☆ 内容を簡単にご紹介 ☆
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TITLE: PASSWORD
AUTHOR: DONNILEE
RATING: NC-17
CATEGORY: MSR /ANGST
PART 1 - PG-13
とある水曜日の夕方、スカちゃんはモルのアパートへ来ていました。
モル本人は連続強姦事件のお手伝いでアトランタに出張で不在でして、スカちゃんは居残りだったので今回はペーパーワークを頑張っていたようです。
そしてその事務業務ですが、モルの留守中は自分でも驚くほど集中出来るそうで、本日もさくさくとスムーズに終えてらっしゃいました。
モルの留守中、どうしてそんなにペーパーワークに集中出来るのか？
スカちゃん曰く、”彼の責任ではないけど〜”、彼はやっぱりとっても魅力的なので、普段オフィスで彼が近くに座っていると、どうしても自然に彼を見てしまうし、それはとっても気が散ってしまう事でぇ〜・・・・、
その上、これも”彼の責任じゃないけど〜”、ヒマワリの種を食べている時の彼の唇は、殺人的にセクシーでぇ〜・・・・・、とにかく普段はオフィスで彼と一緒だと、仕事に集中出来ないそうですぅ（笑）
いつも認めないようにしているモルへの気持ちですが、今回はモルが出張に行ってからもう3日も経ち、”彼がいなくてとっても淋しいわ”だそうです(*^_^*)
モルは、事件の報告に月曜と火曜の夕方に電話してきたそうで、今日はまだだそうですが、スカちゃんは後できっと電話が来ると確信しています。
（結局、毎日モルから電話が来るって事ですね？うふっ♪）
モルからの電話をとっても楽しみにしていて、声を聞けると元気が出るそうですよ♪
いつものようにモルが飼っているお魚さん達に餌をあげ、何気に辺りを見回すと、ビデオデッキからテープが出ているのを見つけます。
ちょっと見た感じですぐに、モルが”僕のじゃないよ”と主張する内容のテープだと確信したスカちゃんです（笑）
スカちゃんは、これまでテープに遭遇する機会があっても、タイトルさえも見なかったそうですが、今回は、モルがどんな女性がお気に入りなのかとっても気になっているご様子。
彼が好きなのは、多分・・・・、ブルネットで、背が高くて、脚がスラリとした、私とは違うタイプの女性ねと、悲観的な想像をしながらテープをデッキから抜き取ります。
スカちゃんがおそるおそるテープを手に取ると、なんとタイトル名は、『Fiesty, FireyRedheads.』でした。スカちゃん思わず喘いでしまいます。
赤毛？・・・・・、えっと、赤毛って？そのままスカちゃんは固まってらっしゃいます。（ぷぷぷっ）
彼は赤毛が好きなの？それとも私？いや、そんなはずないわよね？
だってだって彼はブルネットが好きなはずだもの・・・、ん？違ったのかしら？
モルがスカちゃんと同じように、彼女に惹きつけられているって事実はスカちゃんをとっても混乱させてしまったようです（笑）
これまでモルがスカちゃんにいつもセクハラがらみのジョークを言うのは、小さい男の子が女の子をからかって楽しむというか、スカちゃんの困惑ぶりが楽しくてそうしているのかと思っていたけど、実はそうじゃなかったのかしら？と
頭の中が”いっぱいいっぱい”になってしまいます。
そんな中、突然携帯電話が鳴ります。
音に驚いてテープを床に落としてしまい、コートの胸ポッケをまさぐり携帯を探します。
その時自分の心臓が激しく鼓動している事に気付きます。
色んな意味でドキドキしているスカちゃんです。（可愛い〜♪）
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ここからはしばし、電話でのやりとりが続きます。
「スカリー」
嫌だ、息が上がって声が・・・。
「スカリー？大丈夫かい？」
「え、えぇ、モルダー」
「息が切れているみたいだけど？」
