☆ 内容を簡単にご紹介 ☆
Jaime LynさんのSearching for Ever Afterという、スカちゃんのお誕生日ficです。
会話とモノローグが中心なので説明するより本当は訳しちゃった方が分かりやすいんだと思うんですけどねぇ・・・。
最初は、昔話みたいに始まるんです。
むかしむかしあるところに・・・って、完璧な素晴らしい世界で、完璧な王子様と完璧なお姫さまがいて、幸せに暮らしています、みたいな。
次に場面が変わって、能天気なラジオのＤＪに起こされるスカちゃんのシーンなんです。
でも、なんだか落ち込んでます。で、うるさいって感じでラジオを止めちゃいます。
それから枕の下に頭を埋めてしまいました。
そう、今日はスカちゃんの誕生日なんですけど、スカちゃんの心は重苦しいままです。
誰にもおめでとうなんて言ってほしくないんだそうです。
スカママからのおめでとうの電話にもでません。ビルからのにも出ないで留守電のままにしちゃってます。
その後、ショッピングモールに出かけるスカちゃん。周りの楽しそうな人達をぼんやり眺めています。どうしてあんな風に笑えるんだろうって。自分はもうどんな風にすれば笑えるかなんて忘れてしまったって。微笑みあっているお母さんと子どもをみたりすると余計です。どうして私はこんなにbitterになってしまたのだろうって考えちゃったりしてます。
私は誰かの妻になることなんてないし、母親には絶対になることはできない。
急に気持ちがどうしようもなくなってトイレに駆け込んじゃうんですけどねー。
誰もいないショッピングモールの汚いトイレが自分にとっては一番心安らげる場所だって言って、でも、泣かないんですー。（泣）
Special agent Dana Scully doesn't cry.って何度も自分に言い聞かせて、全部自分の心の中に押し込めてトイレから出てきます。
モール中を歩き回っているスカちゃん、カップルが１つのストロベリーソーダを二本のストローで分け合っているのを眺めます。
あんな風にしたらどんな気持ちがするんだろうって考えます。
もし、モルが２本のストローを片手に、もう片方の手にカップを持って、あの子犬顔で来たら、自分は眉毛は上げてみせるかもしれないけれど断れないだろうなぁと思ったりします。でも、私とモルダーはそんな関係ではないからそんなことはありえないって思います。
でね、ストッキングだけ買うんです。レジでぼんやり並んでいるとセルがなります。
モルダーでした。モルダーって訊くと相変わらずふざけて「いや、彼の双子の片割れだ」とかって言うんですけどね。
実は前の晩、仕事が終わって帰るときにＦＢＩの駐車場でモルにスカちゃんはキスされてたんです。初めて。
でもね、驚きから我に返ったスカちゃんはそのまま何も言わずモルを振り切って逃げかえってきちゃってたんです。その別れ際、"happy birthday, Scully," って言ってくれたような気がしたけどスカちゃんには確信が持てません。
モルはスカちゃんの誕生日のことを忘れているんだろうってスカちゃんは信じこんでいるんです。
で、電話の向こうのモルにどうしたのって聞きます。仕事の話だったら良いのに、そうすれば全部忘れてモルのところに駆けつけて仕事をするのにって思ってます。
でも、モルの答えは別に用はないってことでした。
じゃあ、どうしてかけてきたのよっていうスカちゃんにモルは「ある女性がいるんだ。悲しそうなんだ。すごく悲しげなんだ。彼女はただそこに立っているだけなんだ。その小さな黒いセルを耳に挟んでストッキングを手に持って。今にも崩れ落ちてしまいそうに見える。」って話出します。
スカちゃんはあたりを見回しますがモルがどこにいるかわかりません。
モルは続けます。
「彼女は実際・・・美しいんだよ、スカリー。ここからでもよく分かる。ほんとうに美しいんだ。」
「でも、彼女は笑わないんだよ、スカリー。これを考えると堪らないんだ。彼女は疲れ果てて、消耗しているように見えるんだ。だから彼女は笑い方を忘れてしまったように思うんだ。彼女が笑うと本当に素敵なのに・・・」
どうしてそんなことが分かるの？って訊くスカちゃんにモルは答えます。
「見れば分かるんだ。目を見れば。」
スカちゃんは話している間中、モルを探しまわります。
内側から壊れていくスカちゃんを黙って見ているわけにはいかないってモルが言うんです。
スカちゃんはモルが言うことを認めたくありません。でも、真実だって心の底では分かっています。
この電話の会話が良いんですぅ。モルはスカちゃんの壁を崩していくんです。
きみは自分がどういう人間なのか分からなくなっているって。僕はきみのことをたくさん知っているよって言って、チョコレートとM&Mが好きで、キャンベルのチキンスープが好きなこと、リブロースが大好物なこと、夜眠る時のお気に入りはシルクの青いパジャマなこと、誰も見ていないと思っている時は柔らかな表情でいること、子どもがすきなこと・・・
でね、その瞬間にスカちゃんの心はモルの言った「子ども」っていう言葉だけになっちゃうんです（泣）
