですけど、こんな風にスカちゃんがちゃんとその気持ちを口に出してモルに言っている時があるのだったら・・と思うと私もなんかモルに対して許容範囲が広がりそうです。（ん？なんか変か(^^;;;）
でもって本編に戻り・・・幽霊となってしまったモルダー。スカちゃんのそばにずっといるのにスカちゃんは当然幽霊のモルが見えるわけはない。そんなスカちゃんに僕はここにいるのに・・って悲しく見守っているうちに、頭にきはじめちゃうモル(^^; でもなんかその気持ちもわかりますよね〜。僕はこんなにがんばっているのにスカリーが全然〜ってね（苦笑）裏切り行為だまで思うモルの気持ち、わからないでもないですわ〜。自分の信じるものに向かって突っ走っているのもモルだけど、そういうものを信じず科学的に何でも考えるのもスカちゃんだからね。まぁなんかしょうがないことなんだけど、読んでいるこちらはいつ気が付くのぉーーって自分が地下室に行ってスカちゃんにモルなら、ここっ！ここにモルいるってばっっ！ってスカちゃんに教えて来たくなっちゃいますよね（笑）
でもモルの愛の大きさと深さでとうとうモルを感じることが出来たスカちゃん。そのくだりは感動ものですよねぇ。廊下を歩くスカちゃん、その背中に触れるモル。そのモルの手のぬくもり、二人の身長差からくるモルの置かれる手の角度がきっとスカちゃんに確信を持たせたんだと思います(T.T)
そしてそのまま気絶しちゃうスカちゃんもスカちゃんらしいですけど(^^;
それを看病している幽霊モルりん。ベッドまで運んだのもモルなんでしょうね〜。ということはそのときにスカちゃんはお姫様だっこで浮いていたっていうこと？？なんかそれを想像しちゃうと楽しくなって来ちゃっているんですけどね(^^ゞ（すでに幽霊モルりんＯＫになってきている私）
意識を取り戻したスカちゃん。やっと表れたモルに対して取り憑くって・・・さすが科学者ですわね(^^; もうちょっとロマンチックな発想をお願いしますって思っちゃいました(;´▽｀A``
そしてここからの二人の会話は切ないような悲しいような・・という気持ちがいっぱいになりますよね。せっかくモルがここまでがんばって愛を打ち明けたものの、確かにスカちゃんの言うとおりモルはもう３ヶ月前に幽霊になってしまっているんですもの。
モル、もっと早く言おうよぉ〜と思ってしまったのは私だけでしょうか？
でもとっても素敵なキスだったからいいかな〜(*^O^*)英語のわからない私ですけども、なんかうっとりくるような内容なのかもぉ〜ヽ(〃ｖ〃)ノ パァァァァ〜〜♪ってなんとなくの雰囲気でわかりました。
そして最後まで結ばれた二人。ここもきれいな「あ」なんですかぁ。きれいな「あ」ってなかなか難しいと思いますし、スカちゃんが身を任せていく様っていうのも想像しただけでね(*¨) ポッ・・・
やっと結ばれた二人。そのときモルが幽霊だって言うのはやっぱりちょっと寂しいけれど、なにせＸＦですし、お墓から掘り起こされて元気になったモルな位ですから！
今後、奇跡が起きないとも限りませんわ♪
そんなこんなを考えながら、最後の地下室の二人によかったねって言える可愛いお話だったかなって思いました！脇役の方たちも良い味出しておりますよね〜。ＪＮＫさん、ご紹介ありがとうございました〜(^^) 第３弾もワクワクでお待ちしておりますね！