「電話の音にびっくりしただけなの。」
「なんだ、そうなんだ。実はさ、君に頼みたい事があるんだ。
悪いんだけど、僕のアパートに行って、そこから電話をくれないかな？」
「既にあなたのアパートで話しているけど。」
「既に僕のアパートにいるの？」
「ここにはエコーがあるのかしら。」
その言葉に彼はクスクス笑った。
「どうして僕のアパートにいるの？」
「あなたって本当に忘れっぽいわ。あなたが留守の時って、私はいつも何をするのかしら？」
「ああ、そうだった。君は僕の魚達に餌をあげてくれるんだ。彼らは君に感謝しているよ。
君がいないと生きていけないからさ。」
「その彼等に餌をあげたところなの。それで、頼みって何かしら？」
「パソコンで資料を調べて欲しいんだ。1996年に僕が担当したケースとの類似点がいくつかあって・・・・・。」
「OK、ちょっと待って」
彼女は彼のパソコンを起動し、パスワード（『TrustNo1』）を打ち込んで待った。
しかし突然エラーメッセージが出てしまった。
<Incorrect password, try again>
？？？
「モルダー、あなたパスワード変更した？『TrustNo1』を入力したんだけど、エラーメッセージがでるの。」
「しまった、忘れてた・・・。」
彼は声を潜めて呟いたが、彼女にはそれが聞き取れてしまった。
「何？」
「えっとさ、スカリー・・・、その・・・、多分すぐにはその資料はいらないと思うんだ。
後でフロヒキにFaxしてもらうよ。バックアップをとってもらっているからさ。うん、彼に電話するよ。とにかく有難う」
「モルダー、どうしたのよ？」
「どうもしないさ。特に緊急じゃないし、君を煩わすまでもないよ。」
「私にパスワードを教えたくないのね？」
彼女は傷ついたような声が出てしまったが気にしなかった。
彼は彼女を信用していると思っていたし 、彼だって常に信用していると言っていた。
だが結局の所、彼女を信用していなかったという事だ。
「君が想像しているような意味じゃないんだ。全然そんな意図はない。」
「だけど、私にパスワードを知られたくないって事でしょ？私が前のパスワードを知ってしまったから変更してしまったの？」
「それが変更した理由じゃないよ。」
「じゃあ、なぜ？」
「毎月僕は時計仕掛けのようにパスワードを変更するんだよ。僕が誇大妄想狂だって忘れてしまったのかい？」
彼は、質問を避けるためにユーモアにすりかえようとしたが、耳に聞こえた彼の笑いは不自然なものだった。頑張って彼女の質問を避けようとしているようだが、
今回はそれを許すわけにはいかなかった。
「モルダー、私の事を信用してる？」
「勿論信用しているよ。どうやったら僕が君を信用していないと思えるんだ？
これは信頼関係とは一切無関係ないんだよ。」
「モルダー！これは信頼関係の全てを表すじゃない！私を信用しているなら、パスワードを教えて手伝わせるんじゃないの！」
彼女は今やヒステリックに叫んでしまっていた。
-静寂-
静かに彼は話始めた。
「スカリー、僕が君を信用してないんじゃなくて、それが君を戸惑わせるので言いたくないんだ。僕は・・・・、そ、その、き、きみが侮辱されたと思うようなことを・・・・」
まったくもう、彼は何を言おうとしているのかしら？
彼女は息を吐き出し、笑いたい衝動を抑えた。
もしかして彼はきまりが悪いってことなの？
一体全体、どんなパスワードなのだろう？？？
「どういうこと？卑猥な言葉なの？怒らないって約束するわ。」
-静寂-
「モルダー、はやく言って」
「スカリー、僕は・・・・・」
「ねぇモルダー、そんなにも酷い言葉？」
「あぁ、本当に、本当に、酷い・・・・。」
今度は彼女が黙ってしまった。
私は本当に知る事を望んでいるのかしら？
彼がパスワード教えるのを躊躇っているのは、信頼不足が理由ではないようなので、ひとまず安心はしたのだが、何がそんなに彼をきまり悪くしているのだろう？
彼のペニスサイズ？それはそれでとっても興味深いけれども・・・。