自分がそういうことを望めないって思い出します。で、周りにいる親子連れを自分とモルダーに置き換えて見ちゃったりします。
それで、自分の心に気がつきます。そういうことを望んでいる自分を。でもそれは手に入らない。
で、また、自分に言い聞かせちゃいます。私は誰の前でも崩れないって。
いつか泣ける強さを取り戻したら泣くんだって。
モルは話し続けます。
スカちゃんが寒い時に僕のものだった青いフランネルのシャツを着るのも知っていること、でも、どうしてそれをスカちゃんが持っているのか分からないなんて言うんですけどね。
スカちゃんは前に出張の時に取っちゃたらしいです。
で、ほかにも、スカちゃんがベッドの下によれよれのテディベアを隠しもっているってことも言います。スカちゃんの５歳の時からのお気に入りのスージーベアだそうで。
そういう話をしているうちにスカちゃんはどうしてもモルを見つけなければって思うんです。
ついに、出口のところに立っているモルをみつけますが、そう簡単にはめでたしめでたしにはなりません。
助けたいっていうモルを拒否するスカちゃん。でもね、拒否して逃げ出そうとするスカちゃんをモルは絶対に離しません。
しつこいです。
周りの人に注目されちゃっても全然気にしません。
泣いても良いんだよって、きみを助けさせてくれって。
そんなモルにスカちゃんがあなたに私を助けることなんてできるはずがないって言うんですけど、モルはね、そうじゃないって信じてくれって言うんです。だって、モルがスカちゃんに助けられてきたのだからって説明します。
スカちゃんに出会う前のモルの世界は真っ暗で何もなかった。でも、スカちゃんと出会ってからは何故かは分からないけれど、すべて変わったって言います。
でね、とうとう、スカちゃんが言うんです。
"Help me...Mulder..."って泣きながら。
そうするとモルは、きっときみの微笑みを見つけてみせるって、チュッとキスをします。
スカちゃんの顔に触れながらここにきっとあるよって囁きます。
そうするとぉ、スカちゃんも気がつきます。自分が微笑んでいることに。
で、そしたらモルは急に恥ずかしそうになって、スカちゃんにプレゼントを差し出すんですけどねー、これが良いんです！！
本当は誕生日ケーキを買ってあげたかったんだけど売り切れでこれしか買えなかったって良いながら差し出したのは、大きなカップに入っているピンクの飲み物でした。
そうですーーー。ストロベリーシェイクですぅぅぅ。
スカちゃん、嬉しくてねー、ほんとに嬉しくてねーーー。指輪もいらない、夕日の中のデートもいらない、可愛いフェンスのある家もいらないって気がつくんです。
これしかできなかったんだってモルが言うんですけどね、そのカップの横に黒のマジックで "Happy Birthday Scully."って書いてあるんです〜〜〜〜〜。
もうね、スカちゃん、またモルにキスしたくてたまらなくなるんですけどぉ、ある事実に気付いてちょっと困っちゃいます。
ストローがないんです。
でね、でね、モルにストローがないわって言うと、モルは下唇を噛みながらポケットから長いストローを２本取り出しておずおずとスカちゃんに渡して、恥ずかしそうに言います。
「いっしょに飲んでいいかな。」って！！！！
わたしはスカちゃんの代わりに何度も心の中で叫んでしまいました。
「いいともー！！いいともー！！いいともー！！」
・・・実際のスカちゃんは、そんな世俗的な反応は示しませんでしたけど。
でー、次の章はまた最初にでてきた能天気なラジオのＤＪで起こされるスカちゃんなんです。
１年後ってことです。バンってラジオを消すまでは去年と同じなんですけど、
去年と違って、隣にはモルがちゃーんと眠ってますぅぅぅ。
その後、二人でベッドの上で毛布争奪戦を繰り広げるんですけどぉ、そのいちゃいちゃ振りにさすがに私の歯もどうにかなりそうでした。
最後は、また昔話風に終わります。
今度は最初のと少しずつ違っています。
完璧ってわけでもない王子さまが完璧ってわけでもないお姫さまとnormalとういうことでもない世界で幸せに暮らしました、ってことで終わるんです。
☆ HISAYOの感想 ☆
(T∇T) ウウウ なんていいお話なんでしょう〜〜〜〜〜〜〜！
もう私の心はショッピングモールに飛んでしまいましたーーーーー(TOT)
スカちゃんが寂しそうにストッキングだけもってレジに並んでいるその姿あたりから、もう目の前に浮かんでくるようでした。
なんかねぇ〜。良い年齢になってきて独身で・・・そして一人で迎えるお誕生日当日。どうしてハッピーな気持ちだけで迎えることが出来ましょうかって感じは分かる気がします。
スカちゃんみたいにきれいで男性と同レベルの仕事について、一人で稟と生きていくことができる女性でも、こうしてブルーな誕生日当日を迎えることは絶対にあると思うのです〜。
そして家族連れや恋人同士と甘い時間を過ごしている人たちをみれば、その色に押しつぶされそうになってその場から逃げ出したいって想っちゃう気持ちも分かります。