彼女は自分の想像にクスクス笑ってしまった。
「モルダー、聞いてもその言葉に反応しないし、それについての感想を言わないと約束するわ。」
「約束してくれるかな、その、変な意味で受け止めないでくれるって・・・・」
「変な意味で？ モルダー、私は、私達が何の言葉について議論しているのかさえ知らないのよ。」
最後の言葉は大きな溜息交じりだった。
「モルダー、お願い・・・・」柔らかく彼女が言った。
「OK、忘れないでくれ、予告はしたからね。」
彼は一呼吸置いた。
「言うよ、頭文字は全て大文字、スペースはなしだ。」
「わかったわ。」
「いい？」
「いいわ、パスワードを言って。」
「SexyRedHead」
彼はそう囁いた。
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パスワードに反応しないと約束したスカちゃんですが、思わず喘いじゃいます。
＜Holy Shit! 『SexyRedHead』ですって？＞（スカちゃんの心の声です）←ぷぷっ
スカちゃんは動揺しながら、反応しないと言った手前、
パスワードには何もコメントせずに、とりあえずは震える指で文字を入力します。
ですが頭の中では、さっきのテープのタイトルとパスワードが一致して、実は彼の好きなタイプは、ブルネットではなく赤毛の女性だったいう事が判明してドッキドキです。
『SexyRedHead』とモルがパスワードに設定していても、私には、「えぇ、ほんとそうですよね〜♪ それが今更何か？」って感じですが、本日も”うっかりぼんやりスカちゃん”の動揺ぶりがとっても可愛いです♪
（スカちゃ〜ん(^o^)／彼は、赤毛が好みというよりスカちゃんが好きって事なんだと思われますぅ〜♪）
「フォルダの名前を教えてくれる？」とスカちゃんが言うと、電話の向こうからは、モルが泣きそうに鼻をすする音が聞こえてきます。
とっても沈んでいるモルを心配して、
「大丈夫よ、モルダー。フォルダの名前は何？」ってやさしく尋ねるスカちゃんです。
「・・・・フォルダ名はVCS96だ。」
スカちゃんがフォルダをクリックすると、数字ばかりが沢山並んでいて、過去のファイルを、彼がケースナンバーで管理していて、そのうえ全て記憶していると知り、やっぱり彼は凄いわねと改めて感心しちゃうスカちゃんです(#^.^#)
「フォルダを開いたわ。」
「072996を開いてくれるかな。」
「開いたわ。」
「それを印刷して、今から言う番号へFAXしてくれる？」
「了解よ。」
モルの言う番号をメモしたスカちゃんは、「すぐ送る？Faxの近くにいるの？」って聞きますが、モルは「今は現場にいるから事務所に戻って受け取るよ」って答えます。
「じゃぁ、FAXが届くまで、電話を繋いだままにしておく？」ってスカちゃんが聞くと、「いや、いいよ。もし届いてなければ、また連絡するからさ。」という返事。
この会話の最中もモルは上の空で、電話を早く切りたい感じがひしひしと伝わってきたスカちゃんは、まだ彼がとてもきまりの悪い思いをしている事に気付きます。
「分ったわ。それで、モルダー・・」
「あの、スカリー、本当にごめん・・・・・。」
「モルダー、パスワードの件だけど、もし私の事を指しているのだとしても怒ってなんかないわよ。」
モルの言葉を遮ると、パスワードについて触れないと約束した事も忘れて、思わずコメントしちゃうスカちゃんでした。
「勿論君のことなんだ・・・・・、だけどそんな事はするべきじゃなかったね。」
「モルダー？ その、あなたは本当に私の事がセクシーだと思っているの？」
スカちゃんは掠れた声で尋ねます。
「あぁ、君は僕がこれまで出会った女性の中で一番セクシーだよ。」
「モルダー？」
「ん？」
「そう思ってくれて、とっても嬉しいわ。」
「ほんとうに？！」
モルの声はとてもうわずっていました（笑）
スカちゃんはそんな彼をとっても可愛いって思います♪
「スカリー、どうして？」
「どうして？それは、私もあなたが信じられないくらいセクシーだって思っているからよ。」
Holy Shit. ←今度はモルの呟きです（笑）
かすかに聞こえたその言葉に、スカちゃん思わず微笑みます。
スカちゃんは、モルが戸惑って驚くのを少し楽しんでますぅ♪
「スカリー？」
低い声で呼びかけられたスカちゃんは、その声に背筋が震えちゃいます。
いつも夜中にモルがかけてくる電話の声を思い出しても、ここまでセクシーなモルの声を聞いた事はなかったそうです。
「なに、モルダー？」
「電話を切ったら、さっきの資料をFAXしてくれるかい。その後に僕のパソコンの中に『ジャーナル』っていうフォルダがあるから、それを見て欲しいんだ。」
スカちゃんは即座にそのフォルダを探します。
見つけた彼女の心臓はまたもやドキドキです。
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「その中で一番新しい日付を開いてみて。それはアトランタへ出発する前日に書いたものなんだ。」
「OhKaay.」
どういうことなのだろう？彼は私に個人的な日記を読んで欲しいって事なの？
「スカリー、僕はこれまでの人生で最も大きな賭けをするよ。これまで誰も信用しなかった事で君を信用する。そして土曜日に帰った時にも、まだ君がそこに居てくれ
る事に賭けたいと思う。」
「まだここに？何を言っているの？勿論私はここに居るわよ。」
「そう願ってる。」
「怖がらせないでよ。」
「君は怖がらなくてもいいよ。怖いのは僕の方さ。」
「どうしてあなたが怖がるの？」
「今にわかるよ。とにかくそれを読んでみて。土曜に戻ったら君に連絡するよ。君は僕が君を信用しないと言ったよね？だから僕は証明してみせる。君を信用している事を。」
「モルダー、そんな事をする必要はないのよ。私、あんな事言うべきじゃなかったわ。」
「またね、スカリー。FAXの件有難う。」
「モルダー、待って！」
「いったい、私に何の信頼を賭けてみたの？」
彼は長い沈黙の後に、
「僕自身さ。」と呟き電話を切った。
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電話を切られたスカちゃんは、少しの間電話を見つめ固まります。
落ち着いた後に、さっきの資料を印刷してFAXを終えるとパソコンの前に座りますが、心の中は不安でいっぱいです。
許可をもらっても、やはりプライバシーの侵害のように感じるそうで、そのうえ、彼女はさっきのモルの言葉もとても気になっています。
いったい何が書いてあるのだろう？
読めば彼から彼女が去ると心配する事？自身の信頼を賭けるって？
彼女が知りたくない彼の酷い過去？
それとも二人の敵についての事で私に話していなかった何か？
色んな事を考えてしまうスカちゃんです。
そして、「私の事を信用してないのね」と責めてしまい、彼女への信頼を証明しなくてはと思わせてしまった自分にとても後悔しています。
スカちゃんがフォルダをクリックすると、モルの言葉通りに最新のフォルダは、アトランタ出発の前日の日付のものでした。
ためらいながらも勇気を出して、スカちゃんはフォルダを開きます。
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PART 2 - R
"JOURNAL ENTRY 042300"
このフォルダの中のモルの日記は、約250行にも及ぶ長さでした。
内容ですが、その文章はスカちゃんへの溢れる気持ちが克明に書かれていて、出会った頃の彼女や、どれほど彼女を愛しているか、彼女がどんなに大事な存在か、愛している感情を無理に抑えなくてはいけない苦悩、嫉妬や恐れ・・・、私がここで説明しても説明しきれないほどに、正直で丸裸なモルの気持ちが綴られています。
文章が長すぎるので、途中からの一部のみですが、お伝えできそうな部分を”かいつまんでなんとなく”説明させていただきます。