それにこのころは、スカちゃんは子供の産めない体だって思っているのですものねーーー(T-T)
辛さは増すばかりなのに、決して泣かないスカちゃんを観ていると私の方が泣けて来ちゃいます。
社会という世界の中でこうして一人で孤独を感じてしまうスカちゃん・・・
そんなことないのに。そんなことないのにーーーーって思って、私が勝手にモルを探しに行きたい気持ちになっちゃいます〜(TOT)
でもっっ！そこはモルっ！さすがです。さすがですーーーーーーー！ちゃーんとスカちゃんの所にきて、車から降りようと思ったら、いつもとは様子の違うスカちゃんがエントランスから出てきて、何となく声をかけるタイミングを逃しちゃって後を着いてきたに違いないですーーーー。
他の人では決して分からないスカちゃんのなんか違う様子をモルはちょっと見ただけでも見抜いちゃったんですーーーーー！絶対にそうですーーーーーー(>_<)
そして電話をかけるモル(T.T)←あまりにも素敵すぎて泣きっぱなし。
スカちゃんの様子をずっとみて、スカちゃんの心の中にある大きな悲しみを徐々に徐々に溶かしだしてあげているモルがたまらないですっっ！
スカちゃんの壁を崩すのは簡単な事ではないと思いますけども、モルだったら出来る！モルしかできないことなんだって、もうモルのお話にずっと耳を傾けちゃった私です。
スカちゃんの事は何でも知っていて、モルの言葉で語られるスカちゃんの素顔がまたすごくいいですっっ！
チョコレートやスープの好きな種類を知っていることももちろんですけど、モルのシャツを持っていてそれを着ている事なんかもすごくいいし、何よりも５つの時からのお友達、テディベアを持っているところなんて本当にいいですーーーー(*TOT*)
そして、そういうスカちゃんをぜーんぶ知っている、分かっているモルがたまらなくいいですーーーー(TOT)
でもねぇ・・・そうですよね。スカちゃんとしては自分を分かっていてくれたモルだからと言って、全てをモルにさらけ出して助けてもらいたいとはすぐに思えないのかもしれませんよね。
放っておいて欲しい。最初、そう思ってしまうのも分かるような気がします。
こうして自分で作り上げてしまった壁だけど、その壁にだって歴史はあるし壊してしまいたいと思っている壁だけど、その壁を取り壊してしまった自分と向き合うことになるのもまたどこかで恐怖なのかもしれないです。
モルがいるって心では分かっていても、頭の方がついていかないっていうのもあるのかもとも思いますし(>_<)ヽ そんなスカちゃんが痛々しくて本当に可哀想で・・・
モルの胸に飛び込んで、全身の力を抜くことでどんなにスカちゃんの中の苦しい部分が取り除かれるのか、私たちは分かっても、スカちゃんはなかなか分かることが出来ないかもしれないですよね〜(T.T)
そしてそこはやっぱりモルに頑張ってもらうしかないわけで・・・
どんなにスカちゃんが放っておいて、一人にして、私は大丈夫って言っても、本当にスカちゃんを分かっているモルだからこそ諦めないで、スカちゃん以上の頑固さをみせてその壁を崩させてあげて欲しいですーーーー(TOT)
でもこのモルにはそれをお願いしちゃって大丈夫ですね(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)←泣いてばかり
スカちゃんの心を溶かせるモルなんですよねーーーー。
よかったですー。本当に良かったですーーーーー(>_<)
モルだからこそ出来たことだし、私たちはモル以外にはお願いしたくないですものね。
確かにこの二人の関係からすると、プライベートでは二人とも違う相手にその安らぎを求めた方が楽になるのでは？とも思う瞬間もチラリとあったりしますけども（甚だ極少）でもねーーー。なんかそういう一般的な関係は超越しちゃった二人ですものねっっ！
そんな普通の男女の関係じゃないふたりですものっっ。やっぱりモルにはスカちゃんで、スカちゃんにはモルしかいないですっっ！
しかもストロベリーシェイクってねぇ〜〜〜〜〜(*>o<*)
もうなんかねぇ〜。甘いですーーーー！超、甘くてどうしましょうーーーーって感じなんですけども、モルスカだからどうしましょーっどうしょましょーとずーっと突進させて頂けたちゃうっていうかですねぇ〜。
涙しながらも微笑んでいるスカちゃんの美しさにウルウルきつつ、そんなスカちゃんを見つめるモルの眼差しにもすっかりやっぱりとってもやられちゃった私です。
ほんと、素晴らしい一時を頂戴することができましたと、ショッピングセンターの中のモルスカの周りをふわふわと浮游霊の様に漂いながら酔いしれさせて頂いていた私は大満足でございます。
そんな大満足の私に作家さんとご紹介下さったcooさんはもう一つのスペシャルデザートをご用意下さったみたいで♪
１年後の二人までもねぇ〜(〃∇〃)
その二人の甘々っぷりにすーーーーかりやられて、顔ゆるみっぱなしの私ですが、この辺でいつまでも続いてしまいそうな蛇足的感想を終わらせて頂きたいと思います。
ありがとうございましたーーーーー(*>o<*)/