（↑どんだけぼんやりとした説明？(^_^;)）
＜※文章の途中に、読んでいるスカちゃんの声も入ってます。＞
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彼女は僕の人生そのものだ。
彼女なしでは、僕は呼吸さえ出来ない。
彼女なしでは生きられないんだ。
そして一番大事な事は、彼女が側にいてくれなければ、僕の人生で愛情と呼べるものは一つもなく、心の安らぎさえもなかったという事だ。
彼女は、僕の心の闇を照らす一筋の光だ。
彼女は僕の駄目な面さえも愛してくれる。
彼女は僕が道を逸れようとすると、いつだって注意してくる。
彼女はあらゆる事で、僕のバランスをとってくれる。
彼女は、僕がこれまでの人生で愛したただ一人の女性だ。
以前付き合った女性だっていたし、その時に相手を愛していると思った事もあった。だけどそれは全て間違いだった。
僕は、以前は本当の愛が何であるかさえ知らなかったんだ。
彼女は、僕がこれまでの人生で恋をしたただ一人の女性だ。
今生において、僕が心から愛する女性は彼女だけなんだ。
<Oh my God, Mulder!>←スカちゃんの心の声です(*^_^*)
だったらどうして彼女に告白できないんだ？
怖いんだ・・・・。 とても単純な理由さ。
彼女が同じように僕を愛さないのを恐れているんだ。
僕の気持ちを知った彼女が、僕の人生から去ってしまうのが怖い。
彼女の瞳に愛情ではなく、同情をみたくない。
そんな最悪な事は耐えられない・・・・・。
なぁモルダー、お前はこの世界上で、唯一触れる事さえ出来ない女性に恋をしてしまったんだ。そうさ、僕は自分のパートナーを愛してしまったんだ。
＜あなたは私に触れられるわ。私はあなたを止めることなんて出来ないもの。
だけどダナ？あなたがそう思っているって、彼はどうやって知るのよ？＞
僕の感情は矛盾だらけだ。
僕は彼女を愛しているし、彼女の体を強く求めているし、彼女を尊敬している。
だけど、僕は何よりも彼女の心を、やさしく寛大で、美しい彼女の心を愛している。
僕達の意見が合わない時でも、僕を信頼して欲しい。
彼女を連れまわし、僕から去るだろう沢山の理由があっても、
彼女は僕の側にいてくれる。
彼女は側にいてくれる。何故だ？
完璧主義の彼女は、真実を諦めること許せないのだろうか？
それとも僕に何かを証明したくて、滞在しているのだろうか？
彼女は何も僕に証明する必要はないんだ。
それとも、友情以上の感情があるから僕の側に居てくれるのだろうか？
彼女がそう思っている事を心から願う。
＜えぇ、そうよ。どうして気付かないの？＞
いつか必ず、彼女に告白するんだ。
いや、早く勇気をだす必要がある。
彼女への溢れる感情を隠すのに疲れ果て、それは僕の内部を食いつくし、今や外に出てしまう寸前だ。
最近はもう隠すのにも限界がきているんだ。
明けても暮れても 彼女に触れたいと熱望している。
僕達は親友だけど、もし僕が彼女に触れれば、行き過ぎた行為と彼女に思われるのが怖い。
だけど僕は彼女に触れ、どんなに彼女を愛しているかを伝えたいと心から願っているんだ。
その時を想像するだけで、気が狂いそうだ。
彼女は僕の片割れだ。彼女は僕を完璧にしてくれる。
彼女は僕のソウルメイトだ。僕が彼女に言った言葉は全て真実なんだ。
ミツバチ野郎が彼女を刺す前に言った事も、バミューダの冷たい水の中から生還した後の告白も全て真実だ。
彼女を愛する事が出来る僕はなんて幸運なんだろう。
それで、天才プロファイラー？ お前はいったいどうしたいんだ？
僕は連続殺人犯の心理を読み、肝臓を食べるゾンビやエイリアンを追う事は難なくできる。
だけど、ちっちゃな赤毛の女性を前にすると、拒絶される事を何よりも恐れる弱虫だ。
僕は危険を犯し、勇気を出して自分の気持ちを告白しての良いのだろうか？
＜恐れる必要なんかないわ＞
僕の心の声はこう言う。
お前のようなろくでなしと彼女が一緒に居てくれるはずがない。
お前は彼女に値しない。お前に彼女の心を掴むことなんて出来ない。
恋人は言うまでもなく、友人にだって値しないさ。
モルダー、お前はいつからそんなに価値にこだわるようになったんだ？
どうしてそんなに自分が彼女に見合う男なのかを気にするんだ？
答えは簡単だ。僕は彼女にはいつも最高を望むからだ。
そして僕は明らかに彼女にとって最高の人間ではない・・・・。
＜どうして私に選択させてくれないの、パートナー。＞
きっと彼女は言うだろう。
自分に何が最高なのかを決めるのは自分自身だ。あなたは私の母親ではないと。
確かに、今はもう彼女の母親さえも彼女にとって何が最高かを語ることはない。
＜ビンゴ！結局は理解してくれているのね。＞
僕は食べ物のように彼女を必要としている。
”メリッサなんとか”っていう人は、来世も僕のソウルメイトなのかもしれない。
だけどもう、僕はそれさえも信じていないんだ。
＜そうなの？＞
今生のソウルメイトはスカリーだと魂で感じる。
彼女の魂もそう感じていることを願う。
僕はこの気持ちをもう隠す事が出来ない。
何かのはずみで、感情が溢れ出すのも時間の問題だ。
彼女の魅力は、彼女の美しさ、セックスアピール、同情心、清楚さ、・・・・僕のリストはまだまだ続く。
だけど、一番の魅力は、彼女自身がその魅力に気付いていない事だ。
＜セックスアピール？美しさ？・・ですって？＞
僕がフィラデルフィア行きを、当然のように指図した時に、彼女は僕の支配欲を否定した。
僕にとっては最悪の結果で、僕にコントロールされているわけじゃないと彼女は行動で示したんだ。彼女の人生は彼女のものだ。僕を中心に回っているわけじゃない。
僕はその言葉にうろたえた。
＜私は嘘をついたの。私が前へ進んでこられたのは、いつも側にあなたがいたからよ。＞
僕の心臓は、刃物で突き刺され、そこをまたえぐられ、更に出血していた。
彼女の人生に、自分が無意味なのかと苦悩していた。
彼女の全てに拘わっていたいんだ。まだそう思っている。
だけどそれはあまりにも馬鹿げているだろ？
＜無意味ですって？それは何よりも真実とかけ離れているわ。＞
僕の肉体は、彼女の友情、パートナーシップを当たり前の事に考え、彼女に命令した事を後悔し何度も涙を流した。
僕の精神は、見知らぬ精神異常者が、彼女に触れたという事実に、心が粉々に砕け散ってしまった。
”見知らぬ人間”が、いつも近くにいる僕よりもずっと魅力的だったって事だ。
”見知らぬ人間”が、彼女の体を楽しんで、彼女とSEXをした。
そしてそれは、”いわゆるSEX”だったに違いない。
あいつは彼女と愛し合うには、彼女の事を十分に知らなかったさ。
もし僕にチャンスがあれば、彼女と愛を交わすんだ。
尊敬と敬意で彼女を崇拝し、彼女の体を熱望し、溢れる情熱で彼女に愛情を示す。それは単なる体の繋がりじゃないんだ。
僕は、いろんな方法で彼女を愛したい。
熱く情熱的に、優しくゆっくりと、激しく燃えるように・・・・。
彼女の厚い唇は、とても暖かくて柔らかく、しっとりしているに違いない。
彼女の肌は絹のようにすべすべで、柔らかく温かいに違いない。
彼女はとても濡れていて、とてもきついに違いない。
僕は思う。僕は想像する。僕は考える。僕は夢想する。僕は夢をみる。
僕は確かめたいんだ。彼女の体についての答えが欲しい。
僕の想像が正しいかどうかを確かめたい。
＜いつ？私の抑えている感情も、もう溢れそうなの。＞
だけどこれは”いわゆるSEX”についての話じゃないんだ。
僕は毎晩彼女と眠り、彼女と目覚めたい。
ベッドで彼女に朝食を食べさせてあげて、休日を一緒に過ごしたい。
映画を観て、夕食を食べ、宝石を買ってあげる。
そして、喜び、悲しみ、その全てを共有したい。
僕は、彼女と家庭を持ち、子供達を育て、一緒に歳を重ねていきたい。
彼女が子供を生めないのは分っている。
だけど、僕らは養子縁組をして、他のどんな家族よりも幸せに暮らすんだ。
＜モルダー、私に心臓発作を起こさせる気？養子？家庭？歳を重ねる？
あなたはここで素敵な未来を想像しているわ。そのうえ私の想像よりずっと良い未来だわ。＞
僕はソファーに横になり目を閉じる。
セクシーな彼女の顔を想像しながら、僕自身に触れ、それが彼女の小さな手だと想像する。
彼女の名前を叫びながら、毎晩絶頂を迎え、そのまま眠りにつく。
そして朝目覚めた時に、孤独に苛まれるんだ。
そしてその孤独は、また明日の朝にもやってくる・・・・。
＜モルダー、あなたは孤独じゃないわ。あぁ、私が早く知っていれば良かったのに。
これからは私達が二度と孤独にならないようにしてみせる。＞
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この日記ですが、説明した部分はほんの一部で、モルはまだまだスカちゃんの魅力と、スカちゃんへの愛情を他にもいっぱい語ってくれています。
（モルの文章はもっと素敵なのですが、私の表現力不足でそれが上手く伝えられないのが残念です。）
読み終わったスカちゃんはボロボロに泣いています。
泣いているにもかかわらず、モルの熱い表現に反応して感じてしまってもいます。
そしてですね、これを読んだ後に、モルの日記に負けないくらいの長文で、スカちゃんもどれだけモルの事を思っているのかを延々語ってくれます。
ですが、モルのパートでちょっと時間を取りすぎましたので、スカちゃんのパートは大急ぎで行かせて頂きます。
何故なら、ここをさらっといってもこの後のパートでスカちゃんは十分すぎるほどモルへの愛を語って下さいますので。（とても興味深い方法です・・((((((^_^;)）
ただ一つ重要な点は、スカちゃんはフィラデルフィアで、”見知らぬ人”とSEXはしなかったそうで、この日記でモルがそれを誤解している事を知りました。
ただそれもしょうがないそうで、モルを傷つけたくてあえて否定も肯定もしなかったそうです。モルに傷つけられたから、仕返ししたかったそうですが、結局”見知らぬ人”はモルじゃないし、とても無理だったみたいです。
スカちゃんたら、仕返しみたいな事して子供っぽかったわと反省ぎみです。
だけど本当はモルに”嫉妬”もして欲しかったんですって。（可愛いい♪）
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☆ HISAYOの感想 ☆
CoCoaさん♪第二弾のレポートをありがとうございます〜！ShipperParadise！でも有名な作家さんである、DONNILEEさんの作品ですので、またワクワクドキドキ、そして「濃さ」にノックアウトさせていただけるのだろうな〜♪と逸る気持ちを抑えながらパート１からレポートを読ませていただいている私です。
ほらぁ〜(^^*)
私ったらぁ〜(^^*)
先が気になりすぎちゃって、推理小説のラストを早々に読んじゃったりするタイプだったりしますので、モルスカの「あ」へと途中をすっ飛ばして食いついちゃったりしないとは言えないわけですぅ(*￣∇￣*)
ですので、絶対に読んじゃ駄目！と自分を叱咤しつつ、パート１からちゃんと読み始めませていただきました。
そうですかぁ〜。スカちゃんはちゃんとモルがセクシーな事は認めちゃっている訳ですね〜。私もねぇ。モルみたいな人とあの個室で二人だけで仕事をしていては、スカちゃんだって辛かろうと思っておりましたのー(>_<)
だっていい男って言うだけでじゃなくて、色気がありますでしょう。モルには。私は昔からセクシー系の男性には弱くてですねっっ！・・・と、私の話はどうでもいいですわね。
まぁね、スカちゃんが元来セクシー系が好きだったかどうかはさておいて、モルみたいな人と出会ってしまったからには、もうねぇ。粗食には耐えられないっていうのですか？
人間、贅沢を知ってしまうとそのレベルを落とす事はなかなか難しいですもの。
ですからスカちゃんもねぇ(^^*)
そしてそこからは二人の親密さを物語るように、モルのアパートにスカちゃんがお魚にゴハンをあげに行くんですね。普通は頼まないですし、頼まれないですよね♪
ま、モルスカですので当然のことなのですけども、とりあえずハッピーポイントですので確認させていただきました〜♪
そこで見つけたかの有名な「僕のじゃないビデオ」
モルもね〜。ちょっと油断しすぎですよねぇ〜。スカちゃんがお部屋に来るのはわかっているのだから、もう少し用心深くしておかないとねー。
( ﾟoﾟ)ﾊｯ それとも作戦でしょうか？いつまでも自分の思いに気づいてくれていないように思われるスカちゃんに対しての！？
でもその後のモルの動揺を見ると、そういうわけではなさそうですので、やっぱりこういうところは、モルはモルって感じということでしょうかねー。
しかし後々の展開を見ると、これに関しては二人にとって良い起爆剤の前兆という感じになったみたいですので、ヨシと致しましょうかね〜(*^o^*)
それにしてもスカちゃんてば、モルの好みをブルネットで足がすらっとして背が高くて・・・と思っているようですけども、ワタクシ、思いますにモルってそういう人、実際に好みなのでしょうかね(･_･?)
要するにオババっぽい感じみたいだと思いますけど、あれはねー(=_=)別にねー(=_=)好みって訳じゃないと思うのですよね〜。
ま、スカちゃん以外の女性でモルが「お？」となった女性を強いて、強いてあげるのだったら私はバンビじゃないかと思っているのですけども・・・。
完璧に袖にされましたので、あれはあれで私はおもしろおかしくみることが出来ますけど。
ということで、スカちゃん！モルの好みを勘違いしちゃだめよー！それに、もうモルは好みも何もあなたの事しか考えられない人となっているのだものー(*^o^*)/←笑顔で宣言。
・・・そんなこんなを思いつつ、モルとスカちゃんの様子を見続けておりましたら、ビデオに続き、パスワード問題まで起こってしまったようでございます。
うんうん(^-^) こういうきっかけって必要なのですわ。この二人には♪
スカちゃんが食い下がらなかったからこそ、モルが勇気を振り絞ったからこその展開ですよねぇ。
やっぱり二人にはなにかしらのきっかけって必要なんですよね！
さて、スカちゃんがパスワードを使って開いたファイルの中身はいったいどんなものなのでしょうか〜♪♪♪
なんとなくわかっているような気がしますけども、まぁその辺は妄想に妄想を重ねてもそれ以上の満足度をいただけるDONNILEEさんですものねー！
でもねぇ。パート２に入ってもまだ「Ｒ」指定とはDONNILEEさん。
じらしてくださいますよねぇ〜。
でも美味しい物は最後に食べるタイプの私ですので、この焦れ焦れ状態を満喫しつつ、モルの思いの丈を思い切り満喫させていただきたいと思います。
・・・・って、これで本当に一部なんですかー (◇^*)Ξ(*^◇)
もうそれこそ「どんだけぇ〜！」って連発でございます。
モルったらほんと、どれほどの言葉をつづっているのーーーー！と、こちらが恥ずかしくなってきてしまうほどですけども、それだけモルの思いが強いって事ですよねぇ。
スカちゃんもこれだけ、自分に対する愛を切々と綴られてしまったのですから、そしてそれをモル自らが読んで欲しいと願ったわけですから！もちろんそんなモルの愛に応えなくちゃいけませんよねー♪
スカちゃんもモルを愛しているのは絶対ですけど、その辺をね。ちゃんとモルに伝えてあげなくちゃ！
と、思ったのですけどもそこはよけいなお世話だったようでございます(*^^*ゞ
スカちゃんもきっちりその辺はそこに文章を書き足していくというこれまたオツなお返しをしつつ、スカちゃんがモルの嫉妬も欲しかったというかわいい気持ちにうっとりしつつ、次なる、スカちゃんのすんごい行動力を受け止める（？）鋭気を養わせていただきたいと思いますー(>_<)/
